わすれられんぼ／After the Rain

(あさってからとびかうあめに)

明後日から　飛び交う雨に

(うつむいて)

俯いて

(ころんでまたにびいろになって)

転んでまた　鈍色になって

(はしっていく)

走っていく

(わかっていたよしられることが)

わかっていたよ　知られることが

(ふえるほど)

増えるほど

(ふえるんだわすれられることも)

増えるんだ　忘れられることも

(けりとばされてふみつけられて)

蹴り飛ばされて　踏みつけられて

(こどものころからしにたくて)

子供のころから　死にたくて

(じぶんすらもみうしなうのに)

自分すらも見失うのに

(きみのせかいにいさせてくれた)

君の世界に居させてくれた

(うたをうたえた)

歌を歌えた

(いびつでもたしかなあいじょうで)

歪でも確かな愛情で

(いいよきみはきっとわすれんぼで)

いいよ　君はきっとわすれんぼで

(ぼくはわすれられんぼ)

僕はわすれられんぼ

(だから)

だから

(いいよきらわれてすてられて)

いいよ　嫌われて捨てられて

(かまわない)

かまわない

(かさもない)

傘もない

(ごみのむこう)

ゴミの向こう

(おもったことうまくいえなくて)

思ったこと　うまく言えなくて

(こまっちゃうな)

困っちゃうな

(おもっちゃいないことばかりいった)

思っちゃいない　ことばかり言った

(ことになる)

ことになる

(すきなことすきなだけあいして)

好きなこと　好きなだけ愛して

(いいんだよ)

いいんだよ

(そのなかにぼくがいなくたって)

その中に　ボクがいなくたって

(できないだけのわけがある)

「できないだけのわけがある」

(できてるひとのいいぶんでしょ)

できてる人の言い分でしょ

(いじめをうけるわけがある)

「虐めを受けるわけがある」

(いじめるひとのいいぶんじゃん)

虐める人の言い分じゃん

(あれおかしいなないてしまうな)

あれおかしいな　泣いてしまうな

(あのころのすきすらしたうちして)

あの頃の好きすら舌打ちして

(そんなだめかなぼくはだめかな)

そんなだめかな　ボクはだめかな

(きらいひとつがつみかさなって)

嫌いひとつが積み重なって

(ふかくえぐった)

深く抉った

(すでにからっぽのしんぞうを)

既に空っぽの心臓を

(いいよいやだなんていえやしない)

いいよ　いやだなんて言えやしない

(よわむしなぼくのことは)

弱虫なボクのことは

(けして)

消して

(いいよきらわれてすてられて)

いいよ　嫌われて捨てられて

(かまわない)

かまわない

(すてられる)

捨てられる

(ばしょもない)

場所もない

(わすれものしてませんか)

わすれものしてませんか

(してませんでしたか)

してませんでしたか

(ふようひんはまだどこか)

不用品はまだどこか

(わすれられていくだけだ)

わすれられていくだけだ