怖い話《白装束の女》

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(ちほうではいたつぎょうをやっているゆかさんが、ひとりぐらしのだんせいたくへ)

地方で配達業をやっているゆかさんが、一人暮らしの男性宅へ

(にもつをとどけたときにたいけんしたことをはなしてくれた。)

荷物を届けた時に体験した事を話してくれた。

(いつもどおりはいたつをしにいったあるひのこと。)

いつも通り配達をしに行ったある日の事。

(くさきのおいしげるしゃどうをはしらせ、そのだんせいのいえにむかった。)

草木の生い茂る車道を走らせ、その男性の家に向かった。

(このみちをとおるのはじゅうみんのだんせいかはいたつのひとくらい。)

この道を通るのは住民の男性か配達の人くらい。

(じゅうたくがいのはずれにあるいえのまわりにはたてものはなく、)

住宅街の外れにある家の周りには建物はなく、

(みどりにかこまれたにわはていれがされていないためひるでもうすぐらい。)

緑に囲まれた庭は手入れがされていない為昼でも薄暗い。

(むしかとりのなきごえしかしないようなしずかなばしょだった。)

虫か鳥の鳴き声しかしないような静かな場所だった。

(いえのまえにえんじんをかけたまましゃをとめ、こばしりでげんかんにいき、)

家の前にエンジンをかけたまま車を停め、小走りで玄関に行き、

(ふるくあじのあるひきどをからからっとあける。)

古く味のある引戸をカラカラっと開ける。

(「はいたつでーす」)

「配達でーす」

(かぎをしめるしゅうかんがないちいきなので、あめにぬれないようになかににもつをおく。)

鍵を閉める習慣がない地域なので、雨に濡れないように中に荷物を置く。

(いえのなかにひとのけはいはなく、りびんぐをのぞくがだんせいのすがたはなかった。)

家の中に人の気配はなく、リビングを覗くが男性の姿はなかった。

(げんかんをしめしゃへもどろうとしたとき、なんとなくふりかえるとにわにでるためのまどがらす。)

玄関を閉め車へ戻ろうとした時、何となく振り返ると庭に出る為の窓ガラス。

(すこしひらいたかーてんのむこうがわにひとがたっていることにきづいた。)

少し開いたカーテンの向こう側に人が立っている事に気付いた。

(ついさっきりびんぐをみたときにはだれもいなかった。)

ついさっきリビングを見た時には誰もいなかった。

(だが、いまはだれかがいる。)

だが、今は誰かがいる。

(めをほそめよくみてみると、しろしょうぞくをきたぼさぼさあたまのおんながせをむけたっていた。)

目を細めよく見てみると、白装束を着たボサボサ頭の女が背を向け立っていた。

(「だれ!?」)

「誰!?」

(しろしょうぞくがよれるくらいのほそみで5、60だいにみえるそのおんなは、)

白装束がよれるくらいの細身で5、60代に見えるその女は、

など

(なにかをのぞきこむようにすこしまえかがみになっている。)

何かを覗き込むように少し前屈みになっている。

(そこには、べびーべっどがあった)

そこには、ベビーベッドがあった

(なぜそこにべびーべっどが?というぎもんもあったが、)

なぜそこにベビーベッドが?という疑問もあったが、

(あしがすくみおんなからめがはなせなくなってしまった。)

足がすくみ女から目が離せなくなってしまった。

(するとそのおんなは、ゆっくりとくびをよこにむけはじめる。)

するとその女は、ゆっくりと首を横に向け始める。

(こちらをふりむこうとしているのだ。)

こちらを振り向こうとしているのだ。

(このままだとめがあってしまう。)

このままだと目が合ってしまう。

(そうおもったしゅんかんききかんをおぼえ、すぐにくるまへのりはしりさった。)

そう思った瞬間危機感を覚え、すぐに車へ乗り走り去った。

(それからもこのだんせいたくへなんどかはいたつにいっているが、)

それからもこの男性宅へ何度か配達に行っているが、

(あのおんなをみたのはこのときだけだった。)

あの女を見たのはこの時だけだった。

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