ケセラセラ

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投稿者投稿者ぴょんころり  いいね1  お気に入り登録
プレイ回数21  難易度(3.2) 2757打 長文
ポジティブなお話
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 mo 4016 C 4.0 98.2% 672.7 2751 49 98 2026/10/01

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問題文

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(じんせいって、おもっていたよりずっとうまくいかない。) 人生って、思っていたよりずっとうまくいかない。 (こうこうせいのころのわたしは、にじゅうだいになればおとなになって、) 高校生の頃の私は、二十代になれば大人になって、 (さんじゅっさいくらいにはちゃんとしたじんせいをあるいているものだとおもっていた。) 三十歳くらいにはちゃんとした人生を歩いているものだと思っていた。 (じっさいは、ぜんぜんちがった。) 実際は、全然違った。 (しゅうしょくしたかいしゃはさんねんでやめた。) 就職した会社は三年で辞めた。 (つぎのしごとはにんげんかんけいがあわなくていちねんもつづかなかった。) 次の仕事は人間関係が合わなくて一年も続かなかった。 (すきだったひとにはふられた。) 好きだった人には振られた。 (ちょきんはふえない。) 貯金は増えない。 (やりたいことはみつからない。) やりたいことは見つからない。 (まわりのともだちがけっこんしたり、いえをかったりしていくなかで、) 周りの友達が結婚したり、家を買ったりしていく中で、
(じぶんだけがおなじばしょにとりのこされているようなきがした。) 自分だけが同じ場所に取り残されているような気がした。 (あるよる、ははおやにでんわした。) ある夜、母親に電話した。 (「わたし、じんせいしっぱいしたかも」) 「私、人生失敗したかも」 (じぶんでもおどろくくらいよわいこえがでた。) 自分でも驚くくらい弱い声が出た。 (はははすこしだまってから、) 母は少し黙ってから、 (「そう?」) 「そう?」 (といった。) と言った。 (「そうだよ。しごともやめたし、かれしもいないし、おかねもないし」) 「そうだよ。仕事も辞めたし、彼氏もいないし、お金もないし」 (「ふーん」) 「ふーん」 (「なんかいってよ」) 「なんか言ってよ」
など
(するとはははわらった。) すると母は笑った。 (「じゃあ、あしたからがんばればいいじゃん」) 「じゃあ、明日から頑張ればいいじゃん」 (「かんたんにいわないでよ」) 「簡単に言わないでよ」 (「じゃあがんばらなくてもいいよ」) 「じゃあ頑張らなくてもいいよ」 (「.....え?」) 「.....え?」 (「きょうはもうねなさい。あしたのことはあしたかんがえればいい」) 「今日はもう寝なさい。明日のことは明日考えればいい」 (わたしはすこしだけわらった。) 私は少しだけ笑った。 (そんなことでなにかがかいけつしたわけじゃない。) そんなことで何かが解決したわけじゃない。 (でも、そのひはひさしぶりによくねむれた。) でも、その日は久しぶりによく眠れた。 (つぎのひ、めがさめた。) 次の日、目が覚めた。 (なにもかわっていなかった。) 何も変わっていなかった。 (しごともない。) 仕事もない。 (こいびともいない。) 恋人もいない。 (おかねもない。) お金もない。 (じんせいはあいかわらず、うまくいっていない。) 人生は相変わらず、うまくいっていない。 (でも、あさごはんはおいしかった。) でも、朝ご飯はおいしかった。 (てんきもよかった。) 天気も良かった。 (こんびにでかったこーひーがおもったよりおいしかった。) コンビニで買ったコーヒーが思ったよりおいしかった。 (それだけで、) それだけで、 (「まあ、きょうはいいか」) 「まあ、今日はいいか」 (とおもえた。) と思えた。 (それからわたしは、「じんせいをどうにかしよう」とするのをすこしやめた。) それから私は、『人生をどうにかしよう』とするのを少しやめた。 (いちにちでぜんぶかえようとしなくなった。) 一日で全部変えようとしなくなった。 (しごとをさがす。) 仕事を探す。 (だめだったら、またさがす。) 駄目だったら、また探す。 (すきなひとができる。) 好きな人ができる。 (ふられたら、まただれかをすきになる。) 振られたら、また誰かを好きになる。 (しっぱいする。) 失敗する。 (おちこむ。) 落ち込む。 (なく。) 泣く。 (そしてねる。) そして寝る。 (つぎのひになったら、またおきる。) 次の日になったら、また起きる。 (それをくりかえしているうちに、いつのまにかさんねんたっていた。) それを繰り返しているうちに、いつの間にか三年経っていた。 (いま、わたしはむかしよりすこしだけすきなしごとをしている。) 今、私は昔より少しだけ好きな仕事をしている。 (こいびとはいない。) 恋人はいない。 (ちょきんも、まだむねをはれるほどない。) 貯金も、まだ胸を張れるほどない。 (あいかわらずしっぱいもする。) 相変わらず失敗もする。 (このまえなんて、たのしみにしていたりょこうのひにねぼうした。) この前なんて、楽しみにしていた旅行の日に寝坊した。 (さいあくだった。) 最悪だった。 (ほてるについたころにはよていしていたばしょがしまっていた。) ホテルに着いた頃には予定していた場所が閉まっていた。 (わたしはひとりでほてるのへやにすわって、) 私は一人でホテルの部屋に座って、 (「もうぜんぶさいあく!」) 「もう全部最悪!」 (とわらった。) と笑った。 (そしてこんびにでかったぷりんをたべた。) そしてコンビニで買ったプリンを食べた。 (おいしかった。) おいしかった。 (そのしゅんかん、ふとおもった。) その瞬間、ふと思った。 (むかしのわたしは、) 昔の私は、 (「しあわせになるには、じんせいがうまくいかなきゃいけない」) 「幸せになるには、人生が上手くいかなきゃいけない」 (とおもっていた。) と思っていた。 (でも、たぶんちがう。) でも、たぶん違う。 (うまくいかないひにも、しあわせはふつうにおちている。) 上手くいかない日にも、幸せは普通に落ちている。 (あさ、めがさめたこと。) 朝、目が覚めたこと。 (すきなおんがくをきけること。) 好きな音楽を聴けること。 (だれかとくだらないことでわらえること。) 誰かとくだらないことで笑えること。 (おいしいものをたべること。) おいしいものを食べること。 (しっぱいしても、つぎのひがくること。) 失敗しても、次の日が来ること。 (それだけでじゅうぶんなひもある。) それだけで十分な日もある。 (じんせいはたぶん、おもっているよりずっとてきとうでいい。) 人生はたぶん、思っているよりずっと適当でいい。 (よていどおりじゃなくてもいい。) 予定通りじゃなくてもいい。 (とおまわりしてもいい。) 遠回りしてもいい。 (とちゅうでみちをかえてもいい。) 途中で道を変えてもいい。 (ころんだら、すこしやすんでからたてばいい。) 転んだら、少し休んでから立てばいい。 (たてなかったら、きょうはすわっていればいい。) 立てなかったら、今日は座っていればいい。 (だからさいきん、いやなことがあるとわたしはこうおもう。) だから最近、嫌なことがあると私はこう思う。 (「まあ、あしたもあるし」) 「まあ、明日もあるし」 (それでいい。) それでいい。 (なんとかなるかどうかなんて、いまはわからない。) 何とかなるかどうかなんて、今は分からない。 (でも、なんとかならなかったら、そのときまたかんがえればいい。) でも、何とかならなかったら、そのときまた考えればいい。 (じんせいなんて、そのくらいでいいのかもしれない。) 人生なんて、そのくらいでいいのかもしれない。 (きょうがだめだったなら、) 今日が駄目だったなら、 (あしたはすこしましかもしれない。) 明日は少しマシかもしれない。 (あしたもだめだったなら、) 明日も駄目だったなら、 (そのつぎのひがある。) その次の日がある。 (そしてきがついたら、) そして気が付いたら、 (「あのころはたいへんだったね」) 「あの頃は大変だったね」 (ってわらえるひがくるかもしれない。) って笑える日が来るかもしれない。 (だからわたしはきょうも、) だから私は今日も、 (かんぺきじゃないいちにちをいきている。) 完璧じゃない一日を生きている。
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