本 -7-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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2 berry 8020 8.1 98.4% 309.2 2520 40 64 2026/05/20

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問題文

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(たえがたいしょうどうにおれはたえた。) 耐え難い衝動に俺は耐えた。 (そのぺーじにはそのぶんしょうだけがかいてある。) そのページにはその文章だけが書いてある。 (おれはつぎのぺーじをまくらず、じっとかんがえる。このいじょうなげんしょうのこんげんのことを。) 俺は次のページを捲らず、じっと考える。この異常な現象の根源のことを。 (それはぶっしつとしてのこのほんではない。) それは物質としてのこの本ではない。 (なぜならもやしてもやぶりすてても、「よるのしょ」はつぎのほんへうつるからだ。) なぜなら燃やしても破り捨てても、「夜の書」は次の本へ移るからだ。 (だったらこんげんとはなんだ。) だったら根源とはなんだ。 (このるーぷはどうやってうちやぶる?) このループはどうやって打ち破る? (しこうがおともなくはしる。) 思考が音もなく走る。 (よるのしょ。) 夜の書。 (よるにしかよめないほん。) 夜にしか読めない本。 (よるにしか・・・・・) 夜にしか・・・・・ (いつからかははっきりしないが、このかいげんしょうがななふしぎにかぞえられ、) いつからかははっきりしないが、この怪現象が七不思議に数えられ、 (かこからげんざいまでまだつづいているということは、) 過去から現在までまだ続いているということは、 (げんしょうをやぶるにはだれもやっていないことをしなければならない。) 現象を破るには誰もやっていないことをしなければならない。 (かんがえる。) 考える。 (かんがえる。) 考える。 (なんだ) なんだ (それは、なんだ。) それは、なんだ。 (しばらくかんがえたあと、おれはしこうのながれをかえた。) しばらく考えた後、俺は思考の流れを変えた。 (ぎゃくはどうだ。だれもやっていないことをする、のぎゃく。それは。) 逆はどうだ。誰もやっていないことをする、の逆。それは。
など
(だれもがやったことをしない・・・・・) 誰もがやったことをしない・・・・・ (はっとした。) ハッとした。 (だれもがやったこと。) 誰もがやったこと。 (だれもが。もやしたひとも、ずたずたにやぶりすてたひとも。) 誰もが。燃やした人も、ズタズタに破り捨てた人も。 (だれもがやっていること。それをしなければいい。) 誰もがやっていること。それをしなければいい。 (おれはふいに、さめていくじぶんにきづいた。) 俺はふいに、冷めていく自分に気づいた。 (そうか。こんなことか。) そうか。こんなことか。 (かたのちからがふっとぬけて、おれはやみのなかでほんをつかんだ。) 肩の力がふっと抜けて、俺は闇の中で本を掴んだ。 (そのままてさぐりでべらんだのあるまどのちかくにもっていく。) そのまま手探りでベランダのある窓の近くに持っていく。 (そうして、ほんのぺーじをひらいたまままどぎわにおいた。) そうして、本のページを開いたまま窓際に置いた。 (あくびをして、こたつにはいる。さいきんはぶしょうがすぎてべっどにもはいらず、) 欠伸をして、こたつに入る。最近は不精が過ぎてベッドにも入らず、 (こたつにくびまでもぐりこんでねるのだった。) こたつに首まで潜り込んで寝るのだった。 (はをみがいてないな、とおもったが、まあいいやとねむりにおちた。) 歯を磨いてないな、と思ったが、まあいいやと眠りに落ちた。 (つぎのひ、めがさめるとかーてんごしにあさのひかりがまぶしいほどさしこんでいた。) 次の日、目が覚めるとカーテン越しに朝の光が眩しいほど射し込んでいた。 (てんきよほうどおりのかいせいだ。) 天気予報通りの快晴だ。 (こたつからむくりとはいでて、おれはまどぎわのほんをかくにんする。) こたつからムクリと這い出て、俺は窓際の本を確認する。 (きのうおいたままのかっこうで、ほんはあさのようこうをあびていた。) 昨日置いたままの格好で、本は朝の陽光を浴びていた。 (ひらいているぺーじには、きのうのそれまんじんのいさんにかんするものがたりのつづきが) 開いているページには、昨日のソレマン人の遺産に関する物語の続きが (のっていて、きみょうなぶんしょうなどひとつもみあたらなかった。) 載っていて、奇妙な文章など一つも見当たらなかった。 (もちろんどのぺーじにもだ。) もちろんどのページにもだ。 (かいいのみなもとはいまひとつはっきりしなかったけれど、) 怪異の源はいまひとつはっきりしなかったけれど、 (たいていのよるのかいげんしょうはこいつにはかなわない。) たいていの夜の怪現象はこいつには敵わない。 (あさのひかりには。) 朝の光には。 (これまでにおそらくだれもがやってしまったこと。) これまでに恐らく誰もがやってしまったこと。 (それはほんをとじてしまったことだ。) それは本を閉じてしまったことだ。 (つまり、よなかにひらいた「よるのしょ」としてのぺーじをとじてしまい、) つまり、夜中に開いた「夜の書」としてのページを閉じてしまい、 (けっかとしてかいいのこんげんがあさのひかりをあびることがなかった。) 結果として怪異の根源が朝の光を浴びることがなかった。 (そんなことでよかったのに。) そんなことで良かったのに。 (まあ、こんなもんかね。) まあ、こんなもんかね。 (おれはひとばんちゅうこたつにくるまっていてこりかたまったきんにくをほすぐべく、) 俺は一晩中こたつに包まっていてこり固まった筋肉をほすぐべく、 (おおきなのびをした。) 大きな伸びをした。 (つぎのひのよる、おれはまたじぶんのへやで「それまんのくうかんてい」をとおしてよんでみた。) 次の日の夜、俺はまた自分の部屋で「ソレマンの空間艇」を通して読んでみた。 (さいごまでよんだが、とくにいへんはおこらなかった。) 最後まで読んだが、特に異変は起こらなかった。 (そのあと、でんきをけしてみたが、ひらいたぺーじのあたりにはやはりなにもなかった。) その後、電気を消してみたが、開いたページのあたりにはやはり何もなかった。 (くらやみがあるだけだ。) 暗闇があるだけだ。 (ねんのためにもういちにちようすをみてから、おれはおんきょうをぜんかいのかれーやによびだした。) 念のためにもう一日様子を見てから、俺は音響を前回のカレー屋に呼び出した。 (がいようをせつめいし、ほんをてーぶるにおいてからそっちへおしやる。) 概要を説明し、本をテーブルに置いてからそっちへ押しやる。 (「あさのひかりで、ねえ」) 「朝の光で、ねえ」 (ふうん、というひょうじょうでおんきょうはちいさくうなずいている。) ふうん、という表情で音響は小さく頷いている。 (「しんだの?」) 「死んだの?」 (ほんをゆびさしてそうきくので、「たぶん」とこたえる。) 本を指さしてそう訊くので、「たぶん」と答える。 (「もやしたときとおなじで、けっきょくべつのほんににげてるとか」) 「燃やした時と同じで、結局別の本に逃げてるとか」 (「それはないな」) 「それはないな」 (たぶん、とつけくわえる。) たぶん、と付け加える。
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