洒落怖《後ろ向きの女》

(２ねんまえしぶやでおこったはなし。)

２年前渋谷で起こった話。

(もうなんかわけがわからなすぎたはなし。)

もうなんか訳が分からなすぎた話。

(みじかいとおもうけどながいかもわからんけどみじかい。でもながい。)

短いと思うけど長いかも分からんけど短い。でも長い。

(そのひおれはせんたーがいにいた。)

その日俺はセンター街にいた。

(そのばんにゆうじんとこんぱのやくそくをしていたのだが、)

その晩に友人とコンパの約束をしていたのだが、

(すこしはやくつきすぎたのでふらふらしてじかんをつぶしていた。)

少し早く着きすぎたのでふらふらして時間を潰していた。

(さいどのみせをちらちらみていいみせないかなーってたわいもないことおもいながらあるく。)

サイドの店をチラチラ見ていい店ないかなーって他愛もない事思いながら歩く。

(それから３０ぷんくらいあるいて、あきてきた。)

それから３０分くらい歩いて、飽きてきた。

(でもやることないのでまだふらふら。)

でもやることないのでまだふらふら。

(こんどはましょうめんをむいてあるいてた。)

今度は真正面を向いて歩いてた。

(するとへんないわかんをおぼえた。)

すると変な違和感を覚えた。

(そのひはかなりひとでこんでてしかいのまえには、)

その日はかなり人で混んでて視界の前には、

(おれとおなじほうこうにむかうひとびとのこうとうぶしかないわかえなんだけど。)

俺と同じ方向に向かう人々の後頭部しかないわかえなんだけど。

(たすうのこうとうぶにまじってなぜかおんなのがんめんが。)

多数の後頭部に混じって何故か女の顔面が。

(おれとぎゃくのほうこうにあるいているわけでもない。)

俺と逆の方向に歩いているわけでもない。

(なに？うしろむきであるいてんの？)

何？後ろ向きで歩いてんの？

(とかおもってたそいつのからだをみるとからだはきちんとまえをむいてる。)

とか思ってたそいつの体を見ると体はきちんと前を向いてる。

(くびが１８０どまがっていたわけだ。)

首が180度曲がっていたわけだ。

(え、なにこれさいぼーぐ？とかおもっててかなりどうようしてた。)

え、何これサイボーグ？とか思っててかなり動揺してた。

(そのがんめんね、おれのほうにらんでんだよね。)

その顔面ね、俺の方睨んでんだよね。