モードノオト2024.03.18 2/5

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プレイ回数15難易度(4.2) 988打 長文 かな

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問題文

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(どうもへんだぞ。どうもふにおちない。わからないことをしいてきいてみようと)

どうも変だぞ。どうも腑に落ちない。分からないことを強いて訊いてみようと

(しなくなることが、けっきょく、わかったということなのだろうか。)

しなくなることが、結局、分かったと云うことなのだろうか。

(どうもあいまいなのだな。どうもなっとくがいかぬ。わかったようでわからないきょうち。)

どうも曖昧なのだな。どうも納得がいかぬ。分かったようで分からない境地。

(もどかしいな。にんげんないめんをえがくかぎりは、かれもわたしも、このどうどうめぐりをのがれえない)

もどかしいな。人間内面を描く限りは、彼も私も、この堂々巡りを逃れ得ない

(だろうし、らせんかいだんはむげんにつづくだろう。そのえんいんは、まさにこころのなかにかいしょうされ)

だろうし、螺旋階段は無限に続くだろう。その遠因は、まさに心の中に解消され

(ないでのこっているふしんとか、ぎもんとか、ふまんとかの、こころのおくそこにちんでんする)

ないで残って居る不信とか、疑問とか、不満とかの、心の奥底に沈殿する

(よどみたようなもの。むらかみはいちいちわれわれにあんじはするが、じかにこくはくしようとはしない)

澱みたようなもの。村上は一々我々に暗示はするが、直に告白しようとはしない

(しゅじゅのくらいかげが、かれのさくひんのうえにおちていることはまちがいない。)

種々の暗い影が、彼の作品の上に落ちていることは間違いない。

(さっこんのかれのさくひんは、そのようなかげのうえにえがいたしんきろうのようなもので、それが)

昨今の彼の作品は、そのような影の上に描いた蜃気楼のようなもので、それが

(ものがたりのなかよりときどきさくしゃのといきとなってたちのぼってくる。したがってそのぶぶんに、かれの)

物語の中より時々作者の吐息となって立ち昇ってくる。従ってその部分に、彼の

(じょじょうしじんてきなおもかげがようえいするのだ。いっぽうにはげんじつのたいくつなじんせいがあり、)

叙情詩人的な面影が揺曳するのだ。一方には現実の退屈な人生があり、

(そのはんたいがわには、あるしゅんかんに、あるばめんをけいきとして、とりあげられ、えがき)

その反対側には、或る瞬間に、或る場面を契機として、取り上げられ、描き

(だされた、ほのぐらさをはいけいに、いようにうつくしいこうぼうをかがやかすじんせいがある。)

出された、仄暗さを背景に、異様に美しい光芒を輝かす人生がある。

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