巨人の研究 -2-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 7930 8.0 98.7% 377.4 3031 38 56 2025/12/11
2 Jyo 5726 A 5.9 96.8% 512.5 3032 97 56 2025/12/11

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問題文

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(きもちがわるくなり、もうかえろうとじてんしゃにあしをむけかけたとき、)

気持ちが悪くなり、もう帰ろうと自転車に足を向けかけた時、

(ぶろっくべいのうえにとりつけられたきばこがめにはいった。)

ブロック塀の上に取り付けられた木箱が目に入った。

(ぜんめんにいんりょうがいしゃのまーくがついている。ぎゅうにゅうのはいたつをしてもらっているらしい。)

前面に飲料会社のマークが付いている。牛乳の配達をしてもらっているらしい。

(びんとはこのことだろうかとおもってちかづくと、「びん」「こーひー」という)

ビンとはこのことだろうかと思って近づくと、「ビン」「コーヒー」という

(ぼそぼそとしたこえが、そのきばこのあたりからきこえてくる。)

ぼそぼそとした声が、その木箱のあたりから聞こえてくる。

(ぞっとしながらも、こうきしんにまけててをのばすと、きばこのうわぶたは)

ぞっとしながらも、好奇心に負けて手を伸ばすと、木箱の上蓋は

(なにのていこうもなくひらき、そのしゅんかんにこえがぴたりととまった。)

何の抵抗もなく開き、その瞬間に声がぴたりと止まった。

(きばこのなかにはぎゅうにゅうびんがにほん、ふうをされたままのこされていて、)

木箱の中には牛乳ビンが二本、封をされたまま残されていて、

(そのびんときばこのあいだのわずかなすきまにちいさなかおがふたつのぞいていた。)

そのビンと木箱の間のわずかな隙間に小さな顔が二つ覗いていた。

(そのふたつのかおはぼけたようなめをかのじょのほうへむけている。)

その二つの顔は呆けたような目を彼女の方へ向けている。

(ひめいをあげてかのじょはにげだした。)

悲鳴を上げて彼女は逃げ出した。

(「ほんとにほんと。こびとがいたんだって。はこのなかに」)

「ホントにほんと。小人がいたんだって。箱の中に」

(かたりおえたかのじょへ、ぎゅうにゅうびんのほかになにかべつのものもはいっていて、)

語り終えた彼女へ、牛乳ビンの他になにか別のものも入っていて、

(それがかおのようにみえたのではないかというぎもんがていされたが、)

それが顔のように見えたのではないかという疑問がていされたが、

(かのじょはあくまでもみまちがいではないとしゅちょうした。)

彼女はあくまでも見間違いではないと主張した。

(いえのひとがとりわすれたのであろうぎゅうにゅうびんについて、よなかこびとが)

家の人が取り忘れたのであろう牛乳ビンについて、夜中小人が

(なにごとかはなしあっていたというのか。きみょうなはなしだ。)

なにごとか話し合っていたというのか。奇妙な話だ。

(「それにかおみるまえにこえがきこえていたし。びん、びんって」)

「それに顔見る前に声が聞こえていたし。ビン、ビンって」

(「でもそれって、はいたつようのはこがさきにめにはいってたからきこえたげんちょうじゃないの」)

「でもそれって、配達用の箱が先に目に入ってたから聞こえた現調じゃないの」

(「なんで。びんだけじゃなくてこーひーとかもいってたし。)

「なんで。ビンだけじゃなくてコーヒーとかも言ってたし。

など

(こーひーってなんだろうっておもったもん。それではこのふたあけたら、)

コーヒーってなんだろうって思ったもん。それではこの蓋開けたら、

(ぎゅうにゅうびんがにほんあって、かたほうしょくがちがうんだよ」)

牛乳ビンが二本あって、片方色が違うんだよ」

(「え?」)

「え?」

(まわりのなかまがきみのわるそうなこえをだした。)

周りの仲間が気味の悪そうな声を出した。

(「だから、かたほうこーひーぎゅうにゅうだったんだって」)

「だから、片方コーヒー牛乳だったんだって」

(なるほど。はこをあけるまでしりえなかったじょうほうがあらかじめ)

なるほど。箱を開けるまで知りえなかった情報があらかじめ

(しめされていたわけだ。げんちょうだといっていたひとりもうすきみわるそうにだまりこんだ。)

示されていたわけだ。幻聴だと言っていた一人も薄気味悪そうに黙り込んだ。

(「じつはぼくもこのあいだ・・・・・」)

「実は僕もこの間・・・・・」

(それまでだまってきいていたおとこがてをあげたかとおもうと、おずおずとはなしはじめた。)

それまで黙って聞いていた男が手を挙げたかと思うと、おずおずと話し始めた。

(すうじつまえ、まよなかにへやにひとりでいたとき、ふいにだれかのしせんをかんじて、)

数日前、真夜中に部屋に一人でいたとき、ふいに誰かの視線を感じて、

(おもわず「だれだ」とくちにしたものの、だれもいるはずがないとくしょうした。)

思わず「誰だ」と口にしたものの、誰もいるはずがないと苦笑した。

(そのちょくごにまただれかのしせんをくびすじにかんじる。さすようなしせん。)

その直後にまた誰かの視線を首筋に感じる。刺すような視線。

(うそだろう、とおもいながらしせんのかんじるさきにおそるおそるちかづけていくと、)

うそだろう、と思いながら視線の感じる先に恐る恐る近づけていくと、

(ほんだなのうしろにおんなのよこがおがみえた。)

本棚の後ろに女の横顔が見えた。

(かおのひだりはんぶんだけがかべとほんだなのすきまからのぞいていて、めだけがぎょろりと)

顔の左半分だけが壁と本棚の隙間から覗いていて、眼だけがギョロリと

(こちらをみている。そんなすきまなんて、あってもいちせんちか、にせんちだろう。)

こちらを見ている。そんな隙間なんて、あっても一センチか、二センチだろう。

(かれはさけびごえをあげて、ちかくにあったざっしをかおになげつけた。)

彼は叫び声を上げて、近くにあった雑誌を顔に投げつけた。

(かべにあたってずるずるとおちるざっしのむこうにみょうにくすんだはだいろがまだ)

壁にあたってずるずると落ちる雑誌の向こうに妙にくすんだ肌色がまだ

(みえたきがして、わめきながらざっしといわずそこらにあったものを)

見えた気がして、喚きながら雑誌と言わずそこらにあったものを

(てあたりしだいになげつけた。)

手当たり次第に投げつけた。

(なにもなげるものがなくなったころ、あらいいきをはきながらそちらをみると、)

何も投げるものがなくなったころ、荒い息を吐きながらそちらを見ると、

(もうかおはみえなくなっていた。かれはほんだなにぜんしんをあずけ、わずかなすきまも)

もう顔は見えなくなっていた。彼は本棚に全身を預け、わずかな隙間も

(なくなるようにかべにむかってちからいっぱいおしつけた。)

なくなるように壁に向かって力いっぱい押し付けた。

(こどものころにそぼにならったうろおぼえのおきょうをとなえながら。)

子どものころに祖母に習ったうろ覚えのお経を唱えながら。

(「それからそのかお、でたの?」)

「それからその顔、出たの?」

(「いや、そのときだけ。でもあんなのみちゃったらねてられないよ。)

「いや、その時だけ。でもあんなの見ちゃったら寝てられないよ。

(ひっこそうかなあ」)

引っ越そうかなあ」

(「そういや、わたしもともだちにきいたんだけど、ついさいきん・・・・・」)

「そういや、私も友だちに聞いたんだけど、つい最近・・・・・」

(そうしてそのあとも、こびとやありえないほどせまいばしょで)

そうしてその後も、小人やありえないほど狭い場所で

(ひとのすがたをみたというようなかいだんばなしがくちぐちにかたられていった。)

人の姿を見たというような怪談話が口々に語られていった。

(ほんにんがたいけんしたというはなしはさいしょのさんにんだけだったけれど、)

本人が体験したという話は最初の三人だけだったけれど、

(これほどにたようなたいけんだんがあふれでてくるときみがわるい。)

これほど似たような体験談が溢れ出てくると気味が悪い。

(ぼくはだまってあいづちをうっているだけだったが、)

僕は黙って相槌を打っているだけだったが、

(どれもさいきんのはなしだということにひっかかりをおぼえていた。)

どれも最近の話だということに引っ掛かりを覚えていた。

(あえてくちにださなかったが、じつはじぶんじしんもみっかほどまえにちいさいひとをみていた。)

あえて口に出さなかったが、実は自分自身も三日ほど前に小さい人を見ていた。

(ゆうしょくごにきんじょをさんぽしていたときのことだ。)

夕食後に近所を散歩していたときのことだ。

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