小説長文8! 第二話
恋愛小説系です!「君の隣で見る世界」第二話
小説なので、全然見るだけもだいじょぶですっ!
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(あのひから、わたしとにかいどうるいはすこしずつはなすようになった。)
あの日から、私と二階堂ルイは少しずつ話すようになった。
(「おはよう、もも。」)
「おはよう、モモ。」
(「おはよう、るいくん。」)
「おはよう、ルイくん。」
(あさ、きょうしつであいさつをかわすだけなのに、それだけでいちにちがすこしたのしみになる。)
朝、教室で挨拶を交わすだけなのに、それだけで一日が少し楽しみになる。
(やすみじかんにはすきなほんのはなしをしたり、)
休み時間には好きな本の話をしたり、
(じゅぎょうちゅうにわからないもんだいをおしえあったりもした。)
授業中に分からない問題を教え合ったりもした。
(「ももって、いつもほんよんでるよね。」)
「モモって、いつも本読んでるよね。」
(「うん。すきだから。」)
「うん。好きだから。」
(「こんど。おれにもおすすめおしえてよ。」)
「今度。俺にもおすすめ教えてよ。」
(「いいよ。るいくんもよんでみて。」)
「いいよ。ルイくんも読んでみて。」
(そんななにげないかいわが、わたしはたまらなくうれしかった。)
そんな何気ない会話が、私はたまらなく嬉しかった。
(きづけば、るいはわたしのなかで「くらすめいと」から、)
気づけば、ルイは私の中で「クラスメイト」から、
(「なかのよいともだち」へとかわっていた。)
「仲の良い友達」へと変わっていた。
(もちろん、わたしにとってはそれだけじゃない。)
もちろん、私にとってはそれだけじゃない。
(るいとはなすたびに、わたしはどんどんかれをすきになっていた。)
ルイと話すたびに、私はどんどん彼を好きになっていた。
(あるひのほうかご、きょうしつでぶんかさいのだしものをきめることになった。)
ある日の放課後、教室で文化祭の出し物を決めることになった。
(こくばんにいくつものあんがかかれ、みんなでいけんをだしあっていく。)
黒板にいくつもの案が書かれ、みんなで意見を出し合っていく。
(「わたしはきっさてんがいいな。」)
「私は喫茶店がいいな。」
(わたしがそういうと、るいがこちらをみた。)
私がそう言うと、ルイがこちらを見た。
(「おれもきっさてんがいい。」)
「俺も喫茶店がいい。」
など
(「ほんとう?」)
「本当?」
(「うん。ももといっしょにできそうだし。」)
「うん。モモと一緒にできそうだし。」
(そのことばに、わたしはおもわずかおがあつくなった。)
その言葉に、私は思わず顔が熱くなった。
(「じゃ、じゃあがんばろうね。」)
「じゃ、じゃあ頑張ろうね。」
(「やくそく。」)
「約束。」
(そのあと、たすうけつでわたしたちのくらすはきっさてんをすることにきまった。)
その後、多数決で私たちのクラスは喫茶店をすることに決まった。
(るいはだれかにたのまれるたびに「いいよ」とこたえ、)
ルイは誰かに頼まれるたびに「いいよ」と答え、
(かざりつけやつくえのいどうまでてつだっていた。)
飾り付けや机の移動まで手伝っていた。
(「るい、そっちもって!」)
「ルイ、そっち持って!」
(「わかった!」)
「分かった!」
(「こっちもおねがい!」)
「こっちもお願い!」
(「いまいく!」)
「今行く!」
(いそがしそうにはしりまわるるいをみながら、わたしはおもった。)
忙しそうに走り回るルイを見ながら、私は思った。
(やっぱり、るいはだれにでもやさしい。)
やっぱり、ルイは誰にでも優しい。
(だからこそ、わたしだけがとくべつなわけじゃない。)
だからこそ、私だけが特別なわけじゃない。
(そうかんがえると、すこしだけむねがいたくなった。)
そう考えると、少しだけ胸が痛くなった。
(さぎょうがひとだんらくしたころ、きょうしつにのこっていたのはわたしとるいだけだった。)
作業が一段落した頃、教室に残っていたのは私とルイだけだった。
(「つかれたね。」)
「疲れたね。」
(「うん。でもたのしい。」)
「うん。でも楽しい。」
(「もも、ぶんかさいすきそう。」)
「モモ、文化祭好きそう。」
(「だって、みんなでなにかつくるのってたのしいじゃん。」)
「だって、みんなで何か作るのって楽しいじゃん。」
(「そっか。」)
「そっか。」
(ゆうひにてらされたきんいろのかみが、いつもよりきれいにみえる。)
夕日に照らされた金色の髪が、いつもより綺麗に見える。
(「......どうしたの?」)
「......どうしたの?」
(「え?」)
「え?」
(「さっきからおれのことみてない?」)
「さっきから俺のこと見てない?」
(「み、みてないよ!」)
「み、見てないよ!」
(「ほんとうに?」)
「本当に?」
(「ほんとう!」)
「本当!」
(わたしはあわててめをそらした。)
私は慌てて目をそらした。
(るいはふしぎそうにわらっている。)
ルイは不思議そうに笑っている。
(わたしがどれだけかれをみているのかなんて、きっとかれはしらない。)
私がどれだけ彼を見ているのかなんて、きっと彼は知らない。
(かえりみち、わたしたちはふたりであるいていた。)
帰り道、私たちは二人で歩いていた。
(「きょうもつかれたね。」)
「今日も疲れたね。」
(「うん。」)
「うん。」
(「でも、ももがいっしょだったからたのしかった。」)
「でも、モモが一緒だったから楽しかった。」
(「......え?」)
「......え?」
(「なんでもない。」)
「なんでもない。」
(しんぞうがうるさい。)
心臓がうるさい。
(もしかしたら、るいもわたしのことを。)
もしかしたら、ルイも私のことを。
(でも、そんなかんがえはすぐにうちけした。)
でも、そんな考えはすぐに打ち消した。
(きっとるいにとって、わたしはなかのよいじょしともだち。)
きっとルイにとって、私は仲の良い女子友達。
(それでも、いまはとなりをあるけるだけでしあわせだった。)
それでも、今は隣を歩けるだけで幸せだった。
(すうじつごのほうかご、わたしはわすれものをとりにきょうしつへもどろうとしていた。)
数日後の放課後、私は忘れ物を取りに教室へ戻ろうとしていた。
(すると、ろうかのかどからききおぼえのあるこえがきこえた。)
すると、廊下の角から聞き覚えのある声が聞こえた。
(「にかいどうくん。」)
「二階堂くん。」
(わたしはあしをとめた。)
私は足を止めた。
(そっとろうかのさきをみる。)
そっと廊下の先を見る。
(そこには、るいとひとりのじょしせいとがたっていた。)
そこには、ルイと一人の女子生徒が立っていた。
(じょしせいとのてには、いっつうのしろいふうとうがにぎられている。)
女子生徒の手には、一通の白い封筒が握られている。
(「これ...よんでください。」)
「これ...読んでください。」
(そのしゅんかん、わたしはきづいた。)
その瞬間、私は気づいた。
(あれは、きっとらぶれたーだ。)
あれは、きっとラブレターだ。
(むねが、ずきっといたんだ。)
胸が、ズキッと痛んだ。
(るいはふうとうをみつめたまま、すこしこまったようなかおをしていた。)
ルイは封筒を見つめたまま、少し困ったような顔をしていた。
(「ごめん。」)
「ごめん。」
(そのことばをきいて、わたしはいきをとめた。)
その言葉を聞いて、私は息を止めた。
(じょしせいとがかおをあげる。)
女子生徒が顔を上げる。
(「...すきなひとがいるから。」)
「...好きな人がいるから。」
(わたしはそのばからうごけなかった。)
私はその場から動けなかった。
(そのことばが、あたまのなかでなんどもくりかえされる。)
その言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
(るいにすきなひとがいる。)
ルイに好きな人がいる。
(わたしはしらなかった。)
私は知らなかった。
(それがだれなのかも。)
それが誰なのかも。
(わたしはあわててそのばをはなれた。)
私は慌ててその場を離れた。
(きょうしつへもどるとちゅうも、むねのこどうはなかなかおさまらなかった。)
教室へ戻る途中も、胸の鼓動はなかなか収まらなかった。
(るいのすきなひとは、いったいだれなんだろう。)
ルイの好きな人は、一体誰なんだろう。
(もしかしたら、わたしだったら。)
もしかしたら、私だったら。
(そんなきたいがいっしゅんだけうかんだ。)
そんな期待が一瞬だけ浮かんだ。
(でも、すぐにくびをふる。)
でも、すぐに首を振る。
(そんなわけない。)
そんなわけない。
(だってわたしは、ただのともだちだから。)
だって私は、ただの友達だから。
(それでも。)
それでも。
(あのときのるいのことばが、あたまがはなれなかった。)
あの時のルイの言葉が、頭が離れなかった。
(そのひからわたしは、るいのすきなひとがだれなのかをかんがえてしまうようになった。)
その日から私は、ルイの好きな人が誰なのかを考えてしまうようになった。
(そして、このときのわたしはまだしらなかった。)
そして、この時の私はまだ知らなかった。
(るいがそのあとも、なんどもじょしからこくはくされることを。)
ルイがその後も、何度も女子から告白されることを。
(そして、そのたびにおなじことばをくりかえすことを。)
そして、そのたびに同じ言葉を繰り返すことを。
(「すきなひとがいるから。」)
「好きな人がいるから。」
(わたしのしらないところで、るいのひみつはすこしずつおおきくなっていた。)
私の知らないところで、ルイの秘密は少しずつ大きくなっていた。