テレビ -6-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 8054 | 神 | 8.1 | 98.7% | 291.9 | 2381 | 30 | 49 | 2026/06/24 |
| 2 | Jyo | 6499 | S | 6.6 | 97.7% | 358.5 | 2386 | 56 | 49 | 2026/06/24 |
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問題文
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(「こんどはこのかたちをさんにんでさいげんする。さっきとおなじように、)
「今度はこの形を三人で再現する。さっきと同じように、
(へやのなかからはみえないいちのふすまのうらがわに、ふたりのにんげんをはいちする。)
部屋の中からは見えない位置の襖の裏側に、二人の人間を配置する。
(で、こんどはせなかをふすまにつけたじょうたいでうでをのばす。)
で、今度は背中を襖につけた状態で腕を伸ばす。
(するとぎゃくてでふすまにゆびをさしいれることになる。)
すると逆手で襖に指をさし入れることになる。
(まんなかにたっているにんげんがふすまをあけようとするのとおなじゆびのかたちだ。)
真ん中に立っている人間が襖を開けようとするのと同じ指の形だ。
(でもめだまをのぞかせるやくと、てのもちぬしがべつだから、きもちのわるいことができる」)
でも目玉を覗かせる役と、手の持ち主が別だから、気持ちの悪いことができる」
(ししょうはぼくをたたせて「ぎょろめやくだ」といったあと、)
師匠は僕を立たせて「ギョロ目役だ」と言ったあと、
(じぶんはぼくのほうをむいたままみぎよこにたってかたてをのばす。)
自分は僕の方を向いたまま右横に立って片手を伸ばす。
(ちょうどぼくのむねのあたりにみぎてのゆびがきている。)
ちょうど僕の胸のあたりに右手の指が来ている。
(「すー」といいながらそのゆびをじぶんのほうにひき、)
「すー」と言いながらその指を自分の方にひき、
(「そら、ひらいたぞ、めだ」とあいずした。)
「そら、開いたぞ、目だ」と合図した。
(ぼくはかっとめをみひらいて、こじまだかなかじまだかおおしまだかというなまえの)
僕はカッと目を見開いて、小島だか中島だか大島高という名前の
(りんじんのほうをにらみつけた。)
隣人の方を睨みつけた。
(こころなしかびくりとしたようだった。)
心なしかびくりとしたようだった。
(するとつぎのしゅんかん、ししょうはそのかっこうのまますとんとそのばにしゃがみこんだ。)
すると次の瞬間、師匠はその格好のままストンとその場にしゃがみこんだ。
(うではのび、ゆびはかぎをつくったままゆかのうえにおちている。)
腕は伸び、指は鉤を作ったまま床の上に落ちている。
(「へやのなかからはどうみえる」)
「部屋の中からはどう見える」
(「かおがおなじいちでめをみひらいたまま、うでだけがしたにおちています」)
「顔が同じ位置で目を見開いたまま、腕だけが下に落ちています」
(ふすまがそこにあるというぜんていのもとにりんじんがこたえた。)
襖がそこにあるという前提の元に隣人が答えた。
(なるほど、ひらききっていないふすまのうらがわでそんなとりっくをつかわれているとは)
なるほど、開ききっていない襖の裏側でそんなトリックを使われているとは
など
(おもいもしないひとなら、そうとうおどろくだろう。)
思いもしない人なら、相当驚くだろう。
(じんたいのこうぞうじょう、ありえないうごきだからだ。)
人体の構造上、ありえない動きだからだ。
(もちろんふすまからのぞくとかおとてがおなじじんぶつのものだとしてだ。)
もちろん襖から覗くと顔と手が同じ人物のものだとしてだ。
(「さんにんじゃなく、ふたりでもできるな。かたほうのてだけがたにんのものだとしても、)
「三人じゃなく、二人でもできるな。片方の手だけが他人のものだとしても、
(いろいろおどろかすばりえーしょんができそうだ。りょうほうみぎてとかな」)
色々驚かすバリエーションができそうだ。両方右手とかな」
(そういってにやにやしている。)
そう言ってニヤニヤしている。
(こういうわるだくみをさせたらほんとうにいきいきしてくるので、おもしろいひとだ。)
こういう悪だくみをさせたら本当に生き生きしてくるので、面白い人だ。
(そんなほほえましいきもちでいると、ししょうはこちらをむいて)
そんな微笑ましい気持ちでいると、師匠はこちらを向いて
(またりょうひじをはったぽーずをとった。)
また両肘を張ったポーズを取った。
(「おい。たねをしったからってあんしんしてるなよ。)
「おい。タネを知ったからって安心してるなよ。
(わたしがしんだら、これをさかてにとって、とりっくとおもわせておいて)
わたしが死んだら、これを逆手に取って、トリックと思わせておいて
(じつはほんもの、っていうでかたをしてやるからな」)
実はホンモノ、っていう出方をしてやるからな」
(そこいじのわるそうなかおでぼくらのかおをじゅんにみる。)
底意地の悪そうな顔で僕らの顔を順に見る。
(「ちょっとまってください。てがおちるとかそれいぜんに、)
「ちょっと待ってください。手が落ちるとかそれ以前に、
(しんでるんですよね?ふすまからかおがでたじてんでゆうれいなんですけど」)
死んでるんですよね?襖から顔が出た時点で幽霊なんですけど」
(ぼくのしてきに、うでぐみをしてうなりはじめる。)
僕の指摘に、腕組みをして唸り始める。
(「でたじてんでゆうれいか」)
「出た時点で幽霊か」
(「ゆうれいです」)
「幽霊です」
(「なんのくふうもないのに、ゆうれいだというだけでおどろくかな」)
「なんの工夫もないのに、幽霊だというだけで驚くかな」
(「おどろきますね」)
「驚きますね」
(ぼくらのかいわをりんじんがおもしろそうにきいている。)
僕らの会話を隣人が面白そうに聞いている。
(「ていうかしなないでください」)
「ていうか死なないでください」
(さいごにぼくがそうつっこむと、ししょうはふっ、といきをはいてぽつりといった。)
最後に僕がそう突っ込むと、師匠はふっ、と息を吐いてぽつりと言った。
(「しんだあとのほうがおもしろそうだ」)
「死んだあとの方が面白そうだ」
(そのことばをきいたしゅんかん、ぼくのあしもとからあたまのさきへ、とてもいやなものがはしりぬけた。)
その言葉を聞いた瞬間、僕の足元から頭の先へ、とても嫌なものが走り抜けた。
(こうかいであり、かなしみであり、)
後悔であり、悲しみであり、
(じぶんがただのいしころになったようなむりょくさでもあった。)
自分がただの石ころになったような無力さでもあった。
(ぼくはそのばにすわりこんでしまいそうなだつりょくかんとたたかいながら、)
僕はその場に座り込んでしまいそうな脱力感と闘いながら、
(このひととはじめてあったときのことをおもいだしていた。)
この人と初めて会った時のことを思い出していた。