遺書擬き/甘い暴力

(しにそこないはわらわれてとうぜんだ)

死に損ないは笑われて当然だ

(こわばるあしもなおもぼくをせかす)

強張る足も尚も僕を急かす

(したためるゆびしむぺんさき)

したためる指　滲むペン先

(なみだのうえをはしっていく)

涙の上を走っていく

(だれにむけてでもないゆらゆらと)

誰に向けてでもない　ゆらゆらと

(だれにむけてでもないきもちはゆらゆらと)

誰に向けてでもない　気持ちはゆらゆらと

(ゆめにこがれゆめをおい)

夢に焦がれ、夢を追い、

(ゆめにゆめをみてゆめのせいだとゆめをのろい)

夢に夢を見て　夢のせいだと夢を呪い

(ゆめににげゆめなどないと)

夢に逃げ、夢などないと、

(ゆめにめをそむけゆめからにげた)

夢に目を背け、夢から逃げた

(おげられなかったみらいが)

逐げられなかった未来が

(あきれてためいきなんかついて)

呆れてため息なんかついて

(あしをとめただただぼくをみつめている)

足を止め、ただただ僕を見つめている

(あかいゆうひ)

紅い夕日

(あのひのかげおくり)

あの日の影送り

(せんめいすぎたざんぞうよ)

鮮明すぎた残像よ

(ぼくをつれていってくれ)

僕を連れて行ってくれ

(あぁ)

あぁ

(もしもぼくがたたかえれば)

もしも僕が戦えれば

(もしもぼくがつよければ)

もしも僕が強ければ

(もしもぼくがまけなければ)

もしも僕が負けなければ

(もしもぼくがもしもぼくが)

もしも僕が　もしも僕が！

(あぁ)

あぁ

(きれいすぎたきみのえがお)

綺麗すぎた君の笑顔

(そればかりおもいだす)

そればかり思いだす

(やきつくいまもなお)

灼きつく今も尚

(あぁこれはだれにむけたいしょ)

あぁ　これは誰に向けた遺書

(だれかにありがとうといわれたときのきもちを)

誰かにありがとうと言われた時の気持ちを

(よのなかのきばをむきゆめおうことのすばらしさを)

世の中の牙を剥き夢追う事の素晴らしさを

(かねよりもみたしてくれるものが)

金よりも満たしてくれるものが

(そこにあったことを)

そこにあったことを

(きぼうなんてばかみてえなもんが)

希望なんて馬鹿みてえなもんが

(たしかにあったことを)

確かにあったことを

(おしえやってくれ)

教えやってくれ

(ぼくのようによわいひとがいたなら)

僕のように弱い人がいたなら

(おしえてやってくれきみがただしいしにかたを)

教えてやってくれ　君が正しい死に方を

(ただしいしにかたを)

正しい死に方を

(あぁ)

あぁ

(もしもぼくがたたかえれば)

もしも僕が戦えれば

(もしもぼくがつよければ)

もしも僕が強ければ

(もしもぼくがまけなければ)

もしも僕が負けなければ

(もしもぼくがもしもぼくが)

もしも僕が　もしも僕が！

(あぁ)

あぁ

(きれいすぎたきみのえがお)

綺麗すぎた君の笑顔

(しばりつけるなまへなお)

縛り付ける生へ尚

(やきつくいまもなお)

灼きつく今も尚

(あぁきみはぼくのさいごの)

あぁ　君は僕の最後の「」