街

(なんどおこってもこのこはためいきまじりにつぶやくまま)

「何度怒ってもこの子は」　ため息まじりにつぶやくママ

(とんとんとんまないたりずむにのせてきいた)

トントントンまないた　リズムに乗せて聞いた

(おまえはだれににたんだぼくにのえがおでさけのむぱぱ)

「お前は誰に似たんだ」　僕似の笑顔で酒飲むパパ

(いっとっけどまちがいなくふたりにそだてられた)

言っとっけど　間違いなく　二人に育てられた

(がっこうよびだしおやはたじたじぼくはなほじほじ)

学校呼び出し　親はタジタジ　僕鼻ホジホジ

(びんたくらってあたまさげてしたをだして)

ビンタくらって　頭下げて舌を出して

(ろうかもほうかごつうがくろもはしってきた)

廊下も放課後通学路も走ってきた

(おさないころのはるかみらいがきたいま)

幼い頃の遥か未来が来た今

(びるのせがのびてじゃんぐるじむのせちぢんで)

ビルの背が伸びてジャングルジムの背縮んで

(なにこわしたんだろうなにおぼえたんだろうゆうぐれのみちおれのみち)

何壊したんだろう？　何覚えたんだろう？　夕暮れの道　俺の道

(はやくかえってきなさいよがつぎいつかえってくんの)

「早く帰ってきなさいよ」が「次いつ帰ってくんの？」

(しわとしらがふえたあのころのおとな)

シワと白髪増えたあの頃の大人

(なにをしてあそぶがいまなにしてんの)

「何をして遊ぶ？」が「今何してんの？」

(あのころのおとなにくりそつななかま)

あの頃の大人にクリソツな仲間

(あいかわらずなこけっこんしたやつまごできたひとみんなそれぞれ)

相変わらずな子　結婚したヤツ　孫できた人　みんなそれぞれ

(じぶんのいなかからそだったさくらあじさいもみじきたかぜあのゆうひ)

自分の田舎から育った　桜　あじさい　もみじ　北風　あの夕日

(おさないころのはるかみらいがほらいま)

幼い頃の遥か未来がほら今

(あのひろいあきちがいまではぼーるあそびはきんし)

あの広い空き地が今ではボール遊びは禁止

(なにこわしたんだろうなにおぼえたんだろうここにあるまちおれのまち)

何壊したんだろう？　何覚えたんだろう？　ここにある街　俺の街

(つきひかさねてまちなみがうつりかわりみんなもかわり)

月日重ねて　町並みが移り変わり　みんなも変わり

(たまにかえるひるさがりうまいめしにおかわり)

たまに帰る昼下がり　うまい飯に　「おかわり」

(まがりなりにそれなりにいきて)

まがりなりに　それなりに生きて

(じぶんのえてふえてによろこんでめげてないてないでおもいでふえて)

自分の得手不得手に喜んで　めげて泣いてないで思い出増えて

(おさないころのはるかみらいがほらいま)

幼い頃の遥か未来がほら今

(あれからなんにちなんねんなんじゅうねんたったとしても)

あれから何日、何年、何十年たったとしても

(このみちのにおいこのまちのかおりおれたちのみちおれのまち)

この道の匂い　この街の香り　俺たちの道　俺の街