夏目漱石「こころ」2-9
こっちゃん様が(上)の方を上げて下さっていたものの続きでございます。
タイピングを投稿するのは初めてですので、誤字脱字等ありましたらご連絡何卒宜しくお願い致します。
次:https://typing.twi1.me/game/360176
こっちゃん様による(上)
https://typing.twi1.me/profile/userId/86231
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | なおきち | 6862 | S++ | 7.0 | 98.0% | 166.7 | 1167 | 23 | 27 | 2024/09/30 |
2 | ぽむぽむ | 5815 | A+ | 6.0 | 96.8% | 196.9 | 1184 | 39 | 27 | 2024/11/10 |
3 | mame | 5243 | B+ | 5.5 | 95.4% | 211.9 | 1167 | 56 | 27 | 2024/11/24 |
4 | 饅頭餅美 | 5013 | B+ | 5.1 | 96.9% | 226.8 | 1174 | 37 | 27 | 2024/09/28 |
5 | やまちゃん | 4770 | B | 4.8 | 98.0% | 240.0 | 1168 | 23 | 27 | 2024/09/26 |
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問題文
(「おまえのよくせんせいせんせいというかたにでもおねがいしたらいいじゃないか。)
「御前のよく先生々々という方にでも御願したら好いじゃないか。
(こんなときこそ」)
こんな時こそ」
(はははこうよりほかにせんせいをかいしゃくすることができなかった。)
母はこうより外に先生を解釈する事が出来なかった。
(そのせんせいはわたくしにくにへかえったらちちのいきているうちに)
その先生は私に国へ帰ったら父の生きているうちに
(はやくざいさんをわけてもらえとすすめるひとであった。)
早く財産を分けて貰えと勧める人であった。
(そつぎょうしたから、ちいのしゅうせんをしてやろうというひとではなかった。)
卒業したから、地位の周旋をして遣ろうという人ではなかった。
(「そのせんせいはなにをしているのかい」とちちがきいた。)
「その先生は何をしているのかい」と父が聞いた。
(「なんにもしていないんです」とわたくしがこたえた。)
「何にもしていないんです」と私が答えた。
(わたくしはとくのむかしからせんせいのなにもしていないということを)
私はとくの昔から先生の何もしていないという事を
(ちちにもははにもつげたつもりでいた。)
父にも母にも告げた積りでいた。
(そうしてちちはたしかにそれをきおくしているはずであった。)
そうして父はたしかにそれを記憶している筈であった。
(「なにもしていないというのは、またどういうわけかね。)
「何もしていないと云うのは、またどういう訳かね。
(おまえがそれほどそんけいするくらいなひとならなにかやっていそうなものだがね」)
御前がそれ程尊敬する位な人なら何か遣っていそうなものだがね」
(ちちはこういって、わたくしをふうした。)
父はこう云って、私を諷した。
(ちちのかんがえでは、やくにたつものはよのなかへでて)
父の考えでは、役に立つものは世の中へ出て
(みんなそうとうのちいをえてはたらいている。)
みんな相当の地位を得て働らいている。
(ひっきょうやくざだからあそんでいるのだとけつろんしているらしかった。)
必竟やくざだから遊んでいるのだと結論しているらしかった。
(「おれのようなにんげんだって、げっきゅうこそもらっちゃいないが、)
「おれの様な人間だって、月給こそ貰っちゃいないが、
(これでもあそんでばかりいるんじゃない」)
これでも遊んでばかりいるんじゃない」
(ちちはこうもいった。わたくしはそれでもまだだまっていた。)
父はこうも云った。私はそれでもまだ黙っていた。
(「おまえのいうようなえらいかたなら、きっとなにかくちをさがしてくださるよ。)
「御前のいう様な偉い方なら、きっと何か口を探して下さるよ。
(たのんでごらんなのかい」とははがきいた。)
頼んで御覧なのかい」と母が聞いた。
(「いいえ」とわたくしはこたえた。)
「いいえ」と私は答えた。
(「じゃしかたがないじゃないか。なぜたのまないんだい。)
「じゃ仕方がないじゃないか。なぜ頼まないんだい。
(てがみでもいいからおだしな」)
手紙でも好いから御出しな」
(「ええ」)
「ええ」
(わたくしはなまへんじをしてせきをたった。)
私は生返事をして席を立った。