米軍キャンプ　尾崎豊

(いきばのないまちを)

行き場のない街を

(おれはひとりふらついていた)

俺は一人ふらついていた

(みせもおわりなかまもきえた)

店も終わり仲間も消えた

(すいがらのみちで)

吸殻の道で

(がいとうのちいさなのいずにさえ)

街頭の小さなノイズにさえ

(こころふるえてたよる)

心震えてた夜

(はじめておまえのむねでねむった)

初めておまえの胸で眠った

(おまえはあんまりじょうひんにわらわなかった)

おまえはあんまり上品に笑わなかった

(ひとごみのなかでは)

人込みの中では

(ひとこともしゃべらなかった)

一言もしゃべらなかった

(もとめあうよるはきずをなめるようにあいをさがしては)

求め合う夜は傷をなめるように愛を探しては

(ふたりでもうふにくるまってねむった)

二人で毛布にくるまって眠った

(よるのまちちいさなみせではたらく)

夜の街小さな店で働く

(おまえのこと)

おまえのこと

(あさがきて)

朝が来て

(ねおんにときはなたれるまで)

ネオンに解き放たれるまで

(おれはまっていた)

俺は待っていた

(ｏｈおまえはこのまちをのろい)

ohおまえはこの街を呪い

(かたくなにゆめをかいしめ)

かたくなに夢を買い占め

(さまよってるだろう)

さまよってるだろう

(ｏｈこんなよるはむくわれぬあいに)

oh こんな夜は報われぬ愛に

(うしなったおまえをだきしめたい)

失ったおまえを抱きしめたい

(ゆうべはみせのきゃくにせがまれて)

昨夜は店の客にせがまれて

(うみへいった)

海へ行った

(けんかばかりしてて)

ケンカばかりしてて

(つまらなかったとわらう)

つまらなかったと笑う

(しらないおとこのなまえをおまえがくちにするよるなみだで)

知らない男の名前をおまえが口にする夜　涙で

(はらましたおとこのりんぐがひかってた)

はらました男のリングが光ってた

(べいぐんきゃんぷあとのくずれかけたこうじょう)

米軍キャンプ跡の崩れかけた工場

(こおりつくやみにとけ)

凍りつく闇にとけ

(ふるえてるくるまのなか)

震えてる車の中

(ちからなくのばしたてでだきつく)

力なく伸ばした手で抱きつく

(おまえのかみを)

おまえの髪を

(なでると)

撫でると

(はなさないでとつぶやき)

放さないでとつぶやき

(しがみついた)

しがみついた

(ときにはふたりのくらしが)

時には二人の生活が

(ゆめさえはぐくんでいた)

夢さえ育んでいた

(たいせつなものをひきさくなにかに)

大切なものを引き裂く何かに

(ふたりがきづくまで)

二人が気付くまで

(ｏｈおまえはこのまちをのろい)

oh　おまえはこの街を呪い

(かたくなにゆめをかいしめ)

かたくなに夢を買い占め

(さまよってるだろう)

さまよってるだろう

(ｏｈこんなよるはむくわれぬあいに)

oh こんな夜は報われぬ愛に

(うしなったおまえを)

失ったおまえを

(だきしめたい)

抱きしめたい