王子とこじき 41
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問題文
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(さて、ほんとうのこくおうえどわーどがこんなめにあっているとき)
さて、本当の国王エドワードがこんな目に遭っている時
(とむきゃんてぃはきゅうでんでどんなくらしをしていただろうか。)
トム・キャンティは宮殿でどんな暮らしをしていただろうか。
(はじめのころは、とむもいなくなったえどわーどのことをかんがえて)
初めの頃は、トムもいなくなったエドワードのことを考えて
(おもいにしずむこともあった。)
思いに沈むこともあった。
(だが、ときがたつにつれて、こくおうとしてのとむのやることは、あまりにもおおすぎた)
だが、時がたつにつれて、国王としてのトムのやることは、あまりにも多すぎた
(それにまぎれて、ついわすれていってしまったのである。)
それにまぎれて、つい忘れていってしまったのである。
(いまではとむは、すっかりみぶんがかわったことにもなれて、)
今ではトムは、すっかり身分が変わったことにも慣れて、
(なにもかもこくおうとしてうまくやってのけていた。)
何もかも国王としてうまくやってのけていた。
(えりざべすおうじょやじぇーんひめをじぶんのへやへよんで)
エリザベス王女やジェーン姫を自分の部屋へ呼んで
(あたりまえのきもちではなすこともできたし、)
当たり前の気持ちで話すこともできたし、
(すこしあきると、ふたりをとっととさがらせることもできるようになった。)
少し飽きると、二人をとっとと下がらせることもできるようになった。
(ふたりのきふじんが、わかれぎわにとむのてにきすをしても)
二人の貴婦人が、別れ際にトムの手にキスをしても
(ぜんぜんまごつかなくなっていた。)
全然まごつかなくなっていた。
(はーふぉーどきょうやせんとじょんきょうとは、いかにもおうさまらしく)
ハーフォード卿やセント・ジョン卿とは、いかにも王様らしく
(くにのできごと、ほうりつやがくもんについてはなしをすることもできたのである。)
国の出来事、法律や学問について話をすることもできたのである。
(だが、とむには、もうひとついまでもわすれられないことがあった。)
だが、トムには、もう一つ今でも忘れられないことがあった。
(それは、とむのやさしいははおやとあねがいまどうしているか。)
それは、トムの優しい母親と姉が今どうしているか。
(これだけがきがかりだったのだ。というのものの、すぐにははおやがあらわれて)
これだけが気がかりだったのだ。というのものの、すぐに母親があらわれて
(「とむや、うちへかえっておいで」といわれようものなら、)
「トムや、家へ帰っておいで」と言われようものなら、
(あのびんぼうでよごれきっているがらくたよこちょうに、かえらなければいけないとおもうと)
あの貧乏で汚れ切っているがらくた横町に、帰らなければいけないと思うと
など
((いっそ、もうわすれてしまいたい)とおもっているのもほんとうのきもちだった。)
(いっそ、もう忘れてしまいたい)と思っているのも本当の気持ちだった。
(さて、ろんどんばしのうえでえどわーどがへんどんとはなればなれになってしまった)
さて、ロンドン橋の上でエドワードがヘンドンと離れ離れになってしまった
(にがつじゅうくにちのよる、とむはしずかにきゅうでんのべっどでねむっていた。)
二月十九日の夜、トムは静かに宮殿のベッドで眠っていた。
(しかし、えどわーどはけっしてねむりはしなかった。)
しかし、エドワードは決して眠りはしなかった。
(ほんもののこくおうは、そまつなふくをきてさむさにふるえながら)
本物の国王は、粗末な服を着て寒さに震えながら
(うぇすとみんすたーじいんのまえへたどりついたのである。)
ウェストミンスター寺院の前へたどり着いたのである。
(そして、あくるひここでおこなわれる、)
そして、あくる日ここで行われる、
(しんこくおうのたいかんしきのじゅんびにいそがしいひとのあいだにまじっていた。)
新国王の戴冠式の準備に忙しい人の間に混じっていた。
(あくるあさ、めをさましたとむは、きらびやかなふくにきがえさせられた。)
あくる朝、目を覚ましたトムは、きらびやかな服に着替えさせられた。
(さわやかなおんがくのなかを、てむずがわをふねでろんどんとうまでいった。)
さわやかな音楽の中を、テムズ川を船でロンドン塔まで行った。
(たいかんしきのとき、こくおうはたくさんのひとのあいさつをうけながら)
戴冠式のとき、国王はたくさんの人のあいさつを受けながら
(ろんどんとうからうぇすとみんすたーじいんまで、うまでいくのがならわしであった。)
ロンドン塔からウェストミンスター寺院まで、馬で行くのがならわしであった。
(とむが、ろんどんとうをはなれるとき、どどーん、どどーん・・・)
トムが、ロンドン塔を離れるとき、ドドーン、ドドーン・・・
(と、いせいのいいれいほうがとどろいて、あれほどおおきなろんどんとうも)
と、威勢のいい礼砲が轟いて、あれほど大きなロンドン塔も
(かやくのけむりにつつまれるほどであった。)
火薬の煙に包まれるほどであった。
(そのなかをとむは、じめんをひきずるほどながくたれたかざりのついたうまにのっていた。)
その中をトムは、地面を引きずるほど長く垂れた飾りのついた馬に乗っていた。
(そばには、はーふぉーどきょうやきぞく、やくにんたちがたくさんつきそっている。)
そばには、ハーフォード卿や貴族、役人たちがたくさん付き添っている。