【衒学シリーズ】超長文タイピング6

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投稿者投稿者アスダフ  いいね3  お気に入り登録
プレイ回数773  難易度(3.7) 2234打 長文 長文モードのみ
文律の逸脱と不可逆の放置
ある男がタイピングゲームを作ったが、行ごとの文字数がバラバラで読みにくくなっていた。
それに気づきながらも、「面倒だ」と思って直さずに放置してしまう。
時間が経つうちに、自分の中のモヤモヤや罪悪感がだんだんと大きくなっていく。
そして彼は、何も直さぬまま、その気持ちを文章にして静かに残すのだった。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 hiyoko 6711 S+ 7.0 96.0% 319.0 2234 93 61 2026/10/04
2 201261 6284 S 6.7 93.5% 325.9 2199 151 61 2026/10/05
3 ba 5767 A+ 6.0 95.6% 365.0 2205 100 61 2026/10/04
4 やい 5460 B++ 5.6 97.3% 409.3 2298 63 61 2026/10/06
5 名も無きタイパー 3872 D++ 4.3 89.6% 503.0 2202 254 61 2026/10/05

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問題文

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(わたしはことばでこうちくされたゆうぎをあんだ。) 私は言葉で構築された遊戯を編んだ。 (たいぴんぐというぎしきのうつわをかり、) タイピングという儀式の器を借り、 (にんちとかんせいのこうさくをきとした。) 認知と感性の交錯を企図した。 (こうぶんはながれ、ゆびさきはやくどうした。) 構文は流れ、指先は躍動した。 (ちのちょうやくとかいらくのゆうごうをゆめみた。) 知の跳躍と快楽の融合を夢見た。 (わたしはせっけいしゃにしてしんびしゃであった。) 私は設計者にして審美者であった。 (だがさいしょからびさいなゆがみがあった。) だが最初から微細な歪みがあった。 (もじれつのながさがととのっていなかった。) 文字列の長さが整っていなかった。 (いちぎょうごとのみつどにゆらぎがあり、) 一行ごとの密度に揺らぎがあり、 (たんぶんとちょうぶんがむちつじょにならんでいた。) 短文と長文が無秩序に並んでいた。
(しせんのうんどうはなめらかさをうしない、) 視線の運動は滑らかさを失い、 (だけんのかいらくはいわのざわめきにしずむ。) 打鍵の快楽は違和のざわめきに沈む。 (こうぞうのふきんこうはちんもくのくつうであった。) 構造の不均衡は沈黙の苦痛であった。 (わたしはいじょうをしりつつももくしていた。) 私は異常を知りつつも黙していた。 (しゅうせいはよういだった。ろうはびしょうだった。) 修正は容易だった。労は微少だった。 (それでもわたしはちゃくしゅしなかったのである。) それでも私は着手しなかったのである。 (「ささいなゆらぎ」とわたしはいいわけした。) 「些細な揺らぎ」と私は言い訳した。 (「こうぞうびにはかんきゅうがひつようなのだ」と。) 「構造美には緩急が必要なのだ」と。 (わたしはみずからのたいだをいしょうにすりかえた。) 私は自らの怠惰を意匠にすり替えた。 (だが、それはぎまんにすぎなかった。) だが、それは欺瞞に過ぎなかった。
など
(わたしはちつじょのはいごにとうひをつみあげた。) 私は秩序の背後に逃避を積み上げた。 (びとはちつじょのうちにこそやどるのだ。) 美とは秩序のうちにこそ宿るのだ。 (みだれたこうぶんは、びのかめんをかぶった。) 乱れた構文は、美の仮面をかぶった。 (よむもののしかくとせいしんはひへいしていく。) 読む者の視覚と精神は疲弊していく。 (ゆーざーのくのうをわたしはみていたのだ。) ユーザーの苦悩を私は見ていたのだ。 (それでもなお、てをうごかさなかった。) それでもなお、手を動かさなかった。 (「あとでやる」とわたしはつぶやくだけだった。) 「後でやる」と私は呟くだけだった。 (そうしてきせつはいくたびもめぐっていた。) そうして季節は幾たびも巡っていた。 (ふさくいのせきそうがわたしをむしばんでいたのだ。) 不作為の積層が私を蝕んでいたのだ。 (しこうのおくそこでこえがささやきつづけていた。) 思考の奥底で声が囁き続けていた。 (「おまえはしっていたはずだ」と。) 「おまえは知っていたはずだ」と。 (「なおすすべがあったはずなのだ」と。) 「直す術があったはずなのだ」と。 (わたしはそのこえにめいかくなはんろんをもたない。) 私はその声に明確な反論を持たない。 (あやまりをしっていてあらためぬというこうい。) 誤りを知っていて改めぬという行為。 (それはむちよりもふかくつみぶかいものだ。) それは無知よりも深く罪深いものだ。 (わたしはことばのせっけいにおいていつわったのだ。) 私は言葉の設計において偽ったのだ。 (そしていまも、わたしはちんもくのなかにいる。) そして今も、私は沈黙の中にいる。 (ただこうして、もじだけをのこしている。) ただこうして、文字だけを遺している。 (これはざんげではない。こくはくである。) これは懺悔ではない。告白である。 (あなたがこれをよむそのしゅんかんにも、) あなたがこれを読むその瞬間にも、 (わたしはいまだしゅうせいをはたしていないだろう。) 私は未だ修正を果たしていないだろう。 (わたしはせいごうせいというなのりんりをすてた。) 私は整合性という名の倫理を捨てた。 (かんせいにちかいみかんせいをほうちしたのだ。) 完成に近い未完成を放置したのだ。 (それはいとされたげいじゅつではなく、) それは意図された芸術ではなく、 (ただのたいだがかたちをかえたざんがいである。) ただの怠惰が形を変えた残骸である。 (いいのがれはいくえにもつみあげた。) 言い逃れは幾重にも積み上げた。 (だがそのすべてがくうそであった。) だがそのすべてが空疎であった。 (「わたしはじかんがなかったのだ」とかたるとき、) 「私は時間がなかったのだ」と語るとき、 (わたしのなかでなにかがおとをたててくずれた。) 私の中で何かが音を立てて崩れた。 (それはしょくにんのほこりのしにほかならない。) それは職人の誇りの死に他ならない。 (ほんのすうぎょうをなおすゆうきがなかった。) ほんの数行を直す勇気がなかった。 (いや、ゆうきではない。ただのせいいだ。) いや、勇気ではない。ただの誠意だ。 (せいいをかいたせっけいにかちはあるか?) 誠意を欠いた設計に価値はあるか? (わたしはせっけいしゃであるまえににんげんである。) 私は設計者である前に人間である。 (ならば、ととのえるべきだったはずだ。) ならば、整えるべきだったはずだ。 (ふきんこうなこうぞうにちんもくすることは、) 不均衡な構造に沈黙することは、 (みにくさにかたんすることとひとしかった。) 醜さに加担することと等しかった。 (わたしはつみをめいぶんかしないことで、) 私は罪を明文化しないことで、 (ないてきせきにんをさきおくりしてきたのだ。) 内的責任を先送りしてきたのだ。 (いま、ようやくことばがそれをてらす。) いま、ようやく言葉がそれを照らす。 (だがことばはこういをだいたいしえない。) だが言葉は行為を代替し得ない。
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