マリンスノウ（記号なし）

(ぼくはこどくのうみほうりだされて)

僕は孤独の海　放り出されて

(もうさおぼれてしまうのかなぁ)

もうさ　溺れてしまうのかなぁ

(とはいえはいあがれない)

とはいえ這い上がれない

(どうせおちるならくちて)

どうせ堕ちるなら朽ちて

(しんかいぎょのえさになれ)

深海魚のエサになれ

(きみのことくうきみたいだとおもっていた)

君のこと　空気みたいだと思っていた

(なくしたらいきぐるしくて)

失くしたら息苦しくて

(からだがただしずんでゆく)

体がただ沈んでゆく

(とおざかっていくそらぐんじょうにうまっていく)

遠ざかっていく空　群青に埋まっていく

(ぼくらもっといろこくまざりあえていたなら)

僕らもっと色濃く混ざりあえていたなら…

(きみのいないうみをのがれようとしたけど)

君のいない海を逃れようとしたけど

(おもいでのおもさでおよげない)

想い出の重さで泳げない

(そんざいをあいじょうにもとめていた)

存在を愛情に求めていた

(こういはかたちだけになっていた)

行為はカタチだけになっていた

(かんかくがにぶっていくなにもきこえない)

感覚が鈍っていく　何も聴こえない

(めをとじてるかもわからない)

目を閉じてるかもわからない

(きみのしぐさきみのなかのぬくもり)

君のしぐさ　君の中のぬくもり

(うかんではきえていくんだ)

浮かんでは消えていくんだ

(せかいがいまたちきられて)

世界が今断ち切られて

(もがけばからまりぜつぼうにそまっていく)

藻掻けば絡まり　絶望に染まっていく

(ぼくがもっときみのめをみていられたなら)

僕がもっと君の瞳を見ていられたなら…

(だれもいないやみはきおくだけのこして)

誰もいない闇は記憶だけ残して

(ぼくからすべてをうばっていく)

僕から全てを奪っていく

(からだがただしずんでゆく)

体がただ沈んでゆく

(なみだもさけびもしんかいがさらっていく)

涙も叫びも深海がさらっていく

(どうせならもうぬけがらになってしまえば)

どうせならもう抜け殻になってしまえば

(ずっとこのままときをこえて)

ずっとこのまま時間を超えて

(ふかいいしきのふちただよっていられたら)

深い意識の淵漂っていられたら

(ぼくはひとりここでうまれかわれるのかなぁ)

僕は一人　ここで生まれ変われるのかなぁ

(きみのいないうみでいきていこうとしたけど)

君のいない海で生きていこうとしたけど

(おもいでのおもさでおよげない)

想い出の重さで、泳げない