吾輩は猫である4
出典:青空文庫「吾輩は猫である」(夏目漱石)
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問題文
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(わがはいのしゅじんはめったにわがはいとかおをあわせることがない)
吾輩の主人は滅多に吾輩と顔を合せる事がない
(しょくぎょうはきょうしだそうだ)
職業は教師だそうだ
(がっこうからかえるとしゅうじつしょさいにはいったぎりほとんどでてくることがない)
学校から帰ると終日書斎に這入ったぎりほとんど出て来る事がない
(いえのものはたいへんなべんきょうかだとおもっている)
家のものは大変な勉強家だと思っている
(とうにんもべんきょうかであるかのごとくみせている)
当人も勉強家であるかのごとく見せている
(しかしじっさいはうちのものがいうようなきんべんかではない)
しかし実際はうちのものがいうような勤勉家ではない
(わがはいはときどきしのびあしにかれのしょさいをのぞいてみるが)
吾輩は時々忍び足に彼の書斎を覗いて見るが
(かれはよくひるねをしていることがある)
彼はよく昼寝をしている事がある
(ときどきよみかけてあるほんのうえによだれをたらしている)
時々読みかけてある本の上に涎をたらしている
(かれはいじゃくでひふのいろがたんこうしょくをおび)
彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色を帯び
(だんりょくのないふかっぱつなちょうこうをあらわしている)
弾力のない不活溌な徴候をあらわしている
(そのくせにおおめしをくう)
その癖に大飯を食う
(おおめしをくったあとでたかじやすたーぜをのむ)
大飯を食った後でタカジヤスターゼを飲む
(のんだあとでしょもつをひろげる)
飲んだ後で書物をひろげる
(にさんぺーじよむとねむくなる)
二三ページ読むと眠くなる
(よだれをほんのうえへたらす)
涎を本の上へ垂らす
(これがかれのまいよくりかえすにっかである)
これが彼の毎夜繰り返す日課である
(わがはいはねこながらときどきかんがえることがある)
吾輩は猫ながら時々考える事がある
(きょうしというものはじつにらくなものだ)
教師というものは実に楽なものだ
(にんげんとうまれたらきょうしとなるにかぎる)
人間と生れたら教師となるに限る
など
(こんなにねていてつとまるものならねこにでもできぬことはないと)
こんなに寝ていて勤まるものなら猫にでも出来ぬ事はないと
(それでもしゅじんにいわせるときょうしほどつらいものはないそうで)
それでも主人に云わせると教師ほどつらいものはないそうで
(かれはともだちがくるたびになんとかかんとかふへいをならしている)
彼は友達が来る度に何とかかんとか不平を鳴らしている