小説長文9! 第二話

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投稿者投稿者白鮮まり @まりとっつぉ🎐 🩵❄️🪽✨いいね0お気に入り登録
プレイ回数5難易度(3.3) 2241打 長文
恋愛小説系です!「雨音に紛れた恋」第二話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!

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問題文

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(あのひから、わたしはかみやみなとというだんしをすこしだけきにするようになった。) あの日から、私は神谷湊という男子を少しだけ気にするようになった。 (あさ、きょうしつにはいると、ついかれのすがたをさがしてしまう。) 朝、教室に入ると、つい彼の姿を探してしまう。 (みなとはいつもまどぎわのせきにすわり、しずかにほんをよんでいた。) 湊はいつも窓際の席に座り、静かに本を読んでいた。 (「おはよう。」) 「おはよう。」 (わたしがこえをかけると、みなとはかおをあげる。) 私が声をかけると、湊は顔を上げる。 (「......おはよう。」) 「......おはよう。」 (あいかわらずそっけない。) 相変わらず素っ気ない。 (でも、きのうまでとはちがって、そのこえがすこしうれしくかんじた。) でも、昨日までとは違って、その声が少し嬉しく感じた。 (やすみじかん、わたしはともだちとはなしながらなんどもみなとをみる。) 休み時間、私は友達と話しながら何度も湊を見る。 (だれかとはなすわけでもなく、ただしずかにほんをよんでいる。) 誰かと話すわけでもなく、ただ静かに本を読んでいる。
(「さな、さっきからかみやくんみてない?」) 「紗奈、さっきから神谷くん見てない?」 (「みてないよ。」) 「見てないよ。」 (はんしゃてきにひていした。) 反射的に否定した。 (「ふーん。」) 「ふーん。」 (ともだちはいみありげにわらった。) 友達は意味ありげに笑った。 (わたしはごまかすように、きょうかしょをひらいた。) 私は誤魔化すように、教科書を開いた。 (ひるやすみになると、みなとはひとりできょうしつをでていった。) 昼休みになると、湊は一人で教室を出ていった。 (きになったわたしは、すこしおくれてそのあとをおった。) 気になった私は、少し遅れてその後を追った。 (むかったさきは、こうしゃうらにあるちいさなべんちだった。) 向かった先は、校舎裏にある小さなベンチだった。 (みなとはそこでひとり、ちゅうしょくをたべていた。) 湊はそこで一人、昼食を食べていた。
など
(「......ここにいたんだ。」) 「......ここにいたんだ。」 (こえをかけると、みなとがかおをあげる。) 声をかけると、湊が顔を上げる。 (「あさくら。」) 「朝倉。」 (「ひとりでたべてるの?」) 「一人で食べてるの?」 (「いつもそうだけど。」) 「いつもそうだけど。」 (「さびしくないの?」) 「寂しくないの?」 (「べつに。」) 「別に。」 (わたしはすこしまよったあと、かれのむかいにすわった。) 私は少し迷ったあと、彼の向かいに座った。 (「じゃあ、きょうはわたしもここでたべる。」) 「じゃあ、今日は私もここで食べる。」 (「......なんで?」) 「......なんで?」 (「なんとなく。」) 「なんとなく。」 (みなとはふしぎそうなかおをした。) 湊は不思議そうな顔をした。 (それでも、おいかえすことはなかった。) それでも、追い返すことはなかった。 (しばらくふたりでだまってたべる。) しばらく二人で黙って食べる。 (きまずいとおもっていたのに、いがいとおちついた。) 気まずいと思っていたのに、意外と落ち着いた。 (「かみやくんって、いつもひとりだよね。」) 「神谷くんって、いつも一人だよね。」 (「そうだな。」) 「そうだな。」 (「ともだち、いないの?」) 「友達、いないの?」 (「いるよ。」) 「いるよ。」 (「いるんだ。」) 「いるんだ。」 (おもわずおどろいた。) 思わず驚いた。 (「ただ、ひつよういじょうにはなさないだけ。」) 「ただ、必要以上に話さないだけ。」 (「ふーん。」) 「ふーん。」 (すこしだけ、かれのことがわかったきがした。) 少しだけ、彼のことが分かった気がした。 (「あさくらは、よくしゃべるな。」) 「朝倉は、よくしゃべるな。」 (「わるかったね。」) 「悪かったね。」 (「わるいとはいってない。」) 「悪いとは言ってない。」 (みなとがほんのすこしわらった。) 湊がほんの少し笑った。 (わたしはめをまるくした。) 私は目を丸くした。 (「いま、わらった?」) 「今、笑った?」 (「わらってない。」) 「笑ってない。」 (「ぜったいわらった。」) 「絶対笑った。」 (「きのせい。」) 「気のせい。」 (はじめてみる、かれのやわらかいひょうじょうだった。) 初めて見る、彼の柔らかい表情だった。 (そのひのほうかご、わたしはきょうしつにわすれものをとりにもどった。) その日の放課後、私は教室に忘れ物を取りに戻った。 (すると、みなとがひとりでこくばんをけしていた。) すると、湊が一人で黒板を消していた。 (「なにしてるの?」) 「何してるの?」 (「とうばん。」) 「当番。」 (「ひとりで?」) 「一人で?」 (「ほかのやつはさきにかえった。」) 「他のやつは先に帰った。」 (「てつだおうか?」) 「手伝おうか?」 (「いい。」) 「いい。」 (「でも、もうすこしでおわるでしょ。」) 「でも、もう少しで終わるでしょ。」 (「......じゃあ、たのむ。」) 「......じゃあ、頼む。」 (ふたりでこくばんをけす。) 二人で黒板を消す。 (くだらないはなしをしながらさぎょうをしていると、ふしぎとじかんがはやくすぎていった。) くだらない話をしながら作業をしていると、不思議と時間が早く過ぎていった。 (「じゃあ、またあした。」) 「じゃあ、また明日。」 (「うん。」) 「うん。」 (かみやくんは、こわいひとなんかじゃない。) 神谷くんは、怖い人なんかじゃない。 (ただ、ひとづきあいがにがてで、ぶきようなだけなのかもしれない。) ただ、人付き合いが苦手で、不器用なだけなのかもしれない。 (そしてよくじつから、わたしはすこしずつかれにはなしかけるようになった。) そして翌日から、私は少しずつ彼に話しかけるようになった。 (あいさつをする。) 挨拶をする。 (ひるやすみにはなす。) 昼休みに話す。 (かえるまえにすこしだけはなす。) 帰る前に少しだけ話す。 (そんなちいさなじかんが、いつのまにかたのしみになっていた。) そんな小さな時間が、いつの間にか楽しみになっていた。 (まだ「すき」なんてきもちはない。) まだ「好き」なんて気持ちはない。 (ただ。) ただ。 (きのうまできらいだったはずのかれが、すこしだけきになるそんざいになっていた。) 昨日まで嫌いだったはずの彼が、少しだけ気になる存在になっていた。
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