怪人二十面相29

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問題文

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(それに、そんなおおきなさけびごえをたてたのでは、ひろっぱのひとに)

それに、そんな大きなさけび声をたてたのでは、広っぱの人に

(きこえるよりもさきに、にじゅうめんそうにきかれてしまいます。いけない、)

聞こえるよりも先に、二十面相に聞かれてしまいます。いけない、

(いけない、そんなきけんなことができるものですか。)

いけない、そんな危険なことができるものですか。

(こばやししょうねんは、すっかりしつぼうしてしまいました。でもしつぼうのなかにも、)

小林少年は、すっかり失望してしまいました。でも失望のなかにも、

(ひとつだけおおきなしゅうかくがありました。といいますのは、いまのいままで、)

一つだけ大きな収穫がありました。といいますのは、今の今まで、

(このたてものがいったいどこにあるのか、すこしもけんとうがつかなかったのですが、)

この建物がいったいどこにあるのか、少しも見当がつかなかったのですが、

(まどをのぞいたおかげで、そのいちがはっきりとわかったことです。)

窓をのぞいたおかげで、その位置がハッキリとわかったことです。

(どくしゃしょくんは、ただまどをのぞいただけで、いちがわかるなんてへんだと)

読者諸君は、ただ窓をのぞいただけで、位置がわかるなんてへんだと

(おっしゃるかもしれません。でも、それがわかったのです。こばやしくんは)

おっしゃるかもしれません。でも、それがわかったのです。小林君は

(たいへんこううんだったのです。)

たいへん幸運だったのです。

(まどのそと、ひろっぱのはるかむこうに、とうきょうにたったいっかしょしかない、)

窓の外、広っぱのはるかむこうに、東京にたった一か所しかない、

(きわだってとくちょうのあるたてものはみえたのです。とうきょうのどくしゃしょくんは、)

きわだって特徴のある建物は見えたのです。東京の読者諸君は、

(とやまがはらにある、だいじんこくのかまぼこをいくつもならべたような、)

戸山ヶ原にある、大人国のかまぼこをいくつもならべたような、

(こんくりーとのおおきなたてものをごぞんじでしょう。じつにあつらえむきの)

コンクリートの大きな建物をごぞんじでしょう。じつにあつらえむきの

(めじるしではありませんか。)

目じるしではありませんか。

(しょうねんたんていは、そのたてものとぞくのいえとのかんけいを、よくあたまにいれて、)

少年探偵は、その建物と賊の家との関係を、よく頭に入れて、

(なわばしごをおりました。そして、いそいでれいのかばんをひらくと、)

なわばしごをおりました。そして、いそいで例のカバンをひらくと、

(てちょうとえんぴつとじしゃくとをとりだし、ほうがくをたしかめながら、ちずを)

手帳と鉛筆と磁石とをとりだし、方角をたしかめながら、地図を

(かいてみました。すると、このたてものが、とやまがはらのきたがわ、)

書いてみました。すると、この建物が、戸山ヶ原の北がわ、

(にしよりのいちぐうにあるということが、はっきりとわかったのでした。)

西よりの一隅にあるということが、ハッキリとわかったのでした。

など

(ここでまた、ななつどうぐのなかのじしゃくがやくにたちました。)

ここでまた、七つ道具の中の磁石が役にたちました。

(ついでにとけいをみますと、あさのろくじを、すこしすぎたばかりです。)

ついでに時計を見ますと、朝の六時を、少しすぎたばかりです。

(うえのへやがひっそりしているようすでは、にじゅうめんそうはまだじゅくすい)

上の部屋がひっそりしているようすでは、二十面相はまだ熟睡

(しているのかもしれません。)

しているのかもしれません。

(「ああ、ざんねんだなぁ。せっかくにじゅうめんそうのかくれがをつきとめたのに、)

「ああ、ざんねんだなぁ。せっかく二十面相のかくれがをつきとめたのに、

(そのばしょがちゃんとわかっているのに、ぞくをほかくすることができないなんて」)

その場所がちゃんとわかっているのに、賊を捕獲することができないなんて」

(こばやしくんはちいさいこぶしをにぎりしめて、くやしがりました。)

小林君は小さいこぶしをにぎりしめて、くやしがりました。

(「ぼくのからだが、どうわのふぇありーみたいにちいさくなって、はねがはえて、)

「ぼくのからだが、童話のフェアリーみたいに小さくなって、羽がはえて、

(あのまどからとびだせたらなあ。そうすれば、さっそくけいしちょうへしらせて、)

あの窓からとびだせたらなあ。そうすれば、さっそく警視庁へ知らせて、

(おまわりさんをあんないして、にじゅうめんそうをつかまえてしまうんだがなあ。」)

おまわりさんを案内して、二十面相をつかまえてしまうんだがなあ。」

(かれは、そんなゆめのようなことをかんがえて、ためいきをついてしまいましたが、)

彼は、そんな夢のようなことを考えて、ため息をついてしまいましたが、

(そのみょうなくうそうがきっかけになって、ふと、すばらしいめいあんが)

そのみょうな空想がきっかけになって、ふと、すばらしい名案が

(うかんできたのです。)

うかんできたのです。

(「なあんだ、ぼくは、ばかだなぁ。そんなとこわけなくできるじゃないか。)

「なあんだ、ぼくは、ばかだなぁ。そんなことわけなくできるじゃないか。

(ぼくには、ぴっぽちゃんというひこうきがあるじゃないか。」)

ぼくには、ピッポちゃんという飛行機があるじゃないか。」

(それをかんがえると、うれしさに、かおがあかくなって、むねがどきどき)

それを考えると、うれしさに、顔が赤くなって、胸がドキドキ

(おどりだすのです。)

おどりだすのです。

(こばやしくんはこうふんにふるえるてで、てちょうに、ぞくのそうくつのいちと、)

小林君は興奮にふるえる手で、手帳に、賊の巣くつの位置と、

(じぶんがちかしつにかんきんされていることをしるし、そのかみをちぎって、)

自分が地下室に監禁されていることをしるし、その髪をちぎって、

(こまかくたたみました。)

こまかくたたみました。

(それから、かばんのなかのでんしょばとのぴっぽちゃんをだして、)

それから、カバンの中の伝書バトのピッポちゃんを出して、

(そのあしにむすびつけてあるつうしんづつのなかへ、いまのてちょうのかみをつめこみ、)

その足にむすびつけてある通信筒の中へ、今の手帳の紙をつめこみ、

(しっかりとふたをしめました。)

しっかりとふたをしめました。

(「さあ、ぴっぽちゃん、とうとうきみがてがらをたてるときがきたよ。)

「さあ、ピッポちゃん、とうとうきみが手がらをたてるときがきたよ。

(しっかりするんだぜ。みちくさなんかくうんじゃないよ。いいかい。そら、)

しっかりするんだぜ。道草なんか食うんじゃないよ。いいかい。そら、

(あのまどからとびだして、はやくおくさんのところへいくんだ。」)

あの窓からとびだして、早く奥さんのところへ行くんだ。」

(ぴっぽちゃんは、こばやししょうねんのてのこうにとまって、かわいいめを)

ピッポちゃんは、小林少年の手の甲にとまって、かわいい目を

(きょろきょろさせて、じっときいていましたが、ごしゅじんのめいれいが)

キョロキョロさせて、じっと聞いていましたが、ご主人の命令が

(わかったものとみえて、やがていさましくはばたきして、ちかしつのなかを)

わかったものとみえて、やがて勇ましく羽ばたきして、地下室の中を

(に、さんどいったりきたりすると、つーっとまどのそとへとびだしてしまいました。)

二、三度行ったり来たりすると、ツーッと窓の外へとびだしてしまいました。

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