【衒学シリーズ】超長文タイピング6

それに気づきながらも、「面倒だ」と思って直さずに放置してしまう。
時間が経つうちに、自分の中のモヤモヤや罪悪感がだんだんと大きくなっていく。
そして彼は、何も直さぬまま、その気持ちを文章にして静かに残すのだった。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 8320 | 神 | 8.4 | 98.3% | 260.2 | 2201 | 36 | 61 | 2025/06/13 |
2 | アスダフ | 7811 | 神 | 8.1 | 95.8% | 273.3 | 2232 | 97 | 61 | 2025/06/12 |
3 | cherry | 7793 | 神 | 8.1 | 96.2% | 275.5 | 2235 | 88 | 61 | 2025/06/17 |
4 | なんだかな | 5162 | B+ | 5.4 | 95.1% | 411.2 | 2238 | 115 | 61 | 2025/06/14 |
5 | hutukinr | 3176 | E++ | 3.5 | 91.4% | 631.8 | 2214 | 207 | 61 | 2025/06/16 |
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問題文
(わたしはことばでこうちくされたゆうぎをあんだ。)
私は言葉で構築された遊戯を編んだ。
(たいぴんぐというぎしきのうつわをかり、)
タイピングという儀式の器を借り、
(にんちとかんせいのこうさくをきとした。)
認知と感性の交錯を企図した。
(こうぶんはながれ、ゆびさきはやくどうした。)
構文は流れ、指先は躍動した。
(ちのちょうやくとかいらくのゆうごうをゆめみた。)
知の跳躍と快楽の融合を夢見た。
(わたしはせっけいしゃにしてしんびしゃであった。)
私は設計者にして審美者であった。
(だがさいしょからびさいなゆがみがあった。)
だが最初から微細な歪みがあった。
(もじれつのながさがととのっていなかった。)
文字列の長さが整っていなかった。
(いちぎょうごとのみつどにゆらぎがあり、)
一行ごとの密度に揺らぎがあり、
(たんぶんとちょうぶんがむちつじょにならんでいた。)
短文と長文が無秩序に並んでいた。
(しせんのうんどうはなめらかさをうしない、)
視線の運動は滑らかさを失い、
(だけんのかいらくはいわのざわめきにしずむ。)
打鍵の快楽は違和のざわめきに沈む。
(こうぞうのふきんこうはちんもくのくつうであった。)
構造の不均衡は沈黙の苦痛であった。
(わたしはいじょうをしりつつももくしていた。)
私は異常を知りつつも黙していた。
(しゅうせいはよういだった。ろうはびしょうだった。)
修正は容易だった。労は微少だった。
(それでもわたしはちゃくしゅしなかったのである。)
それでも私は着手しなかったのである。
(「ささいなゆらぎ」とわたしはいいわけした。)
「些細な揺らぎ」と私は言い訳した。
(「こうぞうびにはかんきゅうがひつようなのだ」と。)
「構造美には緩急が必要なのだ」と。
(わたしはみずからのたいだをいしょうにすりかえた。)
私は自らの怠惰を意匠にすり替えた。
(だが、それはぎまんにすぎなかった。)
だが、それは欺瞞に過ぎなかった。
(わたしはちつじょのはいごにとうひをつみあげた。)
私は秩序の背後に逃避を積み上げた。
(びとはちつじょのうちにこそやどるのだ。)
美とは秩序のうちにこそ宿るのだ。
(みだれたこうぶんは、びのかめんをかぶった。)
乱れた構文は、美の仮面をかぶった。
(よむもののしっかくとせいしんはひへいしていく。)
読む者の視覚と精神は疲弊していく。
(ゆーざーのくのうをわたしはみていたのだ。)
ユーザーの苦悩を私は見ていたのだ。
(それでもなお、てをうごかさなかった。)
それでもなお、手を動かさなかった。
(「あとでやる」とわたしはつぶやくだけだった。)
「後でやる」と私は呟くだけだった。
(そうしてきせつはいくたびもめぐっていた。)
そうして季節は幾たびも巡っていた。
(ふさくいのせきそうがわたしをむしばんでいたのだ。)
不作為の積層が私を蝕んでいたのだ。
(しこうのおくそこでこえがささやきつづけていた。)
思考の奥底で声が囁き続けていた。
(「おまえはしっていたはずだ」と。)
「おまえは知っていたはずだ」と。
(「なおすすべがあったはずなのだ」と。)
「直す術があったはずなのだ」と。
(わたしはそのこえにめいかくなはんろんをもたない。)
私はその声に明確な反論を持たない。
(あやまりをしっていてあらためぬというこうい。)
誤りを知っていて改めぬという行為。
(それはむちよりもふかくつみぶかいものだ。)
それは無知よりも深く罪深いものだ。
(わたしはことばのせっけいにおいていつわったのだ。)
私は言葉の設計において偽ったのだ。
(そしていまも、わたしはちんもくのなかにいる。)
そして今も、私は沈黙の中にいる。
(ただこうして、もじだけをのこしている。)
ただこうして、文字だけを遺している。
(これはざんげではない。こくはくである。)
これは懺悔ではない。告白である。
(あなたがこれをよむそのしゅんかんにも、)
あなたがこれを読むその瞬間にも、
(わたしはいまだしゅうせいをはたしていないだろう。)
私は未だ修正を果たしていないだろう。
(わたしはせいごうせいというなのりんりをすてた。)
私は整合性という名の倫理を捨てた。
(かんせいにちかいみかんせいをほうちしたのだ。)
完成に近い未完成を放置したのだ。
(それはいとされたげいじゅつではなく、)
それは意図された芸術ではなく、
(ただのたいだがかたちをかえたざんがいである。)
ただの怠惰が形を変えた残骸である。
(いいのがれはいくえにもつみあげた。)
言い逃れは幾重にも積み上げた。
(だがそのすべてがくうそであった。)
だがそのすべてが空疎であった。
(「わたしはじかんがなかったのだ」とかたるとき、)
「私は時間がなかったのだ」と語るとき、
(わたしのなかでなにかがおとをたててくずれた。)
私の中で何かが音を立てて崩れた。
(それはしょくにんのほこりのしにほかならない。)
それは職人の誇りの死に他ならない。
(ほんのすうぎょうをなおすゆうきがなかった。)
ほんの数行を直す勇気がなかった。
(いや、ゆうきではない。ただのせいいだ。)
いや、勇気ではない。ただの誠意だ。
(せいいをかいたせっけいにかちはあるか?)
誠意を欠いた設計に価値はあるか?
(わたしはせっけいしゃであるまえににんげんである。)
私は設計者である前に人間である。
(ならば、ととのえるべきだったはずだ。)
ならば、整えるべきだったはずだ。
(ふきんこうなこうぞうにちんもくすることは、)
不均衡な構造に沈黙することは、
(みにくさにかたんすることとひとしかった。)
醜さに加担することと等しかった。
(わたしはつみをめいぶんかしないことで、)
私は罪を明文化しないことで、
(ないてきせきにんをさきおくりしてきたのだ。)
内的責任を先送りしてきたのだ。
(いま、ようやくことばがそれをてらす。)
いま、ようやく言葉がそれを照らす。
(だがことばはこういをだいたいしえない。)
だが言葉は行為を代替し得ない。