未 本編 -11-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文

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(つい、つい、とそでをひかれた。かえでがみみもとにかおをよせてくる。)

つい、つい、と袖を引かれた。楓が耳元に顔を寄せてくる。

(「なに」)

「なに」

(「あのひとほんものなの?」)

「あの人ほんものなの?」

(「なにが」)

「なにが」

(「れいのうりょくしゃ」)

「霊能力者」

(まあたしかにここまでは、まったくそれらしいところをみせていない。)

まあ確かにここまでは、まったくそれらしい所を見せていない。

(「てれびにでてくるのとはちがうけど、れいをみることにかんしてはすごいよ」)

「テレビに出てくるのとは違うけど、霊を見ることに関しては凄いよ」

(それはあるいみ、たんていてきといえるかもしれない。つまりこうしんじょのちょうさいんである)

それはある意味、探偵的と言えるかも知れない。つまり興信所の調査員である

(このいまのすたいるでせいかいなのかもしれなかった。)

この今のスタイルで正解なのかも知れなかった。

(「ふうん。まあいいや。で、つきあってんの?」)

「ふうん。まあいいや。で、付き合ってんの?」

(いきなりすぎてふきそうになった。)

いきなりすぎて吹きそうになった。

(「じょしゅだよ」)

「助手だよ」

(「それもうきいた」)

「それもう聞いた」

(「まあいいじゃないか」)

「まあいいじゃないか」

(ああ。やってしまった。めいかくにひていしないという、みえ。)

ああ。やってしまった。明確に否定しないという、見栄。

(かるいざいあくかんにおそわれていると、ふたりでひそひそやっているのがきになったのか、)

軽い罪悪感に襲われていると、二人でひそひそやっているのが気になったのか、

(かずおが「なになに」とちかづいてくる。)

和雄が「なになに」と近づいてくる。

(「よし、いくぞ」)

「よし、行くぞ」

(ししょうにふくをつかまれる。かるくひきずられながら「どこへ?」ときくと)

師匠に服を掴まれる。軽く引きずられながら「どこへ?」と訊くと

(「このりょかんのしゅうへんのちょうさ」)

「この旅館の周辺の調査」

など

(ようするにさんぽですか。)

ようするに散歩ですか。

(というかるくちがでそうになったが、くらいあんとのまえなので)

という軽口が出そうになったが、クライアントの前なので

(さすがにじちょうした。)

さすがに自重した。

(「またあんないしたいですけど、ごめんなさい。これからようじがあって」)

「また案内したいですけど、ごめんなさい。これから用事があって」

(かえでがあたまをさげる。こうこうじだいのともだちとくりすますいぶぱーてぃをするらしい。)

楓が頭を下げる。高校時代の友だちとクリスマスイブパーティをするらしい。

(それをきいて、ぼくはようやくきょうがじゅうにがつにじゅうよっかであることをおもいだした。)

それを聞いて、僕はようやく今日が十二月二十四日であることを思い出した。

(おもわずかずおのほうをぬすみみするが、「いいなあ」などとよゆうぶっている。)

思わず和雄の方を盗み見するが、「いいなあ」などと余裕ぶっている。

(しかしないしんはどうだかわからない。)

しかし内心はどうだか分からない。

(「じゃあ、ぼくもそろそろかえります」)

「じゃあ、僕もそろそろ帰ります」

(りょかんのそとにでると、かずおもそういってしきちのすみにとめてあったばいくにまたがった。)

旅館の外に出ると、和雄もそう言って敷地の隅にとめてあったバイクに跨った。

(はいきおんとともにてをふりながらさっていくすがたをみおくる。)

排気音とともに手を振りながら去っていく姿を見送る。

(「あ~あ、かわいそうに、あいつ」)

「あ〜あ、かわいそうに、あいつ」

(ひとごとのようにそういうししょうだったが、じゅうにがつにじゅうよっかというきょうは)

人ごとのようにそう言う師匠だったが、十二月二十四日という今日は

(ぼくらにもびょうどうにおとずれていることをわかっているのだろうか。)

僕らにも平等に訪れていることを分かっているのだろうか。

(「ひがくれるまえにいくぞ」)

「日が暮れる前に行くぞ」

(そういってあるきだした。すでにひのひかりはにしのやまのはへかくれつつあった。)

そう言って歩き出した。すでに日の光は西の山の端へ隠れつつあった。

(それからこいちじかんかかってしゅういをさんさくしながら)

それから小一時間かかって周囲を散策しながら

(えだかわぞいにりょかんへきたときのみちをぎゃくにたどっていった。)

枝川沿いに旅館へ来たときの道を逆に辿っていった。

(さびしいみちで、あまりじもとのひとともすれちがわなかった。)

寂しい道で、あまり地元の人ともすれ違わなかった。

(やがてどうろぞいにせのたかいかなあみでおおわれたいったいがみえてくる。)

やがて道路沿いに背の高い金網で覆われた一帯が見えてくる。

(きたときにみたちょすいちだ。しゅういはすでにうすぐらく、ぼうだいなすいりょうをたくわえたすいめんは)

来たときに見た貯水池だ。周囲はすでに薄暗く、膨大な水量を蓄えた水面は

(かがやきもせず、しんだようにひっそりとしていた。)

輝きもせず、死んだようにひっそりとしていた。

(かなあみのそばにかんばんがあった。)

金網のそばに看板があった。

(「かめがぶち」というなまえのこのちょすいちは、おうにんのらんのあとにせんごくぶしょうがかくちで)

「亀ヶ淵」という名前のこの貯水池は、応仁の乱の後に戦国武将が各地で

(はけんをきそいはじめたころ、このちにしんこうしてきたたかはしながおきがじしんのせいりょくの)

覇権を競い始めたころ、この地に侵攻してきた高橋永熾が自身の勢力の

(あたらしいきょてんとしていまのにしかわまちいったいをふうじたときにつくったものだそうだ。)

新しい拠点として今の西川町一帯を封じた時に作ったものだそうだ。

(えだかわのすいりょうがあんていせずこくだかがのびなかったこのちに、じさんしたじがねを)

枝川の水量が安定せず石高が伸びなかったこの地に、持参した地金を

(おしげもなくとうじてどぼくこうじをおこない、きょだいなみずがめをていきょうしたのだ。)

惜しげもなく投じて土木工事を行い、巨大な水瓶を提供したのだ。

(ししょうはそのかんばんのせつめいぶんをよみおえて、ぼそりといった。)

師匠はその看板の説明文を読み終えて、ぼそりと言った。

(「もんだいのわかみやじんじゃは、このぶしょうがひらいたのかもしれないな」)

「問題の若宮神社は、この武将が開いたのかも知れないな」

(「どうしてですか」)

「どうしてですか」

(「わかみやってなまえのつくじんじゃは、たとえばおおいたのうさじんぐうをほんぐうとしたばあい、)

「若宮って名前のつく神社は、例えば大分の宇佐神宮を本宮とした場合、

(そのごさいじんであるやわたのかみことおうじんてんのうのこ、)

その御祭神である八幡神こと応神天皇の子、

(つまりみこがみであるところのじんとくてんのうをまつったじんじゃのことだ。)

つまり御子神であるところの仁徳天皇を祀った神社のことだ。

(あるいはたんにほんぐうからあらたにむかえたごさいじんといういみでわかみやとよぶばあいもある。)

あるいは単に本宮から新たに迎えた御祭神という意味で若宮と呼ぶ場合もある。

(そのばあいはやわたのかみであるおうじんてんのうのぶんれいをまつっているじんじゃということになる。)

その場合は八幡神である応神天皇の分霊を祀っている神社ということになる。

(いずれにしても、きほんてきにはもとみやありきのじんじゃなわけだ。)

いずれにしても、基本的には本宮ありきの神社なわけだ。

(そしてもとみやからあらたなわかみやをかんじょうしてくるのは、こくしや)

そして本宮から新たな若宮を勧請してくるのは、国司や

(そのちのごうぞくなどのじつりょくしゃとそうばがきまっている。)

その地の豪族などの実力者と相場が決まっている。

(せんごくじだいにあっては、そのやくわりのちゅうしんをになったのが・・・・・」)

戦国時代にあっては、その役割の中心を担ったのが・・・・・」

(せんごくぶしょうというわけか。)

戦国武将というわけか。

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