桜雨 -18-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文
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(それからなんねんかしてひろさんはしんせつなひとにちいさなさくらのなえぎをもらった。)
それから何年かしてヒロさんは親切な人に小さな桜の苗木をもらった。
(それをこうえんのすみにうえた。そしてほかのくさやきにえいようをとられないように、)
それを公園の隅に植えた。そして他の草や木に栄養を取られないように、
(きをつけながらすこしずつそだっていくのをみまもってきた。)
気をつけながら少しずつ育っていくのを見守ってきた。
(それがいま、ひろさんのせたけをこえるほどになって、)
それが今、ヒロさんの背丈を超えるほどになって、
(こうえんのすみにちいさなえだをのばしている。)
公園の隅に小さな枝を伸ばしている。
(へっても、かえってくる。だから、ふたりで、さいたさくらをもういちど、ここでみる。)
へっても、かえってくる。だから、二人で、咲いた桜をもう一度、ここで見る。
(そんなやくそくを、むかししたきがする。)
そんな約束を、昔した気がする。
(どもりながら、なにかにとりつかれたかのようにとつとつとかたる、)
どもりながら、なにかに取り憑かれたかのように訥々と語る、
(ひろさんのものがたりがおわった。)
ヒロさんの物語が終わった。
(まわりにいたなんにんかのじょしせいとがなみだをうかべている。)
周りにいた何人かの女子生徒が涙を浮かべている。
(こえをあげてないているこもいた。)
声を上げて泣いている子もいた。
(かつてひろさんが、たったいちどだけあったじょせいとたいせつなやくそくをかわした)
かつてヒロさんが、たった一度だけ会った女性と大切な約束を交わした
(そのばしょにわたしたちはたっていた。)
その場所に私たちは立っていた。
(よしながもないていた。じめんにつっぷして。)
吉永も泣いていた。地面に突っ伏して。
(ざびえるがはなしおえたひろさんのてをとった。)
ザビエルが話し終えたヒロさんの手を取った。
(そしてそのてをむなもとにひきよせ、いのるようにそっとめをとじる。)
そしてその手を胸元に引き寄せ、祈るようにそっと目を閉じる。
(そのくちびるからやわらかなことばがつむがれる。)
その唇からやわらかな言葉が紡がれる。
(「こころのまずしいものはさいわいです。てんのくにはそのひとのものでしょう。)
「心の貧しいものは幸いです。天の国はその人のものでしょう。
(かなしむものはさいわいです。そのひとはなぐさめられるでしょう。)
悲しむものは幸いです。その人は慰められるでしょう。
(にゅうわなものはさいわいです。そのひとはちをそうぞくするでしょう。)
柔和なものは幸いです。その人は地を相続するでしょう。
など
(ぎにうえかわいているものはさいわいです。そのひとはみちたりるでしょう。)
義に飢え渇いているものは幸いです。その人は満ち足りるでしょう。
(あわれみふかいものはさいわいです。そのひとはあわれみをうけるでしょう。)
あわれみ深いものは幸いです。その人はあわれみを受けるでしょう。
(こころのきよいものはさいわいです。そのひとはかみをみるでしょう。)
心のきよいものは幸いです。その人は神を見るでしょう。
(へいわをつくるものはさいわいです。そのひとはかみのこどもとよばれるでしょう」)
平和をつくるものは幸いです。その人は神の子どもと呼ばれるでしょう」
(そしてめをあき、ひろさんのひとみをみつめてこういった。)
そして目を開き、ヒロさんの瞳を見つめてこう言った。
(「ぎのためにはくがいされているものはさいわいです。てんのくにはそのひとのものなのだから」)
「義のために迫害されている物は幸いです。天の国はその人のものなのだから」
(そこだけときがとまったかのように、わたしにはおもえた。)
そこだけ時が止まったかのように、私には思えた。
(ざびえるのあだなのいみをいまさらのようにおもいだす。)
ザビエルのあだ名の意味を今さらのように思い出す。
(ふらんしすこ・ざびえる。じゅうろくせいきににほんへやってきたかとりっくのせんきょうし。)
フランシスコ・ザビエル。十六世紀に日本へやってきたカトリックの宣教師。
(にほんじんならだれでもしっているようなにほんしをいろどるゆうめいじんだ。)
日本人なら誰でも知っているような日本史を彩る有名人だ。
(そのせんじんをなぞらえたあだなは、ねっしんなきりすときょうとであり、)
その先人をなぞらえたあだ名は、熱心なキリスト教徒であり、
(それをがっこうでもこうげんしてはばからないことからつけられたものだった。)
それを学校でも公言してはばからないことからつけられたものだった。
(せいとのあいだにも、そのおしえにちなんだせっきょうをすることでしられていた。)
生徒の間にも、その教えにちなんだ説教をすることで知られていた。
(もっとも、わたしたちにはどれもやぼったい、)
もっとも、私たちにはどれもやぼったい、
(にたようなおせっきょうにしかおもえなかったのだが。)
似たようなお説教にしか思えなかったのだが。
(なのに、いまひろさんのてをにぎりながらくちにしたことばはどれも、)
なのに、今ヒロさんの手を握りながら口にした言葉はどれも、
(とてもうつくしくきこえた。)
とても美しく聞こえた。
(「やく、そく」)
「やく、そく」
(ひろさんがそうつぶやいた。)
ヒロさんがそう呟いた。
(めにはおおつぶのなみだがこぼれている。)
目には大粒の涙がこぼれている。
(ひろさんはてにしたかぎをざびえるにわたそうとしていた。)
ヒロさんは手にした鍵をザビエルに渡そうとしていた。
(「え?」ざびえるはとまどってそれをうけとれないでいる。)
「え?」ザビエルは戸惑ってそれを受け取れないでいる。
(「かえってきた」)
「かえってきた」
(ひろさんはぼろぼろとなみだをながしながら、たしかにそういった。)
ヒロさんはぼろぼろと涙を流しながら、確かにそう言った。
(そしてこうえんのすみにあるいっぽんのやせたきをふるえるゆびでさししめす。)
そして公園の隅にある一本の痩せた気を震える指でさし示す。
(くろいじゅひ。はるだというのに、すっかりはながちってしまっているそのき。)
黒い樹皮。春だというのに、すっかり花が散ってしまっているその木。
(いや、あった。のこっていた。)
いや、あった。残っていた。
(えだのさきに、いわれないときづかないようなちいさなはなびらが、それでもけんめいに。)
枝の先に、言われないと気づかないような小さな花びらが、それでも懸命に。
(そのときわたしは、ざびえるもいま、あかいふくをきていることをはじめてにんしきした。)
その時私は、ザビエルも今、赤い服を着ていることを初めて認識した。
(どろにまみれているが、たしかにあかいふくだった。そして・・・・・)
泥にまみれているが、確かに赤い服だった。そして・・・・・
(ひろさんのなみだでしんだしかいのなかで、いまきっとざびえるのことが、)
ヒロさんの涙で滲んだ視界の中で、今きっとザビエルのことが、
(あのいつかであったかみのながいじょせいにみえているのだろう。)
あのいつか出会った髪の長い女性に見えているのだろう。
(あのころのままの、やさしいえがおをして。)
あのころのままの、優しい笑顔をして。
(そうにちがいない。)
そうに違いない。