凪いだ風の交差点

(ないだかぜのようにたたずむときが)

凪いだ風のように　佇む時間（とき）が

(ひびのなかそっとながれてゆく)

日々の中　そっと流れてゆく

(あのかどをまがったさきながいかいだんのしたで)

あの角を曲がった先　長い階段の下で

(おはようとかわしたならきょうのはじまり)

”おはよう”と交わしたなら　今日の始まり

(やくそくはにあわないなしぜんとそろうほはばには)

約束は似合わないな　自然と揃う歩幅には

(あのくだらないはなしのつづきをしよう)

あのくだらない話の　続きをしよう

(すこしきまじめなおれだけど)

少しきまじめな俺だけど

(おまえとならかるくわらえるから)

お前となら軽く笑えるから

(いそぐのはおしいのさゆっくりあるこう)

急ぐのは惜しいのさ　ゆっくり歩こう

(ないだかぜのようにたたずむときを)

凪いだ風のように　佇む時間（とき）を

(なんとなくあたたかいっておもうんだ)

なんとなく温かいって思うんだ

(そうはいわずにのぼるかいだんの)

そうは言わずに　上る階段の

(むこうからあさのひがおれたちをてらす)

向こうから朝の陽が　俺たちを照らす

(なにもかわらないきょうもふたりでそっと)

なにも変わらない今日も二人でそっと

(わらいごえをころがそう)

笑い声を転がそう

(けんかしてたいちにちはだれかのせいだったけど)

けんかしてた一日は　誰かのせいだったけど

(ごめんとちゃんというからおわりにしよう)

”ごめん”とちゃんと言うから　終わりにしよう

(おれたちににあわないさあんなどなりあいなんて)

俺たちに似合わないさ　あんな怒鳴り合いなんて

(あのくだらないはなしをもういちどしよう)

あのくだらない話を　もう一度しよう

(めんどくさがりなおれだけど)

めんどくさがりな俺だけど

(おまえがいなきゃやっぱちがうから)

お前がいなきゃやっぱ違うから

(なくせはしないきずなまたむすびなおそう)

失くせはしない絆　また結び直そう

(ちいさなはなのようにささやかなほど)

小さな花のように　ささやかなほど

(それこそがかけがえないっておもうんだ)

それこそがかけがえないって　思うんだ

(そうはいわずにくだるかいだんの)

そうは言わずに　下る階段の

(しょうめんのゆうやけがおれたちをつつむ)

正面の夕焼けが　俺たちを包む

(なにもかわらないあすもふたりできっと)

なにも変わらない明日も二人できっと

(ちいさなはなみつけよう)

小さな花見つけよう

(なんびゃくどめのつうがくろを)

何百度目の通学路を

(ふたりたいくつをけとばしゆけば)

二人退屈を蹴飛ばし行けば

(なにもないこのときもおもいでにかわる)

なにもないこの時間（とき）も　思い出に変わる

(ないだかぜのようにたたずむときを)

凪いだ風のように　佇む時間（とき）を

(これからもずっとつづけてゆくんだろう)

これからもずっと続けてゆくんだろう

(まだみえないながいかいだんの)

まだ見えない　長い階段の

(そのさきもそのさきもとおいあすまでも)

その先もその先も　遠い明日までも

(なにもかわらないきょうもふたりでそっと)

なにも変わらない今日も二人でそっと

(わらいごえころがしてゆく)

笑い声転がしてゆく

(ないだかぜがふいてゆく)

凪いだ風が吹いてゆく