米津玄師/再上映

(ここはげきじょうがいいくつものえいがを)

ここは劇場街　いくつもの映画を

(ただひたすらうつしだすたいくつなまちひかりばかりめだつ)

只ひたすら映しだす　退屈な街　光ばかり目立つ

(かべいちめんのこうこくのなかで)

壁一面の広告の中で

(ぼくはそのひとつをえらびきれずつったったままいる)

僕はそのひとつを　選びきれず　突っ立ったままいる

(くりかえしおもいふけてやっとなにかみつけてたどりついたところで)

繰り返し思い耽けて　やっと何か見つけて　辿り着いたところで

(それはこどものころにみたもののただのさいじょうえい)

それは子供のころに観たものの　只の再上映

(そんなうたでもぼくはうたうさなんどでもくりかえしそのこたえを)

「そんな歌でも僕は歌うさ　何度でも繰り返し　その答えを

(たとえせかいがかわらなくともいつまでもさけぶよそのこたえを)

たとえ世界が変わらなくとも　いつまでも叫ぶよ　その答えを」

(ここはげきじょうがいかんきゃくもまばら)

ここは劇場街　観客もまばら

(それでもくるいなくえんじゃはうたうひかりのむこうで)

それでも狂いなく　演者は歌う　光の向こうで

(なつかしいようなつまらないような)

懐かしいような　つまらないような

(ただひたすらそれをうすぼんやりとみてときはすぎていく)

只ひたすらそれを　薄ぼんやりと観て　時は過ぎていく

(ここでいきてるぼくはかれとどうちがうのだろう)

ここで生きてる僕は　彼とどう違うのだろう？

(なにもできないままでやるきもなくただくちをひらいてひびをつぶすぼくと)

何もできないままで　やる気も無くただ口を開いて　日々を潰す僕と

(こんなぼくでもかぜにおされてなんどとなくみらいへはこばれてきた)

「こんな僕でも風に押されて　何度となく未来へ運ばれてきた

(きっといつしかぼくにつづいてうたうひとへことばをひきつぐため)

きっといつしか僕に続いて　歌う人へ言葉を引き継ぐため」

(やっとえいがはおわってせきをたってなおぼくは)

やっと映画は終わって　席を立ってなお僕は

(かれのせりふがずっとあたまでひびく)

彼の台詞がずっと　頭で響く

(あしたはたぶんこんなきょうににているまいにち)

明日は多分こんな　今日に似ている毎日

(かなしくなるくらいにわすれていくひびで)

悲しくなるくらいに　忘れていく日々で

(そうだぼくはいきているんだ)

そうだ僕は生きているんだ

(てあかにまみれていようと)

手垢にまみれていようと

(そんなうたでもぼくはうたうさなんどでもくりかえしそのこたえを)

「そんな歌でも僕は歌うさ　何度でも繰り返し　その答えを

(たとえせかいがかわらなくともいつまでもさけぶよそのこたえを)

たとえ世界が変わらなくとも　いつまでも叫ぶよ　その答えを」