洒落怖《山の中腹で野営》

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問題文

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(せんぱいのはなしでもうしわけない。)

先輩の話で申し訳ない。

(すでにおれもどこかでにたようなはなしをきいたんだけどきしゅつならすまそ。)

既に俺もどこかで似たような話を聞いたんだけど既出ならすまそ。

(あるやまにはいったときのこと。)

ある山に入った時のこと。

(ふもとのむらまであとすこしというとこだったけど、)

ふもとの村まであと少しというとこだったけど、

(せんぱいたちはひとざとがきらいで、むらのみえるやまのちゅうふくでやえいすることになった。)

先輩たちは人里が嫌いで、村の見える山の中腹で野営することになった。

(てごろなおおきくたいらないわが2つならんでいたので、そこでゆうしょくのじゅんびとゆうしょく。)

手ごろな大きく平らな岩が2つ並んでいたので、そこで夕食の準備と夕食。

(ゆうしょくのかたづけもすませてさてねるかとなったとき、そのいわのあいだにてんとをはった。)

夕食の片付けも済ませてさて寝るかとなった時、その岩の間にテントを張った。

(てんとのわきには、けものみちのようなやまみちがとおっていた。)

テントの脇には、獣道のような山道が通っていた。

(しんやふとめがさめると、やまのしたのほうからはなしごえのようなものがちかづく。)

深夜ふと目が覚めると、山の下の方から話し声のようなものが近づく。

(ん?とおもっていると、こんどはやまのうえからしゃくじょうのおとがふくすう。)

ん?と思っていると、今度は山の上からしゃくじょうの音が複数。

(これはやばいとなかまをおこしててんとのなかでふるえていると、)

これはヤバいと仲間を起こしてテントの中で震えていると、

(やまのうえからもしたからもおととちょうちんのようなあかりがせまってくる。)

山の上からも下からも音と提灯のような明かりが迫ってくる。

(「だめだ!」とおもったしゅんかん、てんとのまどががざっ!とひらかれた。)

「だめだ!」と思った瞬間、テントの窓ががざっ!と開かれた。

(そこには60だいくらいのしょろうのだんせいのかお、ぎゃあ~~~!)

そこには60代くらいの初老の男性の顔、ギャア~~~!

(するとそのだんせいが「こんなとこでなにしとるね?」)

するとその男性が「こんなとこで何しとるね?」

(ん?ふつうのひとかんだった。)

ん?普通の人間だった。

(だつりょくしながらそとにでると、ぎょうれつがおもてでとまっているのがみえた。)

脱力しながら外に出ると、行列が表で止まっているのが見えた。

(ぜんいんががくにすんぼうしというさんかくのかみをあてて、くろいもふくだった。)

全員が額に寸ぼうしという三角の紙を当てて、黒い喪服だった。

(なんだこりゃ?!とおもっていると、そのれつのせんとうには4にんほどでかつがれた、)

なんだこりゃ?!と思っていると、その列の先頭には4人ほどで担がれた、

(いまはみなくなったざかんというどそうようのかんおけがぶらさがっていた。)

今は見なくなった座棺という土葬用の棺桶がぶらさがっていた。

など

(そうれつ、よなかのそうれつである。)

葬列、夜中の葬列である。

(そのちほうではふじょうをきらってしんやにししゃをほうむってしまい、)

その地方では不浄を嫌って深夜に死者を葬ってしまい、

(そうぎはそのつぎのひるまにおこなうとのこと。)

葬儀はその次の昼間に行うとのこと。

(しかも、せんぱいたちがねていたそのおくにはどそうせんようのぼしょがある。)

しかも、先輩たちが寝ていたその奥には土葬専用の墓所がある。

(せんぱいたちがねていたばしょは、いわばあのよとこのよのさかいめだったらしい。)

先輩たちが寝ていた場所は、言わばあの世とこの世の境目だったらしい。

(かんおけはすうにんだけでかつがれて、そのぼしょにおくられうめられる。)

棺桶は数人だけで担がれて、その墓所に送られ埋められる。

(しかたなくせんぱいたちはふもとのむらでねることになったが、)

仕方なく先輩たちはふもとの村で寝ることになったが、

(やまのうえからきこえたしゃくじょうのおとはなにだったのかとむらびとにきくと、)

山の上から聞こえたしゃくじょうの音は何だったのかと村人に聞くと、

(「そりゃあんた、あのよからのおむかえだよ。)

「そりゃあんた、あの世からのお迎えだよ。

(わしらがもうすこしおそかったら・・・」)

わしらがもう少し遅かったら・・・」

(よくじつ、せんぱいたちはそのむらのちんじゅのかみさまのやしろにおわびをしてむらをあとにした。)

翌日、先輩たちはその村の鎮守の神様の社にお詫びをして村を後にした。

(どこなのかはおしえてもらえなかったけど、)

どこなのかは教えてもらえなかったけど、

(まだそういうのってのこっているのかなぁ。)

まだそういうのって残っているのかなぁ。

(おちがおそくなるとおもったので、すこしはしょったぶんほそく。)

オチが遅くなると思ったので、少し端折った分補足。

(さんかんのちいさなとちのちいさなむらだったらしく、)

山間の小さな土地の小さな村だったらしく、

(どそうするばしょがいっぱいにならないように、)

土葬する場所がいっぱいにならないように、

(どそうようのぼしょと、はかいしのあるぼちをべつにしてあるそうな。)

土葬用の墓所と、墓石のある墓地を別にしてあるそうな。

(だからじっさいにうめるばしょは、ふるいばしょのうえからまたほって、)

だから実際に埋める場所は、古い場所の上からまた掘って、

(そのつちなかにあるいこつをちいさなはこにいれて、あたらしいひつぎのしたにうめなおすんだと)

その土中にある遺骨を小さな箱に入れて、新しい棺の下に埋め直すんだと

(せんぱいたちはおしえてもらったんだって。)

先輩たちは教えてもらったんだって。

(せんぱいたちがゆうしょくのじゅんびしたりゆうしょくをたべたたいらないわは、)

先輩たちが夕食の準備したり夕食を食べた平らな岩は、

(ちょうどざかんがおけるおおきさになってて、しもてはげんせでかみてはらいせ。)

ちょうど座棺が置ける大きさになってて、下手は現世で上手は来世。

(しもてからしんぞくがかみてのいわにおきおきなおして、そこでさいごのおわかれになる。)

下手から親族が上手の岩に置き置き直して、そこで最後のお別れになる。

(そのあとは、えらばれたしんぞくいがいのひとたちのてでまいそうにむかうんだって。)

その後は、選ばれた親族以外の人達の手で埋葬に向かうんだって。

(いわばせんぱいたちのいたばしょはさながらさんずのかわなんだって。)

いわば先輩たちのいた場所はさながら三途の川なんだって。

(あるいみ、ぼしょよりもこわいというはなしでした。)

ある意味、墓所よりも恐いという話でした。

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