未 本編 -38-

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師匠シリーズ
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問題文

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(そういえばきのうみんなのはなしをきいてまわったときに、ひろこさんは「みてない」と)

そういえば昨日みんなの話を聞いて回った時に、広子さんは「見てない」と

(いっていたことをおもいだした。なぜかうそをついていて、)

言っていたことを思い出した。なぜか嘘をついていて、

(ほんとうはみたことがあったのだろうか。)

本当は見たことがあったのだろうか。

(「いやあ。わたしのはたぶんみまちがえっていうか。まあ、その、)

「いやあ。私のはたぶん見間違えっていうか。まあ、その、

(すいじばでひとりであらいものしているときにすーってうしろをだれかがとおったきが)

炊事場で一人で洗い物している時にスーッて後ろを誰かが通った気が

(したんですよね。あれっ、とおもってそっちみたら、)

したんですよね。あれっ、と思ってそっち見たら、

(でいりぐちのとこにいっしゅんだけうしろすがたがみえたんですよ」)

出入り口のトコに一瞬だけ後ろ姿が見えたんですよ」

(それがかんぬしがきるようなふくそうだったきがする、というのだ。)

それが神主が着るような服装だった気がする、というのだ。

(あとでりょかんのみんなにきいても、だれもすいじばにはちかづかなかったという。)

後で旅館のみんなに聞いても、誰も炊事場には近付かなかったという。

(それできみがわるくなって、しばらくはおっかなびっくりしごとをしていた。)

それで気味が悪くなって、しばらくはおっかなびっくり仕事をしていた。

(こわいものだから、じぶんでもなにかみまちがいだとおもいこむようにしていたそうだ。)

怖いものだから、自分でもなにか見間違いだと思い込むようにしていたそうだ。

(かんすけさんのほうはふきげんさをかくそうともしないぼそぼそとしたこえだったが、)

勘介さんの方は不機嫌さを隠そうともしないボソボソとした声だったが、

(どうやらすうかいみているらしいということがわかった。)

どうやら数回見ているらしいということが分かった。

(ひとりでいるときに、めのまえをはんとうめいのにんげんがとおったというけーすが)

一人でいる時に、目の前を半透明の人間が通ったというケースが

(おおかったが、ほかのなかいといっしょにかたづけものをしているときに、)

多かったが、他の仲居と一緒に片付け物をしている時に、

(ふたりでどうじにもくげきしたというはなしもあった。)

二人で同時に目撃したという話もあった。

(すぐめのまえで、だれもいないはずのはしらのかげからおともなくひとかげがあらわれて、)

すぐ目の前で、誰もいないはずの柱の影から音もなく人影が現れて、

(ろうかのおくへきえていったというのだ。)

廊下の奥へ消えていったというのだ。

(ふたりいじょうのにんげんにもくげきされるれいはまたぎきのうわさとしてはあったが、)

二人以上の人間に目撃される例は又聞きの噂としてはあったが、

(じっさいにたいけんしたほんにんがしゃべるとそれとはちがったりんじょうかんがあった。)

実際に体験した本人が喋るとそれとは違った臨場感があった。

など

(おかみもなんどかみたとはいっていたが、すべてのたいけんだんを)

女将も何度か見たとは言っていたが、すべての体験談を

(きいたわけではなかったので、つづけてはなしてもらう。)

聞いたわけではなかったので、続けて話してもらう。

(「わたしがさいしょにみましたのは、はるさきだったとおもいますが、よなかにじむしょで)

「私が最初に見ましたのは、春先だったと思いますが、夜中に事務所で

(ひとりかきものをしておりましたところ、なにかのけはいをかんじまして)

一人書き物をしておりましたところ、なにかの気配を感じまして

(ふとかおをあげますと、めのあいだのかべのなかに、そのひとのすがたをみたのです。)

ふと顔を挙げますと、目の間の壁の中に、その人の姿を見たのです。

(ええ。かべのなかでした」)

ええ。壁の中でした」

(そのひとかげはかんぬしのようなかっこうをしていたという。ひめいをあげ、)

その人影は神主のような格好をしていたという。悲鳴を上げ、

(いすからころげおちそうになってあわててつくえのえんにつかまると、)

椅子から転げ落ちそうになって慌てて机の縁につかまると、

(いつのまにかそのかべのなかのれいはみえなくなっていたのだそうさ。)

いつの間にかその壁の中の霊は見えなくなっていたのだそうさ。

(そのあともおかみはなんどかかんぬしすがたのれいをもくげきしていた。あらわれかたはさまざまで)

その後も女将は何度か神主姿の霊を目撃していた。現れ方は様々で

(いちようではなかったが、きょうつうしているのはなにかうったえかけられるようなものを)

一様ではなかったが、共通しているのはなにか訴えかけられるようなものを

(まったくかんじなかったということだけだった。)

全く感じなかったということだけだった。

(かえでとかずおのたいけんだんはきのうきいたとおりだ。)

楓と和雄の体験談は昨日聞いたとおりだ。

(かえではきゃくしつのまえをさげているときにろうかのそとにかんぬしのれいがたたずんでいるのをみている。)

楓は客室の前を下げている時に廊下の外に神主の霊が佇んでいるのを見ている。

(かずおのほうはろてんぶろにはいっているときにそうぐうしていた。)

和雄の方は露天風呂に入っている時に遭遇していた。

(そしてこのぼくも、けさおそろしいめにあったばかりだった。)

そしてこの僕も、今朝恐ろしい目にあったばかりだった。

(そのときのことをおもいだしてしまい、みぶるいする。)

その時のことを思い出してしまい、身震いする。

(「なるほど。みなさん、それぞれになんらかのたいけんをしている。)

「なるほど。みなさん、それぞれになんらかの体験をしている。

(しかしおかみとかんすけさんはふくすうかいみていますが、ほかのほうはみんないちどだけの)

しかし女将と勘介さんは複数回見ていますが、他の方はみんな一度だけの

(そうぐうです。すくなくともちかくしているものは。)

遭遇です。少なくとも知覚しているものは。

(いちねんほどまえからあらわれるようになったゆうれいが、ここでずっとはたらいているひろこさんに)

一年ほど前から現れるようになった幽霊が、ここでずっと働いている広子さんに

(たいしていちどだけしかすがたをみせていない。これはかなりひくいひんどです。)

対して一度だけしか姿を見せていない。これはかなり低い頻度です。

(でるようになったのはいちねんほどまえから、とききましたが、せいかくには)

出るようになったのは一年ほど前から、と聞きましたが、正確には

(いつごろかわかりますか。これはすいそくですが、おかみがさいしょにみたという、)

いつごろか分かりますか。これは推測ですが、女将が最初に見たという、

(はるさきごろがさいしょではないですか」)

春先ごろが最初ではないですか」

(はなしをふられたおかみはけげんなかおでくびをかしげる。)

話を振られた女将は怪訝な顔で首を傾げる。

(「あー、でもそのころかも。うわさがはじめたの」とひろこさんがいった。)

「あー、でもそのころかも。噂が始めたの」と広子さんが言った。

(「ということは、いちにいさん・・・・・きゅうかげつかじゅっかげつというところですか。)

「ということは、いちにいさん・・・・・九ヶ月か十ヶ月というところですか。

(まあいちねんじゃくというひょうげんでもいいでしょう。このきかん、おぼえておいてください。)

まあ一年弱という表現でもいいでしょう。この期間、覚えておいてください。

(さて、そのこじんたんいでかんがえるとそうぐうひんどのひくいゆうれいですが、きょう、)

さて、その個人単位で考えると遭遇頻度の低い幽霊ですが、今日、

(これから、このばにあらわれます」)

これから、この場に現れます」

(ええ?)

ええ?

(そんなこえがあがった。ぼくもすこしおどろいた。そんなことをあっさりだんげんするなんて。)

そんな声が上がった。僕も少し驚いた。そんなことをあっさり断言するなんて。

(しかしししょうはへいぜんとつづける。)

しかし師匠は平然と続ける。

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