連想Ⅰ -3-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ぎんなんまる 8341 8.6 96.7% 356.3 3076 104 55 2026/02/16
2 berry 8284 8.3 98.9% 364.4 3051 32 55 2026/02/16
3 subaru 8038 8.2 97.5% 372.2 3070 78 55 2026/02/16
4 Jyo 6107 A++ 6.2 98.1% 490.2 3053 59 55 2026/02/13

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問題文

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(まなみのそふはそのちかのどぞうをこのみ、いつもひとりでそこにこもっては、) 真奈美の祖父はその地下の土蔵を好み、いつも一人でそこに篭っては、 (しょくだいのあかりをたよりにふるいしょもつをよんだり、かきものをしたりしていた。) 燭台の明かりを頼りに古い書物を読んだり、書き物をしたりしていた。 (まなみはそのどぞうがこわかった。ちちのいう、「いようなふんいき」は) 真奈美はその土蔵が怖かった。父の言う、「異様な雰囲気」は (たしかにかんじられたし、どぞうへいたるまでのくらくせまいつうろもいやでたまらなかった。) 確かに感じられたし、土蔵へ至るまでの暗く狭い通路も嫌で堪らなかった。 (きょりにしてわずかじゅうめーとるほどのはずだったが、ときにそれが) 距離にしてわずか十メートルほどのはずだったが、時にそれが (ながくかんじることがあった。とちゅうでつうろがにかい、いなずまのようにおれており、) 長く感じることがあった。途中で通路が二回、稲妻のように折れており、 (さきがみとおせないこうぞうになっているのが、よけいにふあんをかきたてた。) 先が見通せない構造になっているのが、余計に不安を掻き立てた。 (ほんたくからむかうと、まずみぎにおれ、すぐにひだりにおれるはずだった。) 本宅から向かうと、まず右に折れ、すぐに左に折れるはずだった。 (しかし、いちぞくのれきしのあんぶにおりかさなる、すすやほこりがじゅうまんしたそのつうろは、) しかし、一族の歴史の暗部に折り重なる、煤や埃が充満したその通路は、 (まなみのおさなごころにげんそうのようなきおくをうえつけていた。) 真奈美の幼心に幻想のような記憶を植え付けていた。 (みぎにおれ、ひだりにおれ、つぎにまたみぎにおれる。) 右に折れ、左に折れ、次にまた右に折れる。 (ないはずのかくがひとつ、どこからともなくあらわれていた。) ないはずの角がひとつ、どこからともなく現れていた。 (こわくなってひきかえそうとしたら、ゆきどまりからみぎへつうろはまがっていた。) 怖くなって引き返そうとしたら、行き止まりから右へ通路は曲がっていた。 (さっきみぎにおれたばかりなのに、もどろうとすると、ぎゃくむきになっているのだ。) さっき右に折れたばかりなのに、戻ろうとすると、逆向きになっているのだ。 (そのとき、どうやってそとへでたのか。なぜかおぼえてはいなかった。) その時、どうやって外へ出たのか。何故か覚えてはいなかった。 (そればかりではない。たったじゅうめーとるのつうろをとおりぬけるのに、) そればかりではない。たった十メートルの通路を通り抜けるのに、 (じゅっぷんいじょうのじかんがたっていたこともあった。) 十分以上の時間が経っていたこともあった。 (おさないころのきおくとはいえ、そんなことはいちどやにどではなかった。) 幼いころの記憶とは言え、そんなことは一度や二度ではなかった。 (そんなおそろしいみちをもぐって、なぜどぞうへむかうのか。) そんな恐ろしい道を潜って、何故土蔵へ向かうのか。 (それはそふがそこにいたからだ。まなみはそのかわりもののそふがすきで、) それは祖父がそこにいたからだ。真奈美はその変わり者の祖父が好きで、
など
(ちかのどぞうでどくしょをしているのをじゃましては、おはなしをせがんだり、) 地下の土蔵で読書をしているのを邪魔しては、お話をせがんだり、 (おかしをせがんだりした。) お菓子をせがんだりした。 (そふもいやなかおひとつせず、むしろそうごうをくずしておさないまなみのあいてをしてくれた。) 祖父も嫌な顔一つせず、むしろ相好を崩して幼い真奈美の相手をしてくれた。 (そのそふはまなみがしょうがっこうごねんせいのときにしんだ。いがんだった。) その祖父は真奈美が小学校五年生の時に死んだ。胃癌だった。 (しぬまぎわ、もはやもるひねもきかないとうつうのなか、そふがうわごとのように) 死ぬ間際、もはやモルヒネも効かない疼痛の中、祖父がうわ言のように (ねがったのは、じぶんのほねをあのちかのどぞうにおさめてくれ、というものだった。) 願ったのは、自分の骨をあの地下の土蔵に納めてくれ、というものだった。 (そふがしに、のこされたしんぞくでそうだんしたけっか、そふのからだはだびにふしたあと、) 祖父が死に、残された親族で相談した結果、祖父の身体は荼毘に付した後、 (せんぞだいだいのはかにはいった。ただ、そのほねのひとかけらをちいさなつぼにおさめて) 先祖代々の墓に入った。ただ、その骨のひと欠片を小さな壺に納めて (どぞうのおくにひっそりとしまったのだった。) 土蔵の奥にひっそりと仕舞ったのだった。 (それいらい、どぞうのちかはよほどのことがないかぎり) それ以来、土蔵のちかはよほどのことがない限り (かぞくのだれひとりとしてあしをふみいれない、しせるくうかんとなった。) 家族の誰一人として足を踏み入れない、死せる空間となった。 (せんぞだいだいつたわるしょもつやこっとうひんのるいは、それらすべてが) 先祖代々伝わる書物や骨董品の類は、それらすべてが (そふのしのふくそうひんとなったかのように、くらいくらのなかでねむっている。) 祖父の死の副葬品となったかのように、暗い蔵の中で眠っている。 (ふんぼ。) 墳墓。 (そんなことばがおもいうかぶばしょだった。) そんな言葉が思い浮かぶ場所だった。 (そふのしからじゅうごねんがたった。) 祖父の死から十五年が経った。 (そのひ、まなみははんとしぶりにそのちかのどぞうへあしをはこぶはめになっていた。) その日、真奈美は半年ぶりにその地下の土蔵へ足を運ぶ羽目になっていた。 (おじが、でんわでどうしてもとたのむでしかたなくだ。) 叔父が、電話でどうしてもと頼むで仕方なくだ。 (どうやらなにかのてれびばんぐみで、えどじだいのあるたいかのつくったちゃつぼが) どうやら何かのテレビ番組で、江戸時代のある大家の作った茶壷が (たかねでらくさつされているのをみたらしい。) 高値で落札されているのを見たらしい。 (そのちゃつぼとそっくりなものを、むかしそのどぞうでみたことがあるきがする) その茶壷とそっくりなものを、昔その土蔵で見たことがある気がする (というのだ。) というのだ。 (いまはけんがいにすんでいるおじは、おかねにいじきたないところがあり) 今は県外に住んでいる叔父は、お金に意地汚いところがあり (まなみはすきではなかったのだが、とにかくそのちゃつぼが) 真奈美は好きではなかったのだが、とにかくその茶壷が (たいかのつくったものだとしたらしんぞくかいぎものだから、) 大家の作ったものだとしたら親族会議モノだから、 (とりあえずさがしてくれ、といっぽうてきにいうのだ。) とりあえず探してくれ、と一方的に言うのだ。 (しんぞくかいぎもなにも、いえをでたおじになんのけんりがあるのか、といきどおったが、) 親族会議もなにも、家を出た叔父になんの権利があるのか、と憤ったが、 (ちちにいうと「どうせそんなすごいつぼなんてないよ。) 父に言うと「どうせそんな凄い壺なんてないよ。 (あいつもかんちがいだとわかったらきがすむだろう」とわらうのだ。) あいつも勘違いだと分かったら気が済むだろう」と笑うのだ。 (それでまなみはどぞうへちゃつぼをさがしにいかされることになったのだった。) それで真奈美は土蔵へ茶壷を探しに行かされることになったのだった。 (ほんたくのちかにおり、きいろいでんとうにてらされたたたみじきのへやをとおって、) 本宅の地下におり、黄色い電灯に照らされた畳敷きの部屋を通って、 (そのおくにあるちいさなでいりぐちにしんたいをすべりこませる。) その奥にある小さな出入り口に身体を滑り込ませる。 (そこからつうじょうのはんぶんていどのながさのかいだんがさらにちかへのびており、) そこから通常の半分程度の長さの階段がさらに地下へ伸びており、 (おりたさきにどぞうへとのびるかいだんがあった。) 降りた先に土蔵へと伸びる階段があった。 (すえたようなくうきのながれがびこうにかすかにかんじられる。) 饐えたような空気の流れが鼻腔に微かに感じられる。
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