怖い話《映画を見るだけのバイト》

(そこはいきをのむぐらいおおきいしろいいっけんやで、)

そこは息を飲むぐらい大きい白い一軒家で、

(わたしはおもわずやば・・・といっていました。)

私は思わずやば・・・と言っていました。

(とりあえず、いえにはいらないとどうにもならないので)

とりあえず、家に入らないとどうにもならないので

(げんかんにいきいんたーほんをおし、すみませんとこえをかけると)

玄関に行きインターホンを押し、すみませんと声を掛けると

(「はいってください」ときれいなじょせいがおうじてくれました。)

「入ってください」と綺麗な女性が応じてくれました。

(さっそくなかにはいっててをあらうと、さきほどおうじたじょせいが)

早速中に入って手を洗うと、先程応じた女性が

(じぶんがここのやぬしでばいとのきゅうじんをしたやましたであるということと、)

自分がここの家主でバイトの求人をした山下であるということと、

(えいがをみるのはりびんぐであるということをわたしにつたえました。)

映画を見るのはリビングであるということを私に伝えました。

(そして、わたしはりびんぐにおいてあるいすにすわるようにいわれたためすわろうと、)

そして、私はリビングに置いてある椅子に座るように言われた為座ろうと、

(めをおいたしゅんかん、きょうふでひっといっていました。)

目を置いた瞬間、恐怖でひっと言っていました。

(そのいすにはふしぎなあかいもようがびっしりとえがかれていたのです。)

その椅子には不思議な赤い模様がびっしりと描かれていたのです。

(しかし、そんなわたしにたいしてやましたさんは、)

しかし、そんな私に対して山下さんは、

(はやくすわれよ！おい！いわれたことすらできないのかよおまえは！)

早く座れよ！おい！言われたことすらできないのかよお前は！

(ふざけんなよ！ほらはやくすわれよ！)

ふざけんなよ！ほら早く座れよ！

(と、すさまじいぎょうそうでわたしにさけぶようにいってきました。)

と、凄まじい形相で私に叫ぶように言ってきました。

(そんなことをいわれたわたしは、いまさらこのばいとが)

そんなことを言われた私は、今更このバイトが

(やばいということをりかいしましたが、)

やばいということを理解しましたが、

(めのまえにいるやましたさんへのきょうふからしかたなくすわることしました。)

目の前にいる山下さんへの恐怖から仕方なく座ることしました。

(そうすると、やましたさんはきゅうにおだやかになって、)

そうすると、山下さんは急に穏やかになって、

(わたしのまえにあるてれびをそうさしてｄｖｄをさいせいしました。)

私の前にあるテレビを操作してＤＶＤを再生しました。

(そしてさいせいされたものをみたしゅんかん、)

そして再生されたものを見た瞬間、

(わたしはなんでこのばいとをおうぼしたのだろうとはげしくこうかいしました。)

私は何でこのバイトを応募したのだろうと激しく後悔しました。

(だって、めのまえでさいせいされているえいぞうは)

だって、目の前で再生されている映像は

(やましたさんが、わたしがすわっているいすにあるのとおなじもようでかこんだほねにむかって)

山下さんが、私が座っている椅子にあるのと同じ模様で囲んだ骨に向かって

(ひたすらおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさん)

ひたすらお父さんお父さんお父さんお父さんお父さん

(もどってもどってもどってもどってもどってもどってもどって)

戻って戻って戻って戻って戻って戻って戻って

(とさけびつづける)

と叫び続ける

(という、だれがみてもしょうきのさたとはおもえないものだったのです。)

という、誰が見ても正気の沙汰とは思えないものだったのです。

(さすがにもうたえきれなくなったわたしは、)

流石にもう耐えきれなくなった私は、

(なきながらじぶんがいままでだしたことがないのではないかとおもうはやさで)

泣きながら自分が今まで出したことがないのではないかと思う速さで

(いえからでていきました。)

家から出ていきました。

(すると、やましたさんは)

すると、山下さんは

(ふざけんな！ふざけんな！ふざけんな！かえせよ！おとうさんをかえせよ！)

ふざけんな！ふざけんな！ふざけんな！返せよ！お父さんを返せよ！

(とないふをもち、さけびながらわたしのあとをおいました。)

とナイフを持ち、叫びながら私の後を追いました。

(さきわい、そのとちゅうでやましたさんはつまずいてころんだおかげで)

幸い、その途中で山下さんは躓いて転んだおかげで

(なんとかにげきることができました。)

なんとか逃げ切ることが出来ました。

(そのあと、わたしはそのことをげざんしたあとちかくのけいさつしょにそうだんしたのですが、)

その後、私はそのことを下山した後近くの警察署に相談したのですが、

(そんなところにいっけんやなんてないぞといわれました。)

そんなところに一軒家なんてないぞと言われました。

(いまでも、あのばいとでおこったできごとと)

今でも、あのバイトで起こった出来事と

(けいさつのひとにいわれたことがふしぎでありません。)

警察の人に言われたことが不思議でありません。