桜雨 -2-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
cicciさんのアカウント
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 8029 | 神 | 8.1 | 98.3% | 383.6 | 3133 | 53 | 65 | 2026/04/15 |
| 2 | HAKU | 7531 | 神 | 7.8 | 95.8% | 401.8 | 3163 | 137 | 65 | 2026/04/16 |
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問題文
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(きいてみると、やはりそのざびえるはがくせいせいかつのてきであり、)
訊いてみると、やはりそのザビエルは学生生活の敵であり、
(よくどなられたのだそうだ。そのころのことをおもいだして)
よく怒鳴られたのだそうだ。そのころのことを思い出して
(だんだんはらがたってきたのか、にくにくしげにうでぐみをした。)
だんだん腹が立ってきたのか、憎々しげに腕組みをした。
(てにかかげたあまぐりのふくろががさりとおとをたてる。)
手に掲げた甘栗の袋がガサリと音を立てる。
(「ざびえるって、おもしろいあだなですね」)
「ザビエルって、面白いあだ名ですね」
(おれがそういうと、きょうすけさんはふっ、とやわらかなひょうじょうになり、)
俺がそう言うと、京介さんはふっ、とやわらかな表情になり、
(「そうだな」とくちをひらいた。)
「そうだな」と口を開いた。
(そうしてゆっくりとおもいでをつむぐようにかたりはじめたのだった。)
そうしてゆっくりと思い出を紡ぐように語り始めたのだった。
(きょうすけさんからきいたはなしだ。)
京介さんから聞いた話だ。
(さくらがさいていた。)
桜が咲いていた。
(ふみしめたつちのかんしょく。あしのうらにかんじるやわらかなだんりょくで、)
踏みしめた土の感触。足の裏に感じる柔らかな弾力で、
(いてついたふゆがさっていったことをつげているきがする。)
凍てついた冬が去って行ったことを告げている気がする。
(いえのちかくのかわぞいになみきがあり、それがなんのきなのかいつもは)
家の近くの川沿いに並木があり、それがなんの木なのかいつもは
(いしきすることはないのだが、はださむさがうすれ、ふきつけるかぜのなかにも)
意識することはないのだが、肌寒さが薄れ、吹き付ける風の中にも
(なにかやわらかいものがとおったあるひ、)
なにか柔らかいものが通ったある日、
(きがつくと、そのえだのさきにしろいはながさいていた。)
気がつくと、その枝の先に白い花が咲いていた。
(たちどまってみあげていると、なんともいえないきもちになる。)
立ち止まって見上げていると、なんとも言えない気持ちになる。
(どうしてさくらだけがとくべつなのだろう。はるという、わかれとであい、)
どうして桜だけが特別なのだろう。春という、別れと出会い、
(そしておわりとはじまりのふしめのじきにさくはなだからだろうか。)
そして終わりと始まりの節目の時期に咲く花だからだろうか。
(しろのなかにすうてきのちをまぜたような、みるひとをおちつかなくさせる、)
白の中に数滴の血を混ぜたような、見る人を落ち着かなくさせる、
など
(ほのかないろをしているからだろうか。)
ほのかな色をしているからだろうか。
(わたしはさむいのはきらいだ。)
私は寒いのは嫌いだ。
(さむいくらいならあついほうがよい。じゅういちがつごろにかんじるはだざむさは、)
寒いくらいなら暑い方が良い。十一月ごろに感じる肌寒さは、
(これからいやおうなしにひびさむさがましていくしけいせんこくのようにかんじられて、)
これから否応なしに日々寒さが増していく死刑宣告のように感じられて、
(すくいのないきもちになる。)
救いのない気持ちになる。
(でもそれはじっさいにはしけいせんこくではなく、ちょうえきけいであって、)
でもそれは実際には死刑宣告ではなく、懲役刑であって、
(そのけいきがついにあけるひがやってきたのだった。)
その刑期がついに明ける日がやってきたのだった。
(もちろん、はだざわりがかわったとはいっても、きょうのさむさもまだまだわたしにはつらい。)
もちろん、肌触りが変わったとは言っても、今日の寒さもまだまだ私には辛い。
(それでも、さくらがさいているというそれだけで、)
それでも、桜が咲いているというそれだけで、
(なにもかもゆるしていきていけるきがする。)
なにもかも許して生きていける気がする。
(ちゅうがっこうをそつぎょうして、じもとのじょしこうににゅうがくしたばかりのころだ。)
中学校を卒業して、地元の女子校に入学したばかりのころだ。
(きているせいふくがかわっただけで、なかみはなにもかわっていないはずなのに、)
着ている制服が変わっただけで、中身はなにも変わっていないはずなのに、
(しゅういにもとめられるものはずいぶんかわってしまった。)
周囲に求められるものは随分変わってしまった。
(おやからは「もうこうこうせいなんだから、しっかりしない」というこごとを)
親からは「もう高校生なんだから、しっかりしない」という小言を
(きかされることがふえ、がっこうからは「こうこうせいのじかく」という、)
聞かされることが増え、学校からは「高校生の自覚」という、
(よくわからないものをもてといわれる。)
よく分からないものを持てと言われる。
(くだらない。)
くだらない。
(そうおもういっぽうで、なにかじぶんでもかえていきたいといういしきが)
そう思う一方で、なにか自分でも変えていきたいという意識が
(たしかにあったのだとおもう。)
確かにあったのだと思う。
(わたしはこうこうせいになったことをきに、たばこのほんすうをへらすことを)
私は高校生になったことを期に、タバコの本数を減らすことを
(ひそかにこころにちかった。さっそくこうしゃのうらに、にんきのないぜっこうのすぽっとを)
密かに心に誓った。さっそく校舎の裏に、人気のない絶好のスポットを
(みつけたときも、ほんすうはひかえめにしたのだ。)
見つけた時も、本数は控えめにしたのだ。
(きぶんがよかった。)
気分が良かった。
(ともだちもできた。よーこという、よくしゃべるげんきなこだ。)
友だちも出来た。ヨーコという、よく喋る元気な子だ。
(そのときのげんきのよさとこうどうりょくにふりまわされているというのが)
その時の元気の良さと行動力に振り回されているというのが
(ほんとうのところだけれど、わるいきぶんではなかった。)
本当のところだけれど、悪い気分ではなかった。
(そうして、わたしのこうこうせいとしてのひびがゆっくりとすすみはじめたあるひ、)
そうして、私の高校生としての日々がゆっくりと進み始めたある日、
(げこうとちゅうにこうもんからでたばかりのあたりでおおきなはやしたてるようなこえが)
下校途中に校門から出たばかりのあたりで大きな囃したてるような声が
(きこえて、おもわずかおをあげた。)
聞こえて、思わず顔を上げた。
(「あ~、ざびえるがこれとあるいてる~」)
「あ〜、ザビエルがコレと歩いてる〜」
(わたしのすぐそばにいたふたりぐみのじょしせいとがゆびをたてながら、)
私のすぐそばにいた二人組の女子生徒が指を立てながら、
(ちゃかしたようにかんせいをあげている。じょうきゅうせいのようだった。)
ちゃかしたように歓声を上げている。上級生のようだった。
(そのしせんのさきをみると、みおぼえのあるはげあたまがめにはいった。)
その視線の先を見ると、見覚えのあるハゲ頭が目に入った。
(「きょうしにむかって、からかうようなことをいうんじゃない」)
「教師に向かって、からかうようなことを言うんじゃない」
(そんなことをまくしたてながら、はげあたまはいかってこちらにやってこようとした。)
そんなことを捲し立てながら、ハゲ頭は怒ってこちらにやってこようとした。
(ににんぐみはさほどあわてたかぜもなく、わざとらしく「きゃー」といいながら、)
二人組はさほど慌てた風もなく、わざとらしく「キャー」と言いながら、
(こうしゃのほうへにげもどっていった。)
校舎のほうへ逃げ戻って行った。
(はげあたまは「まったくあいつらは」とはきすてるようにつぶやいたあと、)
ハゲ頭は「まったくあいつらは」と吐き捨てるように呟いたあと、
(つれのじょせいにへこへことあたまをさげた。)
連れの女性にヘコヘコと頭を下げた。
(「すみませんね、のだせんせい」)
「すみませんね、野田先生」
(じょせいのほうはいいえといいながらわらっていた。)
女性の方はいいえと言いながら笑っていた。
(びじょとやじゅうだと、わたしはおもった。)
美女と野獣だと、私は思った。
(はためにもつりあいがとれていないし、げんにそうてにされていないようにみえた。)
はた目にもつり合いが取れていないし、現に相手にされていないように見えた。
(そのひくつなたいどもぎゃくこうかだときづかないのだろうか。)
その卑屈な態度も逆効果だと気付かないのだろうか。
(とおくないであろうそのしつれんをおもうとすこしかわいそうになった。)
遠くないであろうその失恋を思うと少しかわいそうになった。