白痴 5
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問題文
(いざわはこのときにいたってはじめてきちがいであることにきづいたので、)
伊沢はこのときに至って始めて気違いであることに気付いたので、
(このりんじんはときどきかきねからしんにゅうしてきて)
この隣人は時々垣根から侵入してきて
(したてやのぶたごやでざんぱんのばけつを)
仕立屋の豚小屋で残飯のバケツを
(ぶちまけついでにあひるにいしをぶつけ、)
ぶちまけついでに家鴨に石をぶつけ、
(ぜんぜんなにくわぬかおをしてにわとりにえさをやりながら)
全然何食わぬ顔をして鶏に餌をやりながら
(とつぜんけとばしたりするのであったが、)
突然蹴とばしたりするのであったが、
(そうとうのじんぶつとかんがえていたので、)
相当の人物と考えていたので、
(しずかにもくれいなどをとりかわしていたのであった。)
静かに黙礼などを取交していたのであった。
(だが、きちがいとじょうじんとどこがちがっているというのだ。)
だが、気違いと常人とどこが違っているというのだ。
(ちがっているといえば、きちがいのほうがじょうじんよりも)
違っているといえば、気違いの方が常人よりも
(ほんしつてきにつつしみぶかいぐらいのもので、)
本質的に慎み深いぐらいのもので、
(きちがいはわらいたいときにげたげたわらい、)
気違いは笑いたい時にゲタゲタ笑い、
(えんぜつしたいときにえんぜつをやり、)
演説したい時に演説をやり、
(あひるにいしをぶつけたり、)
家鴨に石をぶつけたり、
(にじかんぐらいぶたのかおやしりをつついていたりする。)
二時間ぐらい豚の顔や尻を突ついていたりする。
(けれどもかれらはほんしつてきにはるかにひとめをおそれており、)
けれども彼等は本質的にはるかに人目を怖れており、
(しせいかつのしゅようなぶぶんはとくべつさいしんのちゅういをはらって)
私生活の主要な部分は特別細心の注意を払って
(たにんからぜつえんしようとふしんしている。)
他人から絶縁しようと腐心している。
(もんからぐるりとひとまわりしてげんかんをつけたのもそのためであり、)
門からグルリと一廻りして玄関をつけたのもそのためであり、
(かれらのしせいかつはがいしてものおとがすくなく、)
彼等の私生活は概して物音がすくなく、
(ほかにたいしてむようなるじょうぜつにとぼしく、)
他に対して無用なる饒舌に乏しく、
(しさくてきなものであった。)
思索的なものであった。
(ろじのかたがわはあぱーとで)
路地の片側はアパートで
(いざわのこやにのしかかるようにねんじゅうみずのながれるおとと)
伊沢の小屋にのしかかるように年中水の流れる音と
(にょうぼうどものげひんなこえがあふれており、)
女房どもの下品な声が溢れており、
(しまいのいんばいがすんでいて、)
姉妹の淫売が住んでいて、
(あねにきゃくのあるよるはいもうとがろうかをあるきつづけており)
姉に客のある夜は妹が廊下を歩きつづけており
(いもうとにきゃくのあるときはあねがしんやのろうかをあるいている。)
妹に客のある時は姉が深夜の廊下を歩いている。
(きちがいがげたげたわらうというだけでひとびとはべつのじんしゅだとおもっていた。)
気違いがゲタゲタ笑うというだけで人々は別の人種だと思っていた。
(はくちのにょうぼうはとくべつしずかでおとなしかった。)
白痴の女房は特別静かでおとなしかった。
(なにかおどおどとくちのなかでいうだけで、)
何かおどおどと口の中で言うだけで、
(そのことばはよくききとれず、)
その言葉は良くききとれず、
(ことばのききとれるときでもいみがはっきりしなかった。)
言葉のききとれる時でも意味がハッキリしなかった。
(りょうりも、こめをたくこともしらず、)
料理も、米を炊くことも知らず、
(やらせればできるかもしれないが、)
やらせれば出来るかも知れないが、
(へまをやっておこられるとおどおどしてますますへまをやるばかり、)
ヘマをやって怒られるとおどおどして益々ヘマをやるばかり、
(はいきゅうぶつをとりにいってもじしんではなにもできず、)
配給物をとりに行っても自身では何もできず、
(ただたっているというだけで、)
ただ立っているというだけで、
(みんなきんじょのものがしてくれるのだ。)
みんな近所の者がしてくれるのだ。