【分割】バイオ：アイバーン　~豊緑の神秘~　２

(すうこうなもくてきのためつきすすむせんだんに)

崇高な目的のため突き進む船団に

(うみはおおなみのきばをむき、おとこたちのとうしをゆるがした。)

海は大波の牙を剥き、男たちの闘志を揺るがした。

(ほんしんしたおくびょうものたちをなんにんもつるぎにかけたあいばーんは)

翻心した臆病者たちを何人も剣にかけたアイバーンは

(せんだんをあいおにあのかいがんにじょうりくさせ、)

船団をアイオニアの海岸に上陸させ、

(ていこうするじもとみんをむじひにきりすてていった。)

抵抗する地元民を無慈悲に切り捨てていった。

(あいおにあじんたちはこうふくし、ふれよるどじんたちを)

アイオニア人たちは降伏し、フレヨルド人たちを

(「おみかやらん（せかいのちゅうしん）」のなでしられるしんせいなこだちへとあんないした。)

「オミカヤラン（世界の中心）」の名で知られる神聖な木立へと案内した。

(あいばーんのてぜいのほとんどは、)

アイバーンの手勢のほとんどは、

(これをせいふくしゃにたいするきょうじゅんをしめすおくりものだとうけとった。)

これを征服者に対する恭順を示す贈り物だと受け取った。

(だが、そのきみょうなみどりのそのでかれらははげしいていこうにあった。)

だが、その奇妙な緑の園で彼らは激しい抵抗に遭った。

(なぞめいたあらたなてきがあらわれた。)

謎めいた新たな敵が現れた。

(はんじんはんじゅうのかいぶつたちがつぎつぎとものかげからおそいかかり、)

半人半獣の怪物たちが次々と物陰から襲いかかり、

(せいふくしゃたちのぐんぜいをすこしずつそいでいった。)

征服者たちの軍勢を少しずつ削いでいった。

(それでもあいばーんはしりぞかずにたたかいつづけた。)

それでもアイバーンは退かずに戦い続けた。

(やがてきずだらけのわずかなぐんぜいのいきのこりは、)

やがて傷だらけのわずかな軍勢の生き残りは、

(あいおにあじんたちがきわめてしんせいなものとしていた「かみやなぎ」)

アイオニア人たちが極めて神聖なものとしていた「カミヤナギ」

(きんりょくのひかりできらめくながいいとはをそよめかすきょぼくをはっけんした。)

金緑の光で煌く長い糸葉をそよめかす巨木を発見した。

(てきのさいごのしゅうげきによっててぜいをみなごろしにされるあいだ、)

敵の最後の襲撃によって手勢を皆殺しにされる間、

(あいばーんはそのしんぴのたいじゅにこころうばわれ、たちつくした。)

アイバーンはその神秘の大樹に心奪われ、立ち尽くした。

(しかしやがて、てきのせんいをくじかんと、)

しかしやがて、敵の戦意を挫かんと、