もういいかい -4-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
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2 HAKU 7712 7.9 96.9% 333.1 2652 83 58 2025/08/28
3 だったかもしれな 7665 7.9 97.0% 339.7 2687 83 58 2025/09/02
4 Jyo 5963 A+ 6.0 98.1% 429.1 2609 50 58 2025/08/27
5 mipo 4811 B 5.0 95.4% 520.4 2628 124 58 2025/08/29

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問題文

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(「どうかされましたか」)

「どうかされましたか」

(けげんそうなひょうじょうがしきちのすみのがいとうのあかりにてらしだされる。)

怪訝そうな表情が敷地の隅の街灯の明かりに照らし出される。

(かまたさんがりょうてにおぼんをかかえてたっていた。)

鎌田さんが両手にお盆を抱えて立っていた。

(ほっとして、「ええ、それが」といいかけるのをししょうがせいした。)

ホッとして、「ええ、それが」と言いかけるのを師匠が制した。

(「ちょっとききたいことがありますが、いいですか」)

「ちょっと訊きたいことがありますが、いいですか」

(「え、ええ、はい」)

「え、ええ、はい」

(かまたさんはげんかんのとびらをあけておぼんをおいた。らっぷにつつまれたおにぎりが)

鎌田さんは玄関の扉を開けてお盆を置いた。ラップに包まれたおにぎりが

(むっつとそうざいらしいたっぱーがのっていた。やしょくをもってきてくれたようだ。)

六つと惣菜らしいタッパーがのっていた。夜食を持ってきてくれたようだ。

(「すがたをみた、というひとはいないんですね」)

「姿を見た、という人はいないんですね」

(「え、ああ、うわさですか。そうですね、あんまり。こえがすると。みんな」)

「え、ああ、噂ですか。そうですね、あんまり。声がすると。みんな」

(「あなたはきいたことが?」)

「あなたは聞いたことが?」

(「・・・・・きのせいかもしれませんが」)

「・・・・・気のせいかも知れませんが」

(「もういいかい」)

「もういいかい」

(ししょうのことばにかまたさんはかたをびくりとさせる。)

師匠の言葉に鎌田さんは肩をビクリとさせる。

(やはり。)

やはり。

(「うわさでは、へんじをするとどうだとか、しないとどうだとかいっていましたが、)

「噂では、返事をするとどうだとか、しないとどうだとか言っていましたが、

(じっさいに」)

実際に」

(そこまでいったとき、またきこえた。)

そこまで言った時、また聞こえた。

(「もういいかい」というこえが、どこからともなく、そしてどこへともなく。)

「もういいかい」という声が、どこからともなく、そしてどこへともなく。

(だが、こんどはそのこえとどうじになにかべつのけはいがたかまるのをかんじた。)

だが、今度はその声と同時になにか別の気配が高まるのを感じた。

など

(それはほんのわずかないわかんだったが、)

それはほんのわずかな違和感だったが、

(ぼくのくびすじをひやりとなでて、ししょうをいっしゅんではんのうさせた。)

僕の首筋をひやりと撫でて、師匠を一瞬で反応させた。

(げんかんからとびだしてはしりだす。)

玄関から飛び出して走り出す。

(しゅうかいじょのかべづたいにひだりがわへまわりこむ。じてんしゃがなんだいかおきすてられているばしょを)

集会所の壁伝いに左側へ回り込む。自転車が何台か置き捨てられている場所を

(ふくらみながらかわし、げんかんしょうめんからみてしきちのみぎおくへとむかう。)

膨らみながらかわし、玄関正面から見て敷地の右奥へと向かう。

(しきちのはしのれんがべいのあたりはじゃりだったが、しゅうかいしょのそばのじめんは)

敷地の端の煉瓦塀のあたりは砂利だったが、集会所の側の地面は

(こんくりでほそうされている。)

コンクリで舗装されている。

(そのかべぎわにぷろぱんがすのぼんべがにきたてられている。)

その壁際にプロパンガスのボンベが二基立てられている。

(ちいさなまどにみおぼえがあった。あたまのなかでしゅうかいしょのまどりをおもいうかべる。)

小さな窓に見覚えがあった。頭の中で集会所の間取りを思い浮かべる。

(ちょうどだいどころのうらてだ。)

ちょうど台所の裏手だ。

(ししょうはそのかべぎわのじめんにりょうてをついてはいつくばる。)

師匠はその壁際の地面に両手をついて這いつくばる。

(はっているありをみつけようとするようなかっこうだった。)

這っている蟻を見つけようとするような格好だった。

(しかしそのめのしょうてんははるかじめんのしたにむかっている。)

しかしその目の焦点は遥か地面の下に向かっている。

(「なにか、うまっているな、ここに」)

「なにか、埋まっているな、ここに」

(こんくりほそうのじめんをくいいるようにみつめたまま、ししょうはつぶやいた。)

コンクリ舗装の地面を食い入るように見つめたまま、師匠は呟いた。

(ぼくはすこしてまえでたちどまりかたずをのんでそのようすをながめる。)

僕は少し手前で立ち止まり固唾を飲んでその様子を眺める。

(ようやくかまたさんがおいついてきて、おびえたように)

ようやく鎌田さんが追いついてきて、怯えたように

(「どうしましたか」とといかけた。)

「どうしましたか」と問いかけた。

(ししょうはそのこえがきこえなかったかのようにひたすらじめんをなめるように)

師匠はその声が聞こえなかったかのようにひたすら地面を舐めるように

(みていたが、やがてからだをおこし、)

見ていたが、やがて身体を起こし、

(「なにか、うまっていますね、ここに」といった。)

「なにか、埋まっていますね、ここに」と言った。

(ぼくはこちらのほうがくからなにかけはいのようなものをかんじとっただけだったが、)

僕はこちらの方角からなにか気配のようなものを感じ取っただけだったが、

(ししょうはかくじつにばしょまでとくていしたらしい。)

師匠は確実に場所まで特定したらしい。

(「なにかといいますと?」)

「なにかと言いますと?」

(「それがしりたいんですよ。このしたはなんです?)

「それが知りたいんですよ。この下はなんです?

(もしかしてちかしつかなにかがあるんじゃないですか?」)

もしかして地下室かなにかがあるんじゃないですか?」

(かまたさんはくびをひねっていたが、そんなものはありませんとだんげんした。)

鎌田さんは首を捻っていたが、そんなものはありませんと断言した。

(たしかにそれもそうだろう。)

確かにそれもそうだろう。

(ひらやのなんのへんてつもないしゅうかいじょにちかしつなどにつかわしくないし、)

平屋のなんの変哲もない集会所に地下室など似つかわしくないし、

(なかをたんさくしたけっかそれらしきちかへのでいりぐちはなかった。)

中を探索した結果それらしき地下への出入り口はなかった。

(ちいさなちょぞうこのたぐいもないということをつけくわえられ、ししょうはかんがえこむ。)

小さな貯蔵庫の類もないということを付け加えられ、師匠は考え込む。

(「じゃあ、じょうかそうは?」)

「じゃあ、浄化槽は?」

(いっしゅんはっとしたが、さっきといれにいったとき、ふつうにすいせんしきだったことを)

一瞬ハッとしたが、さっきトイレに行った時、普通に水洗式だったことを

(おもいだす。いや、しかしすいせんしきでもげすいではなく)

思い出す。いや、しかし水洗式でも下水ではなく

(じょうかそうでおぶつをためるということもあるだろうか。)

浄化槽で汚物を貯めるということもあるだろうか。

(「じょうかそうは・・・・・」)

「浄化槽は・・・・・」

(かまたさんがこたえようとしたときに、おもてのほうからかいちゅうでんとうのひかりが)

鎌田さんが答えようとした時に、表のほうから懐中電灯の光が

(ゆらゆらとちかづいてくるのがみえた。)

ゆらゆらと近づいてくるのが見えた。

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