怪人二十面相72

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(どくしゃしょくんはよもやおわすれではありますまい。このしょうねんこそ、いつか)

読者諸君はよもやおわすれではありますまい。この少年こそ、いつか

(じたくのていえんにわなをしかけて、にじゅうめんそうをてひどいめにあわせた、あの)

自宅の庭園にわなをしかけて、二十面相を手ひどい目にあわせた、あの

(だいじつぎょうかはしばそうたろうしのむすこさんです。)

大実業家羽柴壮太郎氏のむすこさんです。

(「おや、そうじくんですか。よくきましたね。さあ、おあがりなさい。」)

「オヤ、壮二君ですか。よく来ましたね。サア、おあがりなさい。」

(こばやしくんはじぶんよりふたつばかりとししたのそうじくんを、おとうとかなんぞのように)

小林君は自分より二つばかり年下の壮二君を、弟かなんぞのように

(いたわって、おうせつしつへみちびきました。)

いたわって、応接室へみちびきました。

(「で、なんかきゅうなようじでもあるんですか。」)

「で、なんかきゅうな用事でもあるんですか。」

(たずねますと、そうじしょうねんは、おとなのようなくちょうで、こんなことを)

たずねますと、壮二少年は、おとなのような口調で、こんなことを

(いうのでした。)

いうのでした。

(「あけちせんせい、たいへんでしたね。まだゆくえがわからないのでしょう。)

「明智先生、たいへんでしたね。まだゆくえがわからないのでしょう。

(それについてね、ぼくすこしそうだんがあるんです。)

それについてね、ぼく少し相談があるんです。

(あのね、いつかのじけんのときから、ぼく、きみをすうはいしちゃったんです。)

あのね、いつかの事件のときから、ぼく、きみを崇拝しちゃったんです。

(そしてね、ぼくもきみのようになりたいとおもったんです。それから、)

そしてね、ぼくもきみのようになりたいと思ったんです。それから、

(きみのはたらきのことを、がっこうでみんなにはなしたら、ぼくとおなじかんがえの)

きみのはたらきのことを、学校でみんなに話したら、ぼくと同じ考えの

(ものがじゅうにんもあつまっちゃったんです。)

ものが十人も集まっちゃったんです。

(それで、みんなで、しょうねんたんていだんっていうかいをつくっているんです。)

それで、みんなで、少年探偵団っていう会をつくっているんです。

(むろんがっこうのべんきょうやなんかのじゃまにならないようにですよ。ぼくの)

むろん学校の勉強やなんかのじゃまにならないようにですよ。ぼくの

(おとうさんも、がっこうさえまけなければ、まあいいってゆるしてくだすったんです。)

おとうさんも、学校さえまけなければ、まあいいって許してくだすったんです。

(きょうはにちようでしょう。だもんだから、ぼくみんなをつれて、きみんち)

きょうは日曜でしょう。だもんだから、ぼくみんなを連れて、きみんち

(へおみまいにきたんです。そしてね、みんなはね、きみのさしずをうけて、)

へおみまいに来たんです。そしてね、みんなはね、きみのさしずを受けて、

など

(ぼくたちしょうねんたんていだんのちからで、あけちせんせいのゆくえをさがそうじゃないかって)

ぼくたち少年探偵団の力で、明智先生のゆくえをさがそうじゃないかって

(いってるんです。」)

言ってるんです。」

(ひといきにそれだけいってしまうと、そうじくんはかわいいめで、こばやししょうねんを)

ひと息にそれだけ言ってしまうと、壮二君はかわいい目で、小林少年を

(にらみつけるようにして、へんじをまつのでした。)

にらみつけるようにして、返事を待つのでした。

(「ありがとう。」)

「ありがとう。」

(こばやしくんは、なんだかなみだがでそうになるのを、やっとがまんして、)

小林君は、なんだか涙が出そうになるのを、やっとがまんして、

(ぎゅっとそうじくんのてをにぎりました。)

ギュっと壮二君の手をにぎりました。

(「きみたちのことをあけちせんせいがおききになったら、どんなにおよろこびに)

「きみたちのことを明智先生がお聞きになったら、どんなにお喜びに

(なるかもしれないですよ。ええ、きみたちのたんていだんでぼくを)

なるかもしれないですよ。ええ、きみたちの探偵団でぼくを

(たすけてください。みんなで、なにかてがかりをさがしだしましょう。)

たすけてください。みんなで、何か手がかりをさがしだしましょう。

(けれどね、きけんなことはやらせませんよ。もしものことがあると、)

けれどね、危険なことはやらせませんよ。もしものことがあると、

(みんなのおとうさんやおかあさんにもうしわけないですからね。)

みんなのおとうさんやおかあさんに申しわけないですからね。

(しかし、ぼくがいまかんがえているのは、ちっともきけんのないたんていほうほうです。)

しかし、ぼくが今考えているのは、ちっとも危険のない探偵方法です。

(きみ、「ききこみ」ってのしってますか。いろんなひとのはなしをきいてまわって、)

きみ、『聞きこみ』っての知ってますか。いろんな人の話をきいてまわって、

(どんなちいさなことでものがさないで、うまくてがかりをつかむたんていほうほう)

どんな小さなことでものがさないで、うまく手がかりをつかむ探偵方法

(なんです。)

なんです。

(なまじっか、おとななんかより、こどものほうがすばしっこいし、)

なまじっか、おとななんかより、子どものほうがすばしっこいし、

(あいてがゆだんするから、きっとうまくいくとおもいますよ。)

相手がゆだんするから、きっとうまくいくと思いますよ。

(それにはね、おとといのばん、せんせいをつれだしたおんなのにんそうやふくそう、)

それにはね、おとといの晩、先生を連れだした女の人相や服装、

(それからじどうしゃのいったほうがくもわかっているんだから、そのほうがくに)

それから自動車の行った方角もわかっているんだから、その方角に

(むかって、ぼくらがいまのききこみをやればいいんですよ。)

向かって、ぼくらが今の聞きこみをやればいいんですよ。

(みせのこぞうさんでもいいし、ごようききでもいいし、ゆうびんはいたつさんだとか、)

店の小僧さんでもいいし、ご用聞きでもいいし、郵便配達さんだとか、

(そのへんにあそんでいるこどもなんかつかまえて、あきずにきいてまわるんです。)

そのへんに遊んでいる子どもなんかつかまえて、あきずに聞いてまわるんです。

(ここでは、ほうがくがわかっていても、さきになるほどみちがわかれていて、)

ここでは、方角がわかっていても、先になるほど道がわかれていて、

(けんとうをつけるのがたいへんだけれど、にんずうがおおいからだいじょうぶだ。みちが)

見当をつけるのがたいへんだけれど、人数が多いから大じょうぶだ。道が

(わかれるたびに、ひとりずつ、そのほうへいけばいいんです。)

わかれるたびに、ひとりずつ、そのほうへ行けばいいんです。

(そうして、きょういちにちききこみをやれば、ひょっとしたら、なにか)

そうして、きょう一日聞きこみをやれば、ひょっとしたら、何か

(てがかりはつかめるかもしれないですよ。」)

手がかりはつかめるかもしれないですよ。」

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