【衒学シリーズ】超長文タイピング8

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偏差値という名の存在論ぼくは問いを解かない
中学受験、それは儀式だった。
知識でなく、存在を試される。
正解を疑うことこそが思想。
少年は偏差値に哲学した。

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問題文

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(ぼくのなまえはたろう、じゅうにさいだ。)

ぼくの名前は太郎、十二歳だ。

(じゅうにねんでせかいにあいていた。)

十二年で世界に飽いていた。

(「ちゅうがくじゅけんしなさい」とはは。)

「中学受験しなさい」と母。

(まるでぎむのようにいわれた。)

まるで義務のように言われた。

(けれど、ぼくはとうてしまう。)

けれど、ぼくは問うてしまう。

(なぜぼくはえらばれるべきか?)

なぜ僕は選ばれるべきか?

(なぜぼくはきそわねばならぬ?)

なぜ僕は競わねばならぬ?

(へんさちとはなんのだいたいなのか。)

偏差値とは何の代替なのか。

(すうじでじょれつかされたたましいは、)

数字で序列化された魂は、

(はたしてこうふくにいたるのか?)

果たして幸福に至るのか?

(このといにだれもこたえない。)

この問いに誰も答えない。

(ならばぼくがこたえるしかない。)

ならば僕が答えるしかない。

(ぼくはつくえにむかうことより、)

ぼくは机に向かうことより、

(そのいみをかんがえることにした。)

その意味を考えることにした。

(もんだいしゅうはぼくにとわない。)

問題集はぼくに問わない。

(「きみはなぜそれをとくのか」)

「君はなぜそれを解くのか」

(だから、ぼくがとうことにした。)

だから、ぼくが問うことにした。

(これはせんばつではなくせんていだ。)

これは選抜ではなく選定だ。

(たましいのおもさをはかるはかりである。)

魂の重さを測る秤である。

(だが、おもさとはそうたいてきでしかない。)

だが、重さとは相対的でしかない。

など

(ぜったいてきひょうかはありえないのに。)

絶対的評価はありえないのに。

(なのに、ひとはじゅんばんをつくりたがる。)

なのに、人は順番を作りたがる。

(なぜそんなにもじゅんをほっする?)

なぜそんなにも順を欲する?

(へんさちはふあんのだいめいしだ。)

偏差値は不安の代名詞だ。

(ふあんのすうちか、それがきょういく。)

不安の数値化、それが教育。

(そのこうぞうにのらぬこともまた、)

その構造に乗らぬこともまた、

(ぼくのせんたくしにはあるはずだ。)

ぼくの選択肢にはあるはずだ。

(ははは「ごうかくすればしあわせ」という。)

母は「合格すれば幸せ」と言う。

(だが、ぼくにとってこうふくとは、)

だが、ぼくにとって幸福とは、

(じぶんでうたがうちからをもてることだ。)

自分で疑う力を持てることだ。

(むじゃきなきょうそうにはきょうみがない。)

無邪気な競争には興味がない。

(ただ、といとともにあゆみたい。)

ただ、問いとともに歩みたい。

(すべてのかいはかせつでしかない。)

すべての解は仮説でしかない。

(じんせいのといにせいとうはない。)

人生の問いに正答はない。

(なのにせいとうをきそわせるしくみ。)

なのに正答を競わせる仕組み。

(そのいようさに、ぼくはわらった。)

その異様さに、僕は笑った。

(しけんというせいどのそとから、)

試験という制度の外から、

(ぼくはじっとのぞきこむ。)

ぼくはじっと覗きこむ。

(きょうしつはろうごくのようにしずかだ。)

教室は牢獄のように静かだ。

(でも、そこにかくめいはおきうる。)

でも、そこに革命は起きうる。

(たとえば、だまってほほえむこと。)

たとえば、黙って微笑むこと。

(といにといでかえすこと。)

問いに問いで返すこと。

(それもまた、しけんのいちぶだ。)

それもまた、試験の一部だ。

(ぼくはきょうもかこもんをひらく。)

ぼくは今日も過去問を開く。

(そのかいせつは、ぼくにいう。)

その解説は、ぼくに言う。

(「ときかたはこうです」とだけ。)

「解き方はこうです」とだけ。

(だが、なぜそうとくのか。)

だが、なぜそう解くのか。

(そこにしそうはあるのか。)

そこに思想はあるのか。

(ぼくはあかぺんをおきながら、)

ぼくは赤ペンを置きながら、

(そのといにむきなおる。)

その問いに向き直る。

(もんだいは、といなおしのきっかけ。)

問題は、問い直しのきっかけ。

(それいじょうでもいかでもない。)

それ以上でも以下でもない。

(だから、ぼくはへんさちさえも、)

だから、ぼくは偏差値さえも、

(てつがくするたいしょうとしてながめる。)

哲学する対象として眺める。

(これははんこうではない、たんきゅうだ。)

これは反抗ではない、探求だ。

(せいかいではなく、しこうのじゆう。)

正解ではなく、思考の自由。

(ごうかくよりふかいものがある。)

合格より深いものがある。

(それをちゅうがくじゅけんでみつけたい。)

それを中学受験で見つけたい。

(たとえそれがはいぼくでおわっても、)

たとえそれが敗北で終わっても、

(ぼくにとってはしょうりなのだ。)

ぼくにとっては勝利なのだ。

(なぜなら、それがぼくのほうほう。)

なぜなら、それがぼくの方法。

(このせかいにあらがうためのたいどだ。)

この世界に抗うための態度だ。

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