未 本編 -46-
cicciさんのアカウント
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 8061 | 神 | 8.1 | 98.7% | 381.2 | 3114 | 41 | 57 | 2025/11/29 |
| 2 | Jyo | 5813 | A+ | 6.0 | 96.4% | 516.2 | 3114 | 113 | 57 | 2025/11/29 |
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問題文
(かえではめをむいてししょうとかずおをこうごにみている。)
楓は目を剥いて師匠と和雄を交互に見ている。
(「おまえがこのいえにひんぱんにでいりするようになったのは、かえでがたんだいせいに)
「おまえがこの家に頻繁に出入りするようになったのは、楓が短大生に
(なってからだときいている。さっきわたしがおぼえておいてほしいと)
なってからだと聞いている。さっきわたしが覚えておいて欲しいと
(いったきかんはきゅうかげつからじゅっかげつだ。なんのすうじだった?)
いった期間は九ヶ月から十ヶ月だ。なんの数字だった?
(ゆうれいそうどうがはじまってからいままでのきかんだよ。それはおまえがよこしまなやぼうをいだいて)
幽霊騒動が始まってから今までの期間だよ。それはお前が邪な野望を抱いて
(この「とかの」にやってくるようになったきかんとぴったりかさなるんだ。)
この「とかの」にやってくるようになった期間とぴったり重なるんだ。
(もうわかっただろう。おかみじんじゃ、つまりとがのじんじゃのぐうじのれいが)
もう分かっただろう。オカミ神社、つまり栂野神社の宮司の霊が
(りょかんにあらわれるようになったのは、じゃしんをかくしてもってしんにゅうしてきた)
旅館に現れるようになったのは、邪神を隠して持って侵入してきた
(いしざかかずおといういぶつのことをけいこくするためだ。)
石坂和雄という異物のことを警告するためだ。
(これがこんやこのばにかれらがあらわれるとわたしがかくしんしていただいにのよういん。)
これが今夜この場に彼らが現れるとわたしが確信していた第二の要因。
(そのちょうほんにんがいわばつりえとしてここにいたことだ」)
その張本人がいわば釣り餌としてここにいたことだ」
(と、いうわけで。)
と、いうわけで。
(そういいながらししょうはおおげさなどうさでかずおをゆびさした。)
そう言いながら師匠は大袈裟な動作で和雄を指さした。
(「ふくざつかいきなこのじけん、しんしょくならぬこのわたしに、はらえというなら)
「複雑怪奇なこの事件、神職ならぬこのわたしに、祓えというなら
(はらってやるさ。おいはらうっていうしゅだんで」)
祓ってやるさ。追い払うっていう手段で」
(で・て・け)
で・て・け
(ゆっくりといちおんせつずつくぎってししょうはそうせんこくした。そのみじかいことばには)
ゆっくりと一音節ずつ区切って師匠はそう宣告した。その短い言葉には
(いっしゅあらがえないようなひびきをともなっているようなきがした。)
一種抗えないような響きを伴っているような気がした。
(かずおはじぶんにふれようとするれいたいたちのてを、せまいえんのなかでひっしでさけながら)
和雄は自分に触れようとする霊体たちの手を、狭い円の中で必死で避けながら
(「たすけてくれ、たすけてくれ」とくりかえしていたかとおもうと、)
「助けてくれ、助けてくれ」と繰り返していたかと思うと、
(「わかった。わかったから。でていくから」とさけんだ。)
「わかった。わかったから。出て行くから」と叫んだ。
(「たがえるなよ」)
「たがえるなよ」
(ししょうはそうくちにしたかとおもうと、はりのけっかいをふみこえ、くろいかげたちのてを)
師匠はそう口にしたかと思うと、針の結界を踏み越え、黒い影たちの手を
(かいくぐり、ふところからはさみをとりだしてしゅんじにしめなわのいちぶをきった。)
掻い潜り、懐からハサミを取り出して瞬時に注連縄の一部を切った。
(そのきられたぶぶんのはしがたれてじめんについたしゅんかん、かんぬしすがたのれいたちのすがたが)
その切られた部分の端が垂れて地面についた瞬間、神主姿の霊たちの姿が
(かききえた。あれほどのうみつだったけはいもしょうめつした。)
掻き消えた。あれほど濃密だった気配も消滅した。
(そのとき、わっ、というみみなりがかけぬけたようなきがした。)
そのとき、わっ、という耳鳴りが駆け抜けたような気がした。
(「えんがとぎれれば、とじられたせかいはおわる。)
「円が途切れれば、閉じられた世界は終わる。
(しんいきをうしない、いちどちりぢりになったれいたいがべつのあるごりずむでふたたびぎょうしゅうし、)
神域を失い、一度散り散りになった霊体が別のアルゴリズムで再び凝集し、
(あらわれるまではじかんがかかるだろう。でていくならいまのうちだ」)
現れるまでは時間がかかるだろう。出て行くなら今のうちだ」
(うずくまってあらいいきをはいていたかずおが、ししょうのそのことばをきいてはねおきた。)
うずくまって荒い息を吐いていた和雄が、師匠のその言葉を聞いて跳ね起きた。
(そしてことばにならないわめきこえをあげながら、ひろまからとびだしていった。)
そして言葉にならない喚き声を上げながら、広間から飛び出していった。
(ぼくらはみんなそれをみていることしかできなかった。ただぼうぜんと。)
僕らはみんなそれを見ていることしかできなかった。ただ呆然と。
(あくむからめざめたばかりのように。そのなかでししょうだけがすずしいかおをして、)
悪夢から目覚めたばかりのように。その中で師匠だけが涼しい顔をして、
(「いっけんらくちゃくだな」とわらっている。)
「一件落着だな」と笑っている。
(てんじょうからいとでつられ、そしていちぶがきられたしめなわと、はりだらけのたたみ。)
天井から糸で吊られ、そして一部が切られた注連縄と、針だらけの畳。
(そのはりがつくりだすえんにとじこめられたにんげんたち。)
その針が作り出す円に閉じ込められた人間たち。
(そんないようなおおひろまのこうけいがめのまえにはある。)
そんな異様な大広間の光景が目の前にはある。
(しかし、さっきまでそこにそんざいしたいかいは、おなじかたちをしたすこしきみょうな)
しかし、さっきまでそこに存在した異界は、同じ形をした少し奇妙な
(ただのにちじょうへとへんぼうしていた。)
ただの日常へと変貌していた。
(そのすべてをあやつったちょうほんにんは、はらがあいたのかみぎてでいのあたりを)
そのすべてを操った張本人は、腹が空いたのか右手で胃の辺りを
(おさえながら、うしろでをついてこしをぬかしたままのかんすけさんをみつめている。)
押さえながら、後ろ手をついて腰を抜かしたままの勘介さんを見つめている。
(なにかうったえたげなまなざしで。)
なにか訴えたげな眼差しで。
(「あ、ゆきだ」)
「あ、雪だ」
(ぼくはまどのそとをみながらそうつぶやいた。)
僕は窓の外を見ながらそう呟いた。
(ゆうがたからふりつづくこさめはいつのまにか、ゆきにかわっていた。)
夕方から降り続く小雨はいつの間にか、雪に変わっていた。
(すでにじこくはよるのじゅうにじちかくになっている。)
すでに時刻は夜の十二時近くになっている。
(ぼくはあらためてししょうにあてがわれたいちかいのいちばんたかそうなへやにおじゃましていた。)
僕は改めて師匠にあてがわれた一階の一番高そうな部屋にお邪魔していた。
(そしてそれからふたりでとりとめもないはなしをしながらさけをくみかわしている。)
そしてそれから二人でとりとめもない話をしながら酒を酌み交わしている。
(とんでもないまくぎれとなったこのじけんも、いちおうのかいけつをみたことになった。)
とんでもない幕切れとなったこの事件も、一応の解決をみたことになった。
(このへやはそのほうびというわけだ。おかみはなんどもししょうにあたまをさげた。)
この部屋はその褒美というわけだ。女将は何度も師匠に頭を下げた。
(ほんとうにありがとうございます、と。)
本当にありがとうございます、と。
(かずおのことだけではない、さまざまなつきものがとれたようなひょうじょうだった。)
和雄のことだけではない、様々な憑き物がとれたような表情だった。
(だいをかさねてもこのちいきのよそものとしてあつかわれ、)
代を重ねてもこの地域のよそ者として扱われ、
(そのことになれてしまっていたじぶんに、きょうけつべつしたというかおだった。)
そのことに慣れてしまっていた自分に、今日決別したという顔だった。
(さいごに「これからもほこりをもってここでくらしていきます」とだけいって、)
最後に「これからも誇りを持ってここで暮らしていきます」とだけ言って、
(おかみはへやをでていった。)
女将は部屋を出ていった。