体温

(きのうはなにしてたの？しんぱいするじゃんでんわでないし)

昨日は何してたの？心配するじゃん電話出ないし

(うつむくきみをみたらすぐになにをいおうとしてるかきづいたんだ)

うつむく君を見たらすぐに何を言おうとしてるか気付いたんだ

(なにひとつかたちのないみえないものはあいなんかじゃないって)

「何一つ形の無い見えないものは愛なんかじゃないって

(ばかげてるわねなんてきみはほんとうにおもうのかい？)

馬鹿げてるわね」なんて君は本当に思うのかい？

(それならどうしてきみはないてるの？)

それならどうして君は泣いてるの？

(さいごのやさしさにふれる)

最後の優しさに触れる

(さよならをいわせないように)

「サヨナラ」をいわせないように

(くちづけできみのことばとざしたんだ)

くちづけで君の言葉閉ざしたんだ

(なぜなんだよ？ことばいじょうにくちびるからつたわるたいおん)

何故なんだよ？言葉以上に唇から伝わる体温

(しごととはまだよべないけど)

仕事とはまだ呼べないけど

(きょうもぎたーをもってじゃずばーでうたわせてもらっている)

今日もギターを持ってJazz　Barで歌わせてもらっている

(きみからもらったすにーかーはちょっとすりへってきたけど)

君から貰ったスニーカーは　ちょっと磨り減ってきたけど

(そのぶんはきなれた)

そのぶん履きなれた

(なにひとつさきのみえないかんけいにあいそがつきたって)

「何一つ先の見えない関係に愛想が尽きた」って

(ゆめじゃないかとかなしすぎてぼくはわらう)

夢じゃないかと悲しすぎて僕は笑う

(げんじつなんかよりゆめをたべていきるぼくと)

現実なんかより夢を食べて生きる僕と

(りそうどおりじゃないといきられないきみじゃ)

理想どおりじゃないと生きられない君じゃ

(かなしいほどにずれていったかちかんが)

悲しいほどにずれていった価値観が

(きみをなやませたそりゃそうだけど)

君を悩ませたそりゃそうだけど

(さようならのそのひとことだけで)

「サヨウナラ」のその一言だけで

(きえてしまうほどちっぽけなあいだったんだ)

消えてしまう程ちっぽけな愛だったんだ

(おいかけようとしたけどげんじつははらがへるから)

追いかけようとしたけど現実は腹が減るから

(すりへったすにーかーでぼくはゆめのなかへとまたもどる)

磨り減ったスニーカーで僕は夢の中へとまた戻る

(たしかにあったでしょ？めにはみえないけど)

確かにあったでしょ？目には見えないけど

(おおきなかばんでもはいりきらないくらいの)

大きなカバンでも入りきらない位の

(すきなれこーどやまちどおしいきせつが)

好きなレコードや待ち遠しい季節が

(ただいっしょなだけでわらえてたじゃん)

ただ一緒なだけで笑えてたじゃん

(なにもかもみえないからこそ)

何もかも見えないからこそ

(あいのほんしつがみえてくるんじゃないか？)

愛の本質が見えてくるんじゃないか？

(わからなくなるよきれいごとをぬいたら)

分からなくなるよ綺麗事を抜いたら

(なにがいちばんたいせつかはいえやしないけど)

何が一番大切かは言えやしないけど

(さよならのそのひとことだけで)

「サヨナラ」のその一言だけで

(けせてしまうことなんてひとつもなかったんだ)

消せてしまう事なんて一つも無かったんだ

(これもちがうのかい？はなれようとはしない)

これも違うのかい？　離れようとはしない

(くちびるにのこってるかたちのないみえないたいおん)

唇に残ってる　形の無い　見えない体温