「吾輩は猫である」煎

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投稿者投稿者御羽射大棲鬼いいね0お気に入り登録
プレイ回数107順位1819位  難易度(4.2) 2088打 長文 かな
このタイピングはゆっくりと更新していくである2
書名 吾輩は猫である
著者 夏目漱石
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 subaru 6998 S++ 7.3 95.2% 397.1 2924 145 50 2024/11/19
2 饅頭餅美 5243 B+ 5.3 97.3% 548.5 2956 80 50 2024/11/23

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問題文

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(そのうちいけのうえをさらさらとかぜがわたってひがくれかかる。)

そのうち池の上をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。

(はらがひじょうにへってきた。なきたくてもこえがでない。)

腹が非常に減って来た。泣きたくても声が出ない。

(しかたがない、なんでもよいからくいもののあるところまであるこうとけっしんをして)

仕方がない、何でもよいから食物のある所まであるこうと決心をして

(そろりそろりといけをひだりにまわりはじめた。)

そろりそろりと池を左に廻り始めた。

(どうもひじょうにくるしい。そこをがまんしてむりやりにはっていくと)

どうも非常に苦しい。そこを我慢して無理やりに這って行くと

(ようやくのことでなんとなくにんげんくさいところへでた。ここへはいったら、)

ようやくの事で何となく人間臭い所へ出た。ここへ這入ったら、

(どうにかなるとおもってたけがきのくずれたあなから、とあるていないにもぐりこんだ。)

どうにかなると思って竹垣の崩れた穴から、とある邸内にもぐり込んだ。

(えんはふしぎなもので、もしこのたけがきがやぶれていなかったなら、)

縁は不思議なもので、もしこの竹垣が破れていなかったなら、

(わがはいはついにろぼうにがししたかもしれんのである。)

吾輩はついに路傍に餓死したかも知れんのである。

(いちじゅのかげとはよくいったものだ。このかきねのあなはこんにちにいたるまで)

一樹の蔭とはよく云ったものだ。この垣根の穴は今日に至るまで

(わがはいがとなりのみけをほうもんするときのつうろになっている。)

吾輩が隣家の三毛を訪問する時の通路になっている。

(さてやしきへはしのびこんだもののこれからさきどうしていいかわからない。)

さて邸へは忍び込んだもののこれから先どうして善いか分らない。

(そのうちにくらくなる、はらはへる、さむさはさむし、)

そのうちに暗くなる、腹は減る、寒さは寒し、

(あめがふってくるというしまつでもういっこくのゆうよができなくなった。)

雨が降って来るという始末でもう一刻の猶予が出来なくなった。

(しかたがないからとにかくあかるくてあたたかそうなほうへほうへとあるいていく。)

仕方がないからとにかく明るくて暖かそうな方へ方へとあるいて行く。

(いまからかんがえるとそのときはすでにいえのうちにはいっておったのだ。ここでわがはいは)

今から考えるとその時はすでに家の内に這入っておったのだ。ここで吾輩は

(かのしょせいいがいのにんげんをふたたびみるべききかいにそうぐうしたのである。)

彼の書生以外の人間を再び見るべき機会に遭遇したのである。

(だいいちにあったのがおさんである。これはまえのしょせいよりいっそうらんぼうなかたで)

第一に逢ったのがおさんである。これは前の書生より一層乱暴な方で

(わがはいをみるやいなやいきなりくびすじをつかんでおもてへほうりだした。)

吾輩を見るや否やいきなり頸筋をつかんで表へ抛出した。

(いやこれはだめだとおもったからめをねぶってうんをてんにまかせていた。)

いやこれは駄目だと思ったから眼をねぶって運を天に任せていた。

など

(しかしひもじいのとさむいのにはどうしてもがまんができん。)

しかしひもじいのと寒いのにはどうしても我慢が出来ん。

(わがはいはふたたびおさんのすきをみてだいどころへはいあがった。)

吾輩は再びおさんの隙を見て台所へ這い上あがった。

(するとまもなくまたなげだされた。わがはいはなげだされてははいあがり、)

すると間もなくまた投げ出された。吾輩は投げ出されては這い上り、

(はいあがってはなげだされ、なんでもおなじことをしごべんくりかえしたのをきおくしている。)

這い上っては投げ出され、何でも同じ事を四五遍繰り返したのを記憶している。

(そのときにおさんというものはつくづくいやになった。)

その時におさんと云う者はつくづくいやになった。

(このあいだおさんのさんまをぬすんでこのへんぽうをしてやってから、)

この間おさんの三馬を偸んでこの返報をしてやってから、

(やっとむねのつかえがおりた。わがはいがさいごにつまみだされようとしたときに、)

やっと胸の痞が下りた。吾輩が最後につまみ出されようとしたときに、

(このうちのしゅじんがそうぞうしいなんだといいながらでてきた。)

この家の主人が騒々しい何だといいながら出て来た。

(げじょはわがはいをぶらさげてしゅじんのほうへむけてこのやどなしのこねこが)

下女は吾輩をぶら下げて主人の方へ向けてこの宿なしの小猫が

(いくらだしてもだしてもおだいどころへあがってきてこまりますという。)

いくら出しても出しても御台所へ上って来て困りますという。

(しゅじんははなのしたのくろいけをひねりながらわがはいのかおをしばらくながめておったが)

主人は鼻の下の黒い毛を撚ながら吾輩の顔をしばらく眺めておったが

(、やがてそんならうちへおいてやれといったままおくへはいってしまった。)

、やがてそんなら内へ置いてやれといったまま奥へ這入ってしまった。

(しゅじんはあまりくちをきかぬひととみえた。)

主人はあまり口を聞かぬ人と見えた。

(げじょはくやしそうにわがはいをだいどころへほうりだした。かくしてわがはいは)

下女は口惜くやしそうに吾輩を台所へ抛うり出した。かくして吾輩は

(ついにこのうちをじぶんのすみかときめることにしたのである。)

ついにこの家を自分の住家すみかと極きめる事にしたのである。

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