幸せ色のカリヤ【第3話】 色彩のない王国と青
問題文
(しろいかべ)
白い壁
(まっしろなみち)
真っ白な道
(いろがないから)
色がないから
(あじけない)
味気ない
(たびするかりやはおうとをあるく)
旅するカリヤは王都を歩く
(ゆめときぼうをむねにひめ)
夢と希望を胸に秘め
(このひにたどりついたは、いろのないくにあるべりあ)
この日にたどり着いたは、色のない国アルベリア
(しろいおしろのけいじばん)
白いお城の掲示板
(こんなことがかかれているよ)
こんなことが書かれているよ
(「あおといういろをもってくるなら、こうたいしとのこんいんをみとめる」)
「青という色を持ってくるなら、皇太子との婚姻を認める」
(こうたいしのため、ひとびとのため、たびのかりやはさがしにいった)
皇太子のため、人々のため、旅のカリヤは探しに行った
(ところがこのおうとでは、そらもうみもがまっしろけ)
ところがこの王都では、空も海もが真っ白け
(こまってしまったたびのかりや)
困ってしまった旅のカリヤ
(そうだ、かわのふくろのなかにちょこがひとつぶあったっけ?)
そうだ、皮の袋の中にチョコが一粒あったっけ?
(がさごそがさごそ、これはなに?)
ガサゴソガサゴソ、これは何?
(あったあおいいろのいし、あのがかさんにもらったいしだ)
あった青い色の石、あの画家さんにもらった石だ
(さっそくおしろにもどるはかりや)
さっそくお城に戻るはカリヤ
(「おうさま、じょおうさま、こうたいしさま、あおをもってまいりました」)
「王様、女王様、皇太子様、青を持ってまいりました」
(「ほぉ、このすいこまれそうないろのいし。これがあおともうすのか?」)
「ほぉ、この吸い込まれそうな色の石。これが青と申すのか?」
(「はい、とおくのこっかではぶるーさふぁいあと、よばれています」)
「はい、遠くの国家ではブルーサファイアと、呼ばれています」
(おうはまんぞく、じょおうもほほえむ)
王は満足、女王もほほ笑む
(こうたいしさまはそのさふぁいあを、にぎってとなえるまほうのじゅもん)
皇太子様はそのサファイアを、握って唱える魔法の呪文
(するとたちまちそらにまち、ひとにひとみにあおのいろ)
するとたちまち空に街、人に瞳に青の色
(いろのないくにあるべりあ、あおのくにへとすがたをかえる)
色のない国アルベリア、青の国へと姿を変える
(「ぜひとも、このわたしのつまになってくれ、たびのかりやよ」)
「ぜひとも、この私の妻になってくれ、旅のカリヤよ」
(「いえいえ、そんな、こうたいしさま」)
「いえいえ、そんな、皇太子様」
(「そうかね、たびをゆうせんするのか?」)
「そうかね、旅を優先するのか?」
(「はい、そのとおりです、こうたいしさま」)
「はい、その通りです、皇太子さま」
(「それならこれをおもちよ、とうめいなばらだ。めずらしいからたいせつに」)
「それならこれをお持ちよ、透明なバラだ。珍しいから大切に」
(「それではちょうだいいたします」)
「それでは頂戴いたします」
(「またたびにでるのかな?」)
「また旅に出るのかな?」
(「はい、たびのかりやですから」)
「はい、旅のカリヤですから」
(たびするかりやはおうとをでる)
旅するカリヤは王都を出る
(ゆめときぼうをむねにひめ)
夢と希望を胸に秘め
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