小説長文7!

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投稿者投稿者まりとっつぉ🎐いいね0お気に入り登録
プレイ回数18難易度(3.1) 2032打 長文
今回は恋愛小説系です!「君が忘れた約束」
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!

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(こうこうさいごのなつ。) 高校最後の夏。 (ぼくはまいにち、えきまえのちいさなきっさてんにかよっていた。) 僕は毎日、駅前の小さな喫茶店に通っていた。 (りゆうはこーひーでも、みせのふんいきでもない。) 理由はコーヒーでも、店の雰囲気でもない。 (そこに、かのじょがいたからだ。) そこに、彼女がいたからだ。 (なまえはみつき。) 名前は美月。 (おなじがっこうのひとつうえのせんぱいだった。) 同じ学校の一つ上の先輩だった。 (いつもまどぎわのせきでほんをよんでいて、はなしかけるゆうきなんてなかった。) いつも窓際の席で本を読んでいて、話しかける勇気なんてなかった。 (でも、あるあめのひ。) でも、ある雨の日。 (みせをでようとしたぼくに、かのじょがこえをかけた。) 店を出ようとした僕に、彼女が声をかけた。 (「かさ、わすれてるよ。」) 「傘、忘れてるよ。」
(ふりかえると、みつきがぼくのかさをもってたっていた。) 振り返ると、美月が僕の傘を持って立っていた。 (「あ...ありがとうございます。」) 「あ...ありがとうございます。」 (「なまえは?」) 「名前は?」 (「ゆうです。」) 「悠です。」 (「じゃあ、ゆうくんだね。」) 「じゃあ、悠くんだね。」 (たったそれだけのかいわだった。) たったそれだけの会話だった。 (でも、そのひからぼくのまいにちはすこしかわった。) でも、その日から僕の毎日は少し変わった。 (きっさてんへいけば、みつきをはなす。) 喫茶店へ行けば、美月を話す。 (すきなほんのはなし。) 好きな本の話。 (しょうらいのはなし。) 将来の話。
など
(くだらないがっこうのはなし。) くだらない学校の話。 (きづけば、ぼくたちはまいにちあうようになっていた。) 気づけば、僕たちは毎日会うようになっていた。 (あるひ、みつきがいった。) ある日、美月が言った。 (「わたしね、らいねんこのまちをでるんだ。」) 「私ね、来年この町を出るんだ。」 (むねがすこしいたんだ。) 胸が少し痛んだ。 (「どこにいくんですか?」) 「どこに行くんですか?」 (「とおいところ。」) 「遠いところ。」 (「さびしくないんですか?」) 「寂しくないんですか?」 (みつきはすこしわらった。) 美月は少し笑った。 (「さびしいよ。」) 「寂しいよ。」 (そのことばが、なぜかうれしかった。) その言葉が、なぜか嬉しかった。 (じぶんだけがさびしいわけじゃないとおもえたから。) 自分だけが寂しいわけじゃないと思えたから。 (なつまつりのひ。) 夏祭りの日。 (ぼくはゆうきをだしてつたえた。) 僕は勇気を出して伝えた。 (「すきです。」) 「好きです。」 (みつきはおどろいたかおをした。) 美月は驚いた顔をした。 (そして、やさしくわらった。) そして、優しく笑った。 (「ありがとう。」) 「ありがとう。」 (そのつづきのことばを、ぼくはまった。) その続きの言葉を、僕は待った。 (でもかのじょはいわなかった。) でも彼女は言わなかった。 (ただ、こうつづけた。) ただ、こう続けた。 (「もし、じゅうねんごも、まだわたしのことをおぼえていたら...またあおう。」) 「もし、十年後も、まだ私のことを覚えていたら...また会おう。」 (やくそくだった。) 約束だった。 (でも、どこかかなしいやくそくだった。) でも、どこか悲しい約束だった。 (つぎのひ。) 次の日。 (みつきはまちからいなくなった。) 美月は町からいなくなった。 (れんらくさきもしらなかった。) 連絡先も知らなかった。 (ぼくはなんどもこうかいした。) 僕は何度も後悔した。 (もっとはなせばよかった。) もっと話せばよかった。 (もっときもちをつたえればよかった。) もっと気持ちを伝えればよかった。 (じかんだけがすぎた。) 時間だけが過ぎた。 (じゅうねんご。) 十年後。 (ぼくはぐうぜん、あのきっさてんをおとずれた。) 僕は偶然、あの喫茶店を訪れた。 (みせはむかしのままだった。) 店は昔のままだった。 (まどぎわのせき。) 窓際の席。 (そこに、ひとりのじょせいがすわっていた。) そこに、一人の女性が座っていた。 (ほんをよんでいる。) 本を読んでいる。 (みおぼえのあるよこがお。) 見覚えのある横顔。 (ぼくのあしがとまる。) 僕の足が止まる。 (「...みつき?」) 「...美月?」 (じょせいはゆっくりかおをあげた。) 女性はゆっくり顔を上げた。 (そして、すこしこまったようにわらった。) そして、少し困ったように笑った。 (「やっぱり、おぼえてたんだ。」) 「やっぱり、覚えてたんだ。」 (ぼくはなにもいえなかった。) 僕は何も言えなかった。 (ただなみだがでた。) ただ涙が出た。 (みつきはしずかにいった。) 美月は静かに言った。 (「わたしね、あのひからずっとまってた。」) 「私ね、あの日からずっと待ってた。」 (「でも、あえないとおもってた。」) 「でも、会えないと思ってた。」 (「だから...うれしい。」) 「だから...嬉しい。」 (ぼくはきづいた。) 僕は気付いた。 (かのじょがまっていたのは、じゅうねんまえのこくはくのこたえじゃない。) 彼女が待っていたのは、十年前の告白の答えじゃない。 (やくそくをおぼえているひとだった。) 約束を覚えている人だった。 (まどのそとでは、あのひとおなじようにあめがふっていた。) 窓の外では、あの日と同じように雨が降っていた。 (みつきがわらう。) 美月が笑う。 (「こんどは、かさわすれないでね。」) 「今度は、傘忘れないでね。」 (ぼくはわらった。) 僕は笑った。 (「こんどは、わすれない。」) 「今度は、忘れない。」 (じゅうねんまえにはじまったこいは、おわっていなかった。) 十年前に始まった恋は、終わっていなかった。 (ただ、もういちどはじまるひをまっていただけだった。) ただ、もう一度始まる日を待っていただけだった。
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