音一会

(ぼくのいばしょはｂ５)

僕の居場所はB5

(ぺんからこぼれることばをおとして)

ペンからこぼれる言葉を落として

(だれにもとどくはずなんかなかった)

誰にも届く　はずなんかなかった

(しせんをおとしたちいさなせかいで)

視線を落とした小さな世界で

(ぼくだけのかんじょうだった)

僕だけの感情だった

(きみはきみでぼくじゃない)

君は君で僕じゃない

(なのにどうしてわかったの)

なのにどうしてわかったの？

(きみもどこかいたいの)

君もどこか痛いの

(まよっているのはぼくだけじゃない)

迷っているのは　僕だけじゃない

(つよくみえてもつよくない)

強く見えても強くない

(もろくてもにげそうでも)

脆くても　逃げそうでも

(いまひっしでここにたってる)

今必死でここに立ってる

(ふるえるいびつなもじにはねをくれた)

震えるいびつな文字に羽をくれた

(だからまえへすすむおとのなかで)

だから前へ進む音の中で

(かおをあげてうたいたい)

顔を上げて　うたいたい

(このまよいごえはああきみにとどくかい)

この迷い声は　ああ君に届くかい

(とどくかい)

(届くかい)

(こころのすべてをのこさずみせたいよ)

心の全てを残さず見せたいよ

(みせたいよ)

(見せたいよ)

(しぼりだしたこのこえが)

絞り出した　この声が

(あたたかさにふれるそこにきみが)

あたたかさに触れる　そこに君が

(ひとりきりでないていたあのよるも)

独りきりで泣いていたあの夜も

(あのよるも)

(あの夜も)

(きっときょうのぼくにつづいていたんだと)

きっと今日の僕に続いていたんだと

(つづいてた)

(続いてた)

(おもえたそうきみがいたから)

思えた　そう君がいたから

(ありがとう)

ありがとう

(にがてになっていたあまおと)

苦手になっていた雨音

(うちひしがれていたあのひからで)

打ちひしがれていた　あの日からで

(だいじにしたいとおもうほどなぜか)

大事にしたいと　思うほど何故か

(またこわしてしまうんだって)

また壊してしまうんだって

(おびえてたきのうのぼく)

(怯えてた昨日の僕)

(だけどもういちどしんじてみたくって)

だけどもう一度　信じてみたくって

(こりないけどそれでも)

(懲りないけど　それでも)

(きみといっしょならしんじられそうで)

君と一緒なら　信じられそうで

(いまもうまくはわらえない)

今も上手くは笑えない

(めをみることもとくいじゃない)

目を見ることも得意じゃない

(じしんなんてないよでも)

自信なんて　ないよでも

(あのしゅんかん)

(あの瞬間)

(きこえたはくしゅのおとがきおくをこえた)

聴こえた拍手の音が記憶を超えた

(あのあまおとをぬりかえて)

あの雨音を塗り替えて

(からだじゅうにひびいたんだ)

体中に　響いたんだ

(あいかわらずぶきようなぼくなのに)

相変わらず不器用な僕なのに

(ぼくなのに)

(僕なのに)

(あきれずにまっててくれるやさしさとか)

呆れずに待っててくれる優しさとか

(やさしさとか)

(優しさとか)

(ぼくはまだなれなくて)

僕はまだ　慣れなくて

(おいつかないことばもどかしいけど)

追いつかない言葉　もどかしいけど

(きづいてくれたきみのそのむねに)

気づいてくれた君のその胸に

(そのむねに)

(その胸に)

(きいてくれたどこかにいるきみのなかに)

聴いてくれたどこかにいる君の中に

(そのなかに)

(その中に)

(このこえのおきばじょをくれるなら)

この声の　置き場所を　くれるなら

(ぼくはいきたい)

僕は行きたい

(このまよいごえはああきみにとどくかい)

この迷い声は　ああ君に届くかい

(とどくかい)

(届くかい)

(おそるおそるふみだしたひをわすれないよ)

おそるおそる踏み出した日を　忘れないよ

(わすれないよ)

(忘れないよ)

(しらなかったいくつもの)

知らなかった　いくつもの

(かんじょうがぼくへとなだれこんだ)

感情が僕へと　なだれ込んだ

(うつむいてたよりないこのぼくも)

俯いて頼りないこの僕も

(こんなぼくも)

(こんな僕も)

(くすぶっていたぼくさえもまちがいじゃなかったと)

くすぶっていた僕さえも間違いじゃなかったと

(まちがいじゃない)

(間違いじゃない)

(おもえたそうきみがいたから)

思えた　そう君がいたから

(ありがとう)

ありがとう