木 -3-(完)

cicciさんのアカウント
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7907 | 神 | 8.0 | 98.1% | 206.0 | 1661 | 32 | 44 | 2025/05/17 |
2 | HAKU | 7139 | 王 | 7.4 | 95.8% | 225.1 | 1680 | 73 | 44 | 2025/05/18 |
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問題文
(へやのすみまでいどうするようにというしじがある。)
部屋の隅まで移動するようにという指示がある。
(いわれるまま、かべぎわにすわったおれはむねがどきどきしているりゆうを)
言われるまま、壁際に座った俺は胸がドキドキしている理由を
(かんがえまいとしていた。)
考えまいとしていた。
(ししょうのこえがくらいとーんをおびる。)
師匠の声が昏いトーンを帯びる。
(「さあ、なにがうつってる」)
「さあ、なにが映ってる」
(かがみのかくどがなくなり、いまじぶんはほとんどまよこといっていいいちにいる。)
鏡の角度がなくなり、今自分はほとんど真横と言っていい位置にいる。
(きょうめんはへいめんというよりせんぶんにちかづき、くらいきんぞくしょくだけがみてとれる。)
鏡面は平面というより線分に近づき、暗い金属色だけが見てとれる。
(わにもぞうも、もちろんきりんもうつっていない。)
ワニもゾウも、もちろんキリンも映っていない。
(「さあへやをでようか」)
「さあ部屋を出ようか」
(ししょうはことばだけでさそう。)
師匠は言葉だけで誘う。
(めをあけたままゆうたいりだつしたようにおれはししょうにつれられてへやをでる。)
目を開けたまま幽体離脱したように俺は師匠に連れられて部屋を出る。
(からだはへやにのこしたまま。)
身体は部屋に残したまま。
(まちのなかをししょうはどんどんあるく。おれはついていく。)
街の中を師匠はどんどん歩く。俺はついていく。
(たちどまるたびにししょうはおれにきく。)
立ち止まるたびに師匠は俺に訊く。
(「なにがうつってる」)
「なにが映ってる」
(こたえられない。あぱーとのどあしかみえない。)
答えられない。アパートのドアしか見えない。
(「なにがうつってる」)
「なにが映ってる」
(こたえられない。あぱーとさえもう)
答えられない。アパートさえもう
(「なにがうつってる」)
「なにが映ってる」
(こたえられなかった。)
答えられなかった。
(「なにがうつってる」)
「なにが映ってる」
(こたえられなかった。)
答えられなかった。
(やがてふたりはもりのなかにはいり、だれもいないそのおくで、くちたきのまえにたつ。)
やがて二人は森の中に入り、だれもいないその奥で、朽ちた木の前に立つ。
(きのまえにはかがみがおかれている。きのほうにむけられたかがみ。)
木の前には鏡が置かれている。木の方に向けられた鏡。
(ししょうはきく。そのかがみのまうしろにたって。)
師匠は訊く。その鏡の真後ろに立って。
(「さあ、なにがうつっているんだ」)
「さあ、なにが映っているんだ」
(わからない。わからない。)
分からない。分からない。
(おれのめはかがみのせなかにくぎづけられている。そのむこうにひっそりとたっている)
俺の目は鏡の背中に釘付けられている。その向こうにひっそりと立っている
(くちかけたきもしかいにははいっているのに、かがみのくろいせなか、)
朽ちかけた気も視界には入っているのに、鏡の黒い背中、
(そのうらがわにうつっているものをいめーじできないでいる。)
その裏側に映っているものをイメージできないでいる。
(わからない、わからない、わからない。)
分からない、分からない、分からない。
(あたまのなかがかきまぜられるようで、)
頭の中が掻き混ぜられるようで、
(ひどくきぶんがわるいような、ここちよいような・・・・・)
ひどく気分が悪いような、心地良いような・・・・・
(ぽん、とかたをたたかれた。)
ポン、と肩を叩かれた。
(「もういちどきく」)
「もう一度訊く」
(いっしゅんでししょうのあぱーとにかえってきた。)
一瞬で師匠のアパートに帰ってきた。
(じぶんがかべぎわにすわったままだったことをさいにんしきする。)
自分が壁際に座ったままだったことを再認識する。
(「だれもいないもりのおくできがたおれた。そのきのまえにおかれていたかがみに、)
「だれもいない森の奥で木が倒れた。その木の前に置かれていた鏡に、
(たおれるしゅんかんはうつっているかどうか」)
倒れる瞬間は映っているかどうか」
(さっきとまったくおなじといなのに、そのはだざわりはきみょうにねじれている。)
さっきとまったく同じ問いなのに、その肌触りは奇妙に捩れている。
(かがみのまえにはきりんがさっきとおなじかっこうでたおれている。)
鏡の前にはキリンがさっきと同じ格好で倒れている。
(「わかりません」)
「分かりません」
(ようやくそれだけをしぼりだすと、ししょうはまんぞくしたように)
ようやくそれだけを絞り出すと、師匠は満足したように
(きりんとぞうとわにをひろいあつめた。)
キリンとゾウとワニを拾い集めた。