「吾輩は猫である」算

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投稿者投稿者御羽射大棲鬼いいね0お気に入り登録
プレイ回数183順位2047位  難易度(4.2) 2194打 長文 かな
このタイピングはゆっくりと更新していくである3
書名 吾輩は猫である
著者 夏目漱石
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 subaru 6566 S+ 7.0 93.8% 402.2 2826 185 50 2024/11/19
2 饅頭餅美 5215 B+ 5.4 95.4% 521.7 2857 136 50 2024/11/24
3 yu 4114 C 4.3 94.6% 647.2 2821 158 50 2024/12/15
4 sada 3264 D 3.3 96.7% 847.3 2861 95 50 2024/12/21
5 くま 2523 E 2.7 92.1% 1031.4 2845 242 50 2024/12/13

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問題文

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(わがはいのしゅじんはめったにわがはいとかおをあわせることがない。しょくぎょうはきょうしだそうだ。)

吾輩の主人は滅多に吾輩と顔を合せる事がない。職業は教師だそうだ。

(がっこうからかえるとしゅうじつしょさいにはいいったぎりほとんどでてくることがない。)

学校から帰ると終日書斎に這入ったぎりほとんど出て来る事がない。

(いえのものはたいへんなべんきょうかだとおもっている。)

家のものは大変な勉強家だと思っている。

(とうにんもべんきょうかであるかのごとくみせている。)

当人も勉強家であるかのごとく見せている。

(しかしじっさいはうちのものがいうようなきんべんかではない。)

しかし実際はうちのものがいうような勤勉家ではない。

(わがはいはときどきしのびあしにかれのしょさいをのぞいてみるが、)

吾輩は時々忍び足に彼の書斎を覗いて見るが、

(かれはよくひるねをしていることがある。)

彼はよく昼寝をしている事がある。

(ときどきよみかけてあるほんのうえによだれをたらしている。)

時々読みかけてある本の上に涎をたらしている。

(かれはいじゃくでひふのいろがたんこうしょくをおびて)

彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色を帯びて

(だんりょくのないふかっぱつなちょうこうをあらわしている。)

弾力のない不活溌な徴候をあらわしている。

(そのくせにおおめしをくう。おおめしをくったあとでたかじやすたーぜをのむ。)

その癖に大飯を食う。大飯を食った後タカジヤスターゼを飲む。

(のんだあとでしょもつをひろげる。にさんぺーじよむとねむくなる。よだれをほんのうえへたらす。)

飲んだ後で書物をひろげる。二三ページ読むと眠くなる。涎を本の上へ垂らす。

(これがかれのまいよくりかえすにっかである。わがはいはねこながらときどきかんがえることがある。)

これが彼の毎夜繰り返す日課である。吾輩は猫ながら時々考える事がある。

(きょうしというものはじつにらくなものだ。にんげんとうまれたらきょうしとなるにかぎる。)

教師というものは実に楽なものだ。人間と生れたら教師となるに限る。

(こんなにねていてつとまるものならねこにでもできぬことはないと。)

こんなに寝ていて勤まるものなら猫にでも出来ぬ事はないと。

(それでもしゅじんにいわせるときょうしほどつらいものは)

それでも主人に云わせると教師ほどつらいものは

(ないそうでかれはともだちがくるたびになんとかかんとかふへいをならしている。)

ないそうで彼は友達が来る度に何とかかんとか不平を鳴らしている。

(わがはいがこのいえへすみこんだとうじは、)

吾輩がこの家へ住み込んだ当時は、

(しゅじんいがいのものにははなはだふじんぼうであった。)

主人以外のものにははなはだ不人望であった。

(どこへいってもはねづけられてあいてにしてくれるてがなかった。)

どこへ行っても跳ね付けられて相手にしてくれる手がなかった。

など

(いかにちんちょうされなかったかは、こんにちにいたるまで)

いかに珍重されなかったかは、今日に至るまで

(なまえさえつけてくれないのでもわかる。わがはいはしかたがないから、)

名前さえつけてくれないのでも分る。吾輩は仕方がないから、

(できうるかぎりわがはいをいれてくれたしゅじんのそばにいることをつとめた。)

出来得る限り吾輩を入れてくれた主人の傍にいる事をつとめた。

(あさしゅじんがしんぶんをよむときはかならずかれのひざのうえにのる。)

朝主人が新聞を読むときは必ず彼の膝の上に乗る。

(かれがひるねをするときはかならずそのせなかにのる。)

彼が昼寝をするときは必ずその背中に乗る。

(これはあながちしゅじんがすきというわけではないが)

これはあながち主人が好きという訳ではないが

(べつにかまいてがなかったからやむをえんのである。そのごいろいろけいけんのうえ、)

別に構い手がなかったからやむを得んのである。その後いろいろ経験の上、

(あさはめしびつのうえ、よるはこたつのうえ、てんきのよいひるはえんがわへねることとした。)

朝は飯櫃の上、夜は炬燵の上、天気のよい昼は椽側へ寝る事とした。

(しかしいちばんこころもちのよいのはよにいって)

しかし一番心持の好いのは夜に入って

(ここのうちのこどものねどこへもぐりこんでいっしょにねることである。)

ここのうちの小供の寝床へもぐり込んでいっしょにねる事である。

(このこどもというのはいつつとみっつでよるになるとふたりがひとつしょうへはいってひとまへねる。)

この小供というのは五つと三つで夜になると二人が一つ床へ入って一間へ寝る。

(わがはいはいつでもかれらのちゅうかんにおのれをいるべきよちをみいだしてどうにか、)

吾輩はいつでも彼等の中間に己れを容いるべき余地を見出してどうにか、

(こうにかわりこむのであるが、)

こうにか割り込むのであるが、

(うんわるくこどものひとりがめをさますがさいごたいへんなことになる。)

運悪く小供の一人が眼を醒ますが最後大変な事になる。

(こどもはーことにちいさいほうがたちがわるいーねこがきたねこがきたといって)

小供はーことに小さい方が質がわるいー猫が来た猫が来たといって

(よなかでもなんでもおおきなこえでなきだすのである。)

夜中でも何でも大きな声で泣き出すのである。

(するとれいのしんけいいじゃくせいのしゅじんはかならずめをさましてつぎのへやからとびだしてくる。)

すると例の神経胃弱性の主人は必ず眼をさまして次の部屋から飛び出してくる。

(げんにせんだってなどはものさしでしりぺたをひどくたたかれた。)

現にせんだってなどは物指で尻ぺたをひどく叩かれた。

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