巨人の研究 -9-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文

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(だいいちのぶんるいが「でんせつじょうのきょじん」)

第一の分類が「伝説上の巨人」

(だいにのぶんるいが「きょじんしょうによるきょじん」)

第二の分類が「巨人症による巨人」

(だいさんのぶんるいが「umaとしてのきょじん」)

第三の分類が「UMAとしての巨人」

(だいよんのぶんるいが「じんるいのえんせきとしてのきょじん」)

第四の分類が「人類の縁戚としての巨人」

(だいごのぶんるいが「ようかいとしてのきょじん」)

第五の分類が「妖怪としての巨人」

(だいろくのぶんるいが「ふぃくしょんとしてのきょじん」)

第六の分類が「フィクションとしての巨人」

(このむっつのぶんるいをながめながら、なんてむだなろうりょくをつかうのだ、とためいきをついた。)

この六つの分類を眺めながら、なんて無駄な労力を使うのだ、と溜息をついた。

(「どれがこんかいふえたきょじんなんです」)

「どれが今回増えた巨人なんです」

(もちろんいやみだ。)

もちろん厭味だ。

(ししょうはそれにはこたえず、ふふふといみふけにわらうだけだった。)

師匠はそれには答えず、ふふふと意味深に笑うだけだった。

(これだけきょじんのことをしらべあげて、ほんとうになにがしたいのだろう。)

これだけ巨人のことを調べ上げて、本当に何がしたいのだろう。

(「こびとのはなしをいっぱいあつめたそうですけど、そっちはどうなんですか」)

「小人の話をいっぱい集めたそうですけど、そっちはどうなんですか」

(「こびとか。こびとのことはまだしらべきれてないが、とりあえずあつめたもくげきれいでは)

「小人か。小人のことはまだ調べ切れてないが、とりあえず集めた目撃例では

(さまざまなぱたーんがあるな。ちいさいおっさんてのがいちばんおおいけど、)

様々なパターンがあるな。小さいおっさんてのが一番多いけど、

(おんなやこどものすがたのものもあった。)

女や子どもの姿のものもあった。

(でるしちゅえーしょんもいろいろで、いえのなかとかがっこう、びょういんなんかのおくないもあれば)

出るシチュエーションも色々で、家の中とか学校、病院なんかの屋内もあれば

(そのへんのみちばたでってのもおおかった。)

そのへんの道端でってのも多かった。

(しんれいすぽっとでみた、なんてのもあったな。)

心霊スポットで見た、なんてのもあったな。

(かぞくやともだちすうにんでどうじにみたというけーすもあったけど、)

家族や友だち数人で同時に見たというケースもあったけど、

(きほんてきにはひとりで、しかもよるにみるというぱたーんがほとんどだった」)

基本的には一人で、しかも夜に見るというパターンがほとんどだった」

など

(ぼくはききながら、まるでゆうれいとおなじだな、とおもった。)

僕は聴きながら、まるで幽霊と同じだな、と思った。

(「さっきがきどもからきいたはなしのなかに、しょうにんをつかまえたってのがあった」)

「さっきガキどもから聞いた話の中に、小人を捕まえたってのがあった」

(「がきどもって、あのやきゅうしょうねんたちですか」)

「ガキどもって、あの野球少年たちですか」

(それでのーとをもっていっていたのか。)

それでノートを持っていっていたのか。

(「いえのきんじょのみぞのなかにぶるぶるふるえてるちいさいおっさんがいたから、)

「家の近所の溝の中にぶるぶる震えてる小さいおっさんがいたから、

(つかまえてからのすいとうにおしこんでふたをしめたんだと。すごいことしやがるな。)

捕まえてカラの水筒に押し込んで蓋を閉めたんだと。凄いことしやがるな。

(でも、おもさがからのときとおなじくなんかかるいきがして、)

でも、重さがカラの時と同じくなんか軽い気がして、

(いえにかえってからあけてみたら、なかにはなにもはいっていなかったらしい」)

家に帰ってから開けてみたら、中には何も入っていなかったらしい」

(「さいしょはてでさわれたのにですか」)

「最初は手で触れたのにですか」

(ししょうはにやりとわらう。)

師匠はニヤリと笑う。

(「げんだいにおけるこびととのそうぐうたんというのは、ほとんどがただ「みた」)

「現代における小人との遭遇譚というのは、ほとんどがただ「見た」

(というだけのもので、それをさわってどうにかしたというはなしはすくない。)

というだけのもので、それを触ってどうにかしたという話は少ない。

(だからそれがてでさわることができないれいてきなものなのかどうか、)

だからそれが手で触ることができない霊的なものなのかどうか、

(というぶぶんがあいまいなままだ。こんかいのけーすは、いちどはふれたのに)

という部分が曖昧なままだ。今回のケースは、一度は触れたのに

(いつのまにかふかのうじょうたいからしょうしつしている。)

いつの間にか不可能状態から消失している。

(しんや、たくしーにのってきて、きがつくといなくなっているという)

深夜、タクシーに乗って来て、気がつくといなくなっているという

(ゆうれいのはなしにちかいきもするけど、どうだろうか」)

幽霊の話に近い気もするけど、どうだろうか」

(こびとが、じったいをもったそんざいなのかどうか、か。このあいだあすふぁるとへ)

小人が、実体を持った存在なのかどうか、か。このあいだアスファルトへ

(すいこまれていったしょうにんをみてしまったときに、)

吸い込まれていった小人を見てしまった時に、

(あしをつかんでひっぱりだそうとしてみればよかった。)

足を掴んで引っ張り出そうとしてみればよかった。

(「わたしがこわいとおもうのは、だ」)

「わたしが怖いと思うのは、だ」

(ししょうはいやにしんちょうなくちぶりでかおをこちらにつきだした。)

師匠はいやに慎重な口ぶりで顔をこちらに突き出した。

(「どのはなしにもきょうつうてんがあまりみられないということだ」)

「どの話にも共通点があまり見られないということだ」

(「それのどこがこわいんです」)

「それのどこが怖いんです」

(「なにかきょうつうのげんいんがあれば、さいきんのもくげきだんのおおさにもせつめいが)

「なにか共通の原因があれば、最近の目撃談の多さにも説明が

(つきそうなものだけど、たとえばこどものえいきょうりょくのつよいばらえてぃばんぐみで)

つきそうなものだけど、例えば子どもの影響力の強いバラエティ番組で

(ちいさいおっさんのはなしがとりあげられた、とかな」)

小さいおっさんの話が取り上げられた、とかな」

(「それって、ともだちのあいだのわだいについていきたいこどもがつくりばなしをする、)

「それって、友だちの間の話題について行きたい子どもが作り話をする、

(ってことですか」)

ってことですか」

(「つくりばなしとはかぎらないよ。おもいこみがげんいんでも、けっかてきに「みてしまう」)

「作り話とは限らないよ。思い込みが原因でも、結果的に「見てしまう」

(ということはある」)

ということはある」

(なるほど。そういうこともあるのかもしれない。)

なるほど。そういうこともあるのかも知れない。

(「それなら、そのてれびばんぐみとおなじしちゅえーしょんでちいさいおっさんをみた、)

「それなら、そのテレビ番組と同じシチュエーションで小さいおっさんを見た、

(というはなしばかりふえてもいいようなものだ。しかし、さっきいったように)

という話ばかり増えてもいいようなものだ。しかし、さっき言ったように

(さいきんのもくげきれいはぶんるいかできないほどさまざまで、どうもきもちがわるい。)

最近の目撃例は分類化できないほど様々で、どうも気持ちが悪い。

(それぞれのこじんてきなたいけんのぶんぷが、そうたいでみると、あるみつどを)

それぞれの個人的な体験の分布が、総体で見ると、ある密度を

(もってしまっている。こういうまるでいみがあるのかようなぐうぜんのしゅうせきからだは、)

持ってしまっている。こういうまるで意味があるのかような偶然の集積体は、

(わたしのけいけんじょう・・・・・」)

わたしの経験上・・・・・」

(ししょうはことばをきってから、ゆっくりとくちをあいた。)

師匠は言葉を切ってから、ゆっくりと口を開いた。

(「こわい」)

「怖い」

(しんけんなひょうじょうだった。こちらまでいずまいをたださなくてはならないような。)

真剣な表情だった。こちらまで居住まいを正さなくてはならないような。

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