空を歩く男 -3-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文
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(へいじつにひるまにそのばしょにたっているとへんなかんじだ。)
平日に昼間にその場所に立っていると変な感じだ。
(はんかがいのなかでものみやのおおいあたりだ。)
繁華街の中でも飲み屋の多いあたりだ。
(けんきゅうしつやさーくるのせんぱいにつれられてよるにうろつくことはあったが、)
研究室やサークルの先輩につれられて夜にうろつくことはあったが、
(ひるまはまたべつのかおをしているようにかんじられた。)
昼間はまた別の顔をしているように感じられた。
(おもてどおりとくらべてひとどおりもすくなく、みせもしゃったーがしまっているところがおおい。)
表通りと比べて人通りも少なく、店もシャッターがしまっている所が多い。
(みちはばもせまく、すこしさびしいとおりだった。)
道幅も狭く、少し寂しい通りだった。
(なるほど。どのびるもおおどおりにあるびるほどはたかくない。)
なるほど。どのビルも大通りにあるビルほどは高くない。
(よくてよんかい、ごかいというところか。)
良くて四階、五階というところか。
(きいたはなしからそうぞうすると、このとうざいのとおりのじょうくうをななめにおうだんするかたちで)
聞いた話から想像すると、この東西の通りの上空を斜めに横断する形で
(おとこはあるいている。)
男は歩いている。
(おそらくはほくとうからなんせいへぬけるように。)
恐らくは北東から南西へ抜けるように。
(そのしゅういをかんさつしたが、とくににんげんとみまちがえそうなあどばるーんや)
その周囲を観察したが、特に人間と見間違えそうなアドバルーンや
(かんばんのたぐいはみあたらなかった。)
看板の類は見当たらなかった。
(とうぜんひるまからそれらしいものがみえるわけもなく、)
当然昼間からそれらしいものが見えるわけもなく、
(ぼくはちかくのきっさてんやほんやでひがくれるまでのあいだ、じかんをつぶした。)
僕は近くの喫茶店や本屋で日が暮れるまでの間、時間をつぶした。
(たいようがしずみ、かいしゃいんたちがしごとをおえてまちにくりだしはじめると、)
太陽が沈み、会社員たちが仕事を終えて街に繰り出し始めると、
(このあたりはにわかにかっきづいてくる。)
このあたりは俄かに活気づいてくる。
(みせののきさきにあかりがともり、ようきなはなしごえがおうらいにひびきはじめる。)
店の軒先に明かりが灯り、陽気な話し声が往来に響き始める。
(そのゆきかうひとびとのむれのなかでひとりたちどまり、じっとそらをみていた。)
その行き交う人々の群れの中で一人立ち止まり、じっと空を見ていた。
(くもっているのかつきのひかりはほとんどなく、)
曇っているのか月の光はほとんどなく、
など
(よぞらのむこうにそれらしいかげはまったくみえなかった。)
夜空の向こうにそれらしい影はまったく見えなかった。
(かりに・・・・・とそうぞうする。)
仮に・・・・・と想像する。
(このとうざいのとおりでへりうむがじゅうまんしたふうせんをもち、)
この東西の通りでヘリウムが充満した風船を持ち、
(そのひもがじゅうめーとるいじょうあったら。)
その紐が十メートル以上あったら。
(そのふうせんがにんげんをもしたかたちをしていたら。)
その風船が人間を模した形をしていたら。
(そしてひもがいっぽんではなく、)
そして紐が一本ではなく、
(りょうあしのさきにいっぽんずつそれぞれくっついていたとしたら。)
両足の先に一本ずつそれぞれくっついていたとしたら。
(したからひもをあやつることでひとがたのふうせんがまるであるいているようにみえないだろうか。)
下から紐を操ることで人型の風船がまるで歩いているように見えないだろうか。
(きょうとおなじようにつきあかりもなく、したからきょうれつなてらすようなこうげんも)
今日と同じように月明かりもなく、下から強烈な照らすような光源も
(なければ、しゅういのびるよりもはるかにたかいばしょにあるそのふうせんを、)
なければ、周囲のビルよりも遥かに高い場所にあるその風船を、
(ほんもののひとかげのようにさっかくしてしまうことがあるのでないだろうか。)
本物の人影のように錯覚してしまうことがあるのでないだろうか。
(そのひとかげにきづいたひとはおどろくだろう。)
その人影に気づいた人は驚くだろう。
(そしてそちらにばかりきをとられ、)
そしてそちらにばかり気をとられ、
(そのましたのざっとうでふしんなうごきをしているじんぶつにはきづかないにちがいない。)
その真下の雑踏で不審な動きをしている人物には気づかないに違いない。
(だれがなぜそんなことを?というあらたなぎもんがはっせいするが、)
誰がなぜそんなことを?という新たな疑問が発生するが、
(とりあえずはこれでさいげんがかのうだというめぼしはついた。)
とりあえずはこれで再現が可能だという目星はついた。
(けっきょくそのあとしょういちじかんほどうろうろしてから、)
結局その後小一時間ほどうろうろしてから、
(あきてしまったのでそのひはそれでかえったのだった。)
飽きてしまったのでその日はそれで帰ったのだった。
(つぎのひ、ししょうにそのことをほうこくすると、あきれたかおをされた。)
次の日、師匠にそのことを報告すると、呆れた顔をされた。
(「じょうほうしゅうしゅうがたらないな」)
「情報収集が足らないな」
(「え?」)
「え?」
(「ふうせんかもしれないなんて、だれでもおもいつくよ」)
「風船かも知れないなんて、誰でも思いつくよ」
(ししょうはじぶんのこめかみにとんとんをゆびでたたいてみせる。)
師匠は自分のこめかみにトントンを指で叩いて見せる。
(「だいたいひとかげは、さいしゅうてきにとおりのびるをこえてそのむこうにきえてるんだ。)
「だいたい人影は、最終的に通りのビルを超えてその向こうに消えてるんだ。
(したからあやつっているふうせんでどうさいげんする?」)
下から操っている風船でどう再現する?」
(あ。)
あ。
(そのことをしつねんしていた。いまさらそれをおもいだしてあせる。)
そのことを失念していた。今さらそれを思い出して焦る。
(「ちゃんとうわさをあつめていけば、そのひとかげをみたにんげんがのろわれて、)
「ちゃんと噂を集めていけば、その人影を見た人間が呪われて、
(たかいところからおちてけがをするというてんぷれーとなごじつたんが、)
高いところから落ちて怪我をするというテンプレートな後日譚が、
(べつのうわさがへんけいしてうまれたものだときがつくはずなんだ」)
別の噂が変形して生まれたものだと気がつくはずなんだ」
(「べつのうわさ?」)
「別の噂?」
(そらをあるくおとこのはなしにはいくつかのばーじょんがあるのだろうか。)
空を歩く男の話にはいくつかのバージョンがあるのだろうか。
(「あのとおりでは、てんらくししたひとがおおいんだよ。)
「あの通りでは、転落死した人が多いんだよ。
(のみおくがいのざっきょびるばかりだ。よっぱらってかいだんからあしをふみはずしたり、)
飲み屋外の雑居ビルばかりだ。酔っ払って階段から足を踏み外したり、
(ひくいてすりからみをのりだしてしたのどうろにらっかしたり。)
低い手すりから身を乗り出して下の道路に落下したり。
(なんねんかにいちどはそんなことがある。)
何年かに一度はそんなことがある。
(そんなしにかたをしたにんげんのれいが、よるのまちのそらをさまよっているんだと、)
そんな死に方をした人間の霊が、夜の街の空をさまよっているんだと、
(そういううわさがあるんだ」)
そういう噂があるんだ」
(しまった。)
しまった。
(たったふたりからきいて、それがすべてだとおもってしまった。)
たった二人から聞いて、それがすべてだと思ってしまった。
(かいだんばなしなど、さまざまなばりえーしょんがあってしかるべきなののい。)
怪談話など、様々なバリエーションがあってしかるべきなののい。
(あといちどしかおわないぞ。そうまえおきして、)
あと一度しか追わないぞ。そう前置きして、
(ししょうは「そらをあるくおとこをみてこい」といった。)
師匠は「空を歩く男をみてこい」と言った。
(「はい」)
「はい」
(なさけないきもちで、そうへんじをするしかなかった。)
情けない気持ちで、そう返事をするしかなかった。