怖い話《自分は一人だった》前編

・スマホ向けフリック入力タイピングはこちら
※アプリのインストールが必要です。
・PC向けタイピングはこちら
タブレット+BlueToothキーボードのプレイもこちらがオススメです!
Webアプリでプレイ
投稿者投稿者やゆいいね1お気に入り登録
プレイ回数105難易度(4.4) 4064打 長文

※このタイピングは、ランキング登録を受け付けていません。

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(おれはふだんあまりのまないのだが、)

俺は普段あまり飲まないのだが、

(きのうぐうぜん、むかしからのゆうじんとあってのみにいくことになった。)

昨日偶然、昔からの友人と会って飲みに行くことになった。

(むかしのゆうじんというのはいいものだ。)

昔の友人というのはいいものだ。

(どれだけどしをとっても、ゆうじんとかたらうそのときだけは)

どれだけ歳を取っても、友人と語らうその時だけは

(わかきしょうねんじだいにこころがもどれる。)

若き少年時代に心が戻れる。

(おれとゆうじんはおれのいきつけのばーにいって、しこたまのんだ。)

俺と友人は俺の行きつけのバーに行って、しこたま飲んだ。

(それがよくなかった。)

それがよくなかった。

(きがつくとおれはじぶんちのげんかんでねむっていた、いつのまにかあさになっている。)

気が付くと俺は自分ちの玄関で眠っていた、いつの間にか朝になっている。

(あたまががんがんといたい、はききがする。)

頭がガンガンと痛い、吐き気がする。

(しまった、のみすぎた。)

しまった、飲みすぎた。

(おれはいえにいるはずのつまに)

俺は家にいるはずの妻に

(「おーい、みずもってきてくれ」)

「おーい、水持ってきてくれ」

(とこえをかけたがへんじがない、でかけているようだ。)

と声をかけたが返事がない、出かけているようだ。

(ふだんならあさはいえにいるのに。)

普段なら朝は家にいるのに。

(あいするおっとがげんかんでねてしまったというのに)

愛する夫が玄関で寝てしまったというのに

(それをほうちしてでかけてしまうなんてなんてはくじょうなやるだ。)

それを放置して出かけてしまうなんてなんて薄情なやるだ。

(それにしてものみすぎてしまった。)

それにしても飲みすぎてしまった。

(どうやってかえったかおぼえていない、ここまでのんだのはひさしぶりだ。)

どうやって帰ったか覚えていない、ここまで飲んだのは久しぶりだ。

(まぁしかたない、ひさしぶりのゆうじんとあえたのだ。)

まぁ仕方ない、久しぶりの友人と会えたのだ。

(のみあかさずにいられるかというはなしだ。)

飲み明かさずにいられるかという話だ。

など

(ひさしぶりにあいつとはなせてよかった、あいつと・・・)

久しぶりにあいつと話せてよかった、あいつと・・・

(あれ?)

あれ?

(きのうのことをおもいかえそうとして、そこでじぶんのなかのいへんにきづいた。)

昨日のことを思い返そうとして、そこで自分の中の異変に気付いた。

(あいつってだれだ?)

あいつって誰だ?

(きのういっしょにのんだゆうじんとはだれだっただろうか。)

昨日一緒に飲んだ友人とは誰だっただろうか。

(のみすぎてのんだときのきおくがなくなるということがよくある。)

飲みすぎて飲んだ時の記憶がなくなるということがよくある。

(だが、のんだあいてのことすらおぼえていないなんてことはなかった。)

だが、飲んだ相手のことすら覚えていないなんてことはなかった。

(さすがにそこまでのみはしない。)

流石にそこまで飲みはしない。

(しかし、なんどおもいだそうとしてもゆうじんがだれだったのかおもいだせない。)

しかし、何度思い出そうとしても友人が誰だったのか思い出せない。

(かおすらうかばない。)

顔すら浮かばない。

(そんなことあるだろうか、いくらのみすぎたといっても。)

そんなことあるだろうか、いくら飲みすぎたといっても。

(そんなことをかんがえているとつまがかえってきた。)

そんなことを考えていると妻が帰ってきた。

(「あら?おきたのね?」)

「あら?起きたのね?」

(つまはおれをみるなり、そっけなくいった。)

妻は俺を見るなり、そっけなく言った。

(とくにしんぱいしているようすはない。)

特に心配している様子はない。

(「あぁ、いまな。)

「あぁ、今な。

(しかしげんかんでねてしまったおれをそのままほうちはないんじゃないか。)

しかし玄関で寝てしまった俺をそのまま放置はないんじゃないか。

(せめてふとんだけでもかぶせてくれよ」)

せめて布団だけでもかぶせてくれよ」

(おれがそういうとつまはきょとんとしたかおをした。)

俺がそう言うと妻はきょとんとした顔をした。

(「あら?あなたのおともだちがべっどまではこびますっていってたのだけど」)

「あら?あなたのお友達がベッドまで運びますって言ってたのだけど」

(「おれのゆうじんが?」)

「俺の友人が?」

(「そうよ、けさよってべろべろのあなたをいえまではこんできてくれたのよ?)

「そうよ、今朝酔ってベロベロのあなたを家まで運んできてくれたのよ?

(わたしはあさからようがあったからどうしたものかとおもっていたら、)

私は朝から用があったからどうしたものかと思っていたら、

(ぼくがちゃんとべっどまではこびますからっていうからおまかせしたのだけど」)

僕がちゃんとベッドまで運びますからって言うからお任せしたのだけど」

(なんだって?そのおれのゆうじんはおれんちまできていたのか。)

なんだって?その俺の友人は俺んちまで来ていたのか。

(しかしそれならはなしははやい、つまにそのゆうじんはどんなやつだったかきけばいい。)

しかしそれなら話は早い、妻にその友人はどんな奴だったか聞けばいい。

(「なぁ、そのゆうじんはどんなおとこだった?」)

「なぁ、その友人はどんな男だった?」

(「え?どんなおとこだったってどういうこと?あなたのおともだちでしょ?」)

「え?どんな男だったってどういうこと?あなたのお友達でしょ?」

(もっともなぎもんだった、だがここはきかないわけにはいかない。)

もっともな疑問だった、だがここは聞かないわけにはいかない。

(「いいからおしえてくれ、そのおとこはどんなかんじのおとこだったんだ」)

「いいから教えてくれ、その男はどんな感じの男だったんだ」

(「どんなかんじってそれは・・・あら?」)

「どんな感じってそれは・・・あら?」

(つまはくびをかしげた。)

妻は首を傾げた。

(「おかしいわね・・・ついさっきのことなのに、そのひとのかおがおもいだせないわ。)

「おかしいわね・・・ついさっきのことなのに、その人の顔が思い出せないわ。

(たしかにかおをあわせてかいわもしたのに・・・」)

確かに顔を合わせて会話もしたのに・・・」

(おれはなんだかぞっとした。)

俺はなんだかゾッとした。

(おれとおなじだ、そのおとこをおもいだせない。)

俺と同じだ、その男を思い出せない。

(でいすいしていたおれはともかく、しらふのつまがおもいだせないのはおかしい。)

泥酔していた俺はともかく、素面の妻が思い出せないのはおかしい。

(そのおとこがいったいなにものなんだ?)

その男が一体何者なんだ?

(おれはきのうのじぶんのうごきをしらべることにした。)

俺は昨日の自分の動きを調べることにした。

(まずはじぶんのすまほをしらべてみた。)

まずは自分のスマホを調べてみた。

(あうときに、そのおとことなんらかのやりとりをしているはずだ。)

会う時に、その男となんらかのやり取りをしているはずだ。

(どこでまちあわせしようだとか、あと10ぷんくらいでつくとか)

どこで待ち合わせしようだとか、あと10分くらいで着くとか

(そんなやりとりをめーるなりでんわなりしているだろう。)

そんなやり取りをメールなり電話なりしているだろう。

(しかし、いくらしらべてもそういったりれきはのこっていなかった。)

しかし、いくら調べてもそういった履歴は残っていなかった。

(これはほんかくてきにおかしい)

これは本格的におかしい

(では、おれとそいつはどうやってまちあわせしたのだ?)

では、俺とそいつはどうやって待ち合わせしたのだ?

(いや、そもそもどうしてそいつとのむことになった?)

いや、そもそもどうしてそいつと飲むことになった?

(そいつとまちじゅうでぐうぜんあって?)

そいつと街中で偶然会って?

(そいつからひさしぶりにれんらくがあって?)

そいつから久しぶりに連絡があって?

(おぼえていない、なにかほかにてがかりはないか。)

覚えていない、何か他に手掛かりはないか。

(おれはきんじょのしりあいにでんわしてきいてみることにした。)

俺は近所の知り合いに電話して聞いてみることにした。

(そのしりあいはいつもあさにいえまわりをそうじしている。)

その知り合いはいつも朝に家周りを掃除している。

(あさがえりのおれをみかけているかもしれない。)

朝帰りの俺を見かけているかもしれない。

(「お?もうだいじょうぶなのかい?)

「お?もう大丈夫なのかい?

(あさ、あかなりよっぱらったようすでかえってきたからしんぱいしたんだよ」)

朝、あかなり酔っぱらった様子で帰ってきたから心配したんだよ」

(でんわがつながるなり、きたいしていたへんじがきた。)

電話が繋がるなり、期待していた返事がきた。

(おれがよっていえにかえるところをもくげきしている。)

俺が酔って家に帰るところを目撃している。

(これははなしがはやい。)

これは話が早い。

(あぁ、ちょっとのみすぎてな。でももうだいじょうぶだ」)

あぁ、ちょっと飲みすぎてな。でももう大丈夫だ」

(「それならよかった、けどあんまのみすぎないようにな。)

「それならよかった、けどあんま飲みすぎないようにな。

(なにかあってもすぐにたすけがくるわけじゃないんだからな」)

何かあってもすぐに助けがくるわけじゃないんだからな」

(いや、さすがにつまがみつけてなにかしてくれるだろう。はくじょうとはいえ)

いや、流石に妻が見つけて何かしてくれるだろう。薄情とはいえ

(と、はんろんしようとしたがやめておいた。)

と、反論しようとしたがやめておいた。

(いまはそれどころじゃない。)

今はそれどころじゃない。

(「ちょっとききたいんだけど、おれといっしょにいたやついたろう?)

「ちょっと聞きたいんだけど、俺と一緒にいた奴いたろう?

(そのおとこのことでききたいんだが」)

その男のことで聞きたいんだが」

(おれがしつもんするとよそうしていなかったへんじがきた。)

俺が質問すると予想していなかった返事がきた。

(「ん?いっしょにいたやつ?なにのことだ?」)

「ん?一緒にいた奴?何のことだ?」

(「いや、おれがけさかえってきたときにはいっしょにいたおとこがいただろう?」)

「いや、俺が今朝帰ってきた時には一緒にいた男がいただろう?」

(「なにのことだ?あんたはひとりしかいなかったぞ?」)

「何のことだ?あんたは一人しかいなかったぞ?」

(え?おれはあたまがまっしろになった。)

え?俺は頭が真っ白になった。

(「かなりふらふらしていたけどひとりでかえってきたぞ?)

「かなりフラフラしていたけど一人で帰ってきたぞ?

(おいおいだいじょうぶか?げんかくでもみてたのか?」)

おいおい大丈夫か?幻覚でも見てたのか?」

(「いや、そんなはずは・・・」)

「いや、そんなはずは・・・」

(おれはしっかりとひていはできなかった。)

俺はしっかりと否定はできなかった。

(なにせかおをおもいだすことができないのだ。)

なにせ顔を思い出すことができないのだ。

(おれのげんかくじゃないといいきれない。)

俺の幻覚じゃないと言い切れない。

(いやでそいつはおれのつまもみているのだ)

いやでそいつは俺の妻も見ているのだ

(げんかくではない、なら、なんだ?)

幻覚ではない、なら、なんだ?

(おれはほかにてがかりがないかしらべた。)

俺は他に手掛かりがないか調べた。

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

やゆのタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード