ナイトルーティン

(すこしおおげさにそうしつをうたう)

少し大袈裟に喪失を歌う

(おんがくになみだをぬぐわれて)

音楽に涙を拭われて

(たいくつなえいがのしょうもなさが)

退屈な映画のしょうもなさが

(せをさするよる)

背をさする夜

(きょうあったできごとをはなそう)

「今日あった出来事を話そう」

(おかえりとただいまはちゃんといおう)

「おかえりとただいまはちゃんと言おう」

(ゆうはんのあいだてれびはけそう)

「夕飯の間テレビは消そう」

(なんとなくまだまもってたいよ)

なんとなくまだ守ってたいよ

(かぜにあらわれたいぬころみたいな)

風に洗われた犬ころみたいな

(ぬるいしあわせがたいせつだった)

ぬるい幸せが大切だった

(ぴかぴかのこんびにへあるく)

ぴかぴかのコンビニへ歩く

(ふかふかのふとんでゆめみる)

ふかふかの布団で夢見る

(いみのないるーてぃーん)

意味のないルーティーン

(きみがいないだけさ)

君がいないだけさ

(ぷかぷかとけむりをはきだす)

ぷかぷかと煙を吐き出す

(すかすかのれいとしょーをみる)

すかすかのレイトショーを観る

(なんどくりかえせばひとりになれるのかな)

何度繰り返せばひとりに慣れるのかな

(かなしみをちょっときゃくしょくした)

悲しみをちょっと脚色した

(いつまでもおぼえていれるように)

いつまでも覚えていれるように

(とうていうたにもえいがにもならない)

とうてい歌にも映画にもならない

(なんでもないもの)

なんでもないもの

(あしただすごみはまとめとこう)

「明日出すゴミはまとめとこう」

(ねるまえにあったかいものをのもう)

「寝る前にあったかいものを飲もう」

(しみついたこのくせがぬけたら)

染みついたこの癖が抜けたら

(ほんとうにきみをうしなうみたいで)

本当に君を失うみたいで

(つやつやのごはんがたけたよ)

つやつやのご飯が炊けたよ

(ぽかぽかのおふろがわいたよ)

ぽかぽかのお風呂が沸いたよ

(だれにつたえたらいい)

誰に伝えたらいい？

(あてさきのないひび)

宛先のない日々

(ぴかぴかのこんびにへあるく)

ぴかぴかのコンビニへ歩く

(ふかふかのふとんでゆめみる)

ふかふかの布団で夢見る

(いみのないるーてぃーん)

意味のないルーティーン

(きみがいないだけさ)

君がいないだけさ

(ぷかぷかとけむりをはきだす)

ぷかぷかと煙を吐き出す

(すかすかのれいとしょーをみる)

すかすかのレイトショーを観る

(なんどくりかえせばひとりになれるのかな)

何度繰り返せばひとりに慣れるのかな

(ふゆのあさのもうふのような)

冬の朝の毛布のような

(きみのなごりからぬけだせないよ)

君の名残から抜け出せないよ

(にどねをしようにもめはさえてしまってる)

二度寝をしようにも目は冴えてしまってる

(なつのよるはうすあかるい)

夏の夜は薄明るい

(ひとりであいすでもかいにいこうかなぁ)

ひとりでアイスでも買いに行こうかなぁ

(ぼやけたこんびにへあるこう)

ぼやけたコンビニへ歩こう