小説長文9! 第五話
恋愛小説系です!「雨音に紛れる恋」第五話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!
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問題文
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(ぶんかさいとうじつ。)
文化祭当日。
(あさからこうもんにはたくさんのせいとやらいこうしゃがあつまり、)
朝から校門にはたくさんの生徒や来校者が集まり、
(がっこうはいつもとはちがうくうきにつつまれていた。)
学校はいつもとは違う空気に包まれていた。
(「さな、おはよう。」)
「紗奈、おはよう。」
(きょうしつへはいると、みなとがすでにじゅんびをはじめていた。)
教室へ入ると、湊がすでに準備を始めていた。
(「おはよう。はやいね。」)
「おはよう。早いね。」
(「あさからやることおおいから。」)
「朝からやること多いから。」
(そういって、みなとはきょうしつのかざりつけをつづけている。)
そう言って、湊は教室の飾り付けを続けている。
(わたしもえぷろんをつけて、いそいでじゅんびをはじめた。)
私もエプロンをつけて、急いで準備を始めた。
(わたしたちのくらすは、まえからはなしていたきっさてんをひらくことになっていた。)
私たちのクラスは、前から話していた喫茶店を開くことになっていた。
(かいてんすると、つぎつぎにおきゃくさんがはいってくる。)
開店すると、次々にお客さんが入ってくる。
(「さな、さんばんてーぶるおねがい!」)
「紗奈、三番テーブルお願い!」
(「わかった!」)
「分かった!」
(ちゅうもんをとって、のみものをはこんで、あいたしょっきをかたづける。)
注文を取って、飲み物を運んで、空いた食器を片付ける。
(いそがしくてたいへんだったけれど、なぜかたのしかった。)
忙しくて大変だったけれど、なぜか楽しかった。
(そのりゆうは、きっとみなとがちかくにいるからだ。)
その理由は、きっと湊が近くにいるからだ。
(「かみやくん、これおねがい!」)
「神谷くん、これお願い!」
(「わかった。」)
「分かった。」
(だれかによばれるたび、みなとはすぐにてつだいにむかう。)
誰かに呼ばれるたび、湊はすぐに手伝いに向かう。
(いそがしいのにいやなかおをしない。)
忙しいのに嫌な顔をしない。
など
(あらためて、やさしいひとだとおもった。)
改めて、優しい人だと思った。
(ひるすぎ。)
昼過ぎ。
(ようやくきゅうけいじかんになり、わたしはなかにわのべんちへむかった。)
ようやく休憩時間になり、私は中庭のベンチへ向かった。
(「おつかれ。」)
「お疲れ。」
(すこしおくれてみなともやってくる。)
少し遅れて湊もやってくる。
(「かみやくんもおつかれさま。」)
「神谷くんもお疲れ様。」
(「つかれたな。」)
「疲れたな。」
(ふたりでべんちにすわり、こうていをながめる。)
二人でベンチに座り、校庭を眺める。
(とおくからすいそうがくぶのえんそうがきこえてきた。)
遠くから吹奏楽部の演奏が聞こえてきた。
(「ぶんかさいって、おもったよりたのしいね。」)
「文化祭って、思ったより楽しいね。」
(「うん。」)
「うん。」
(「あさくらがきっさてんやりたいっていってなかったら、やってなかったかも。」)
「朝倉が喫茶店やりたいって言ってなかったら、やってなかったかも。」
(「そうなの?」)
「そうなの?」
(「うん。だから、ありがとな。」)
「うん。だから、ありがとな。」
(わたしはすこしてれながらわらった。)
私は少し照れながら笑った。
(「わたしも、かみやくんといっしょにできてよかった。」)
「私も、神谷くんと一緒にできてよかった。」
(くちにしたあと、きゅうにはずかしくなった。)
口にしたあと、急に恥ずかしくなった。
(「......そう。」)
「......そう。」
(みなともすこしだけめをそらす。)
湊も少しだけ目をそらす。
(そのはんのうをみて、わたしはますますむねがたかなった。)
その反応を見て、私はますます胸が高鳴った。
(ごごもいそがしいじかんがつづき、きづけばへいてんのじかんになっていた。)
午後も忙しい時間が続き、気づけば閉店の時間になっていた。
(かたづけをおえるころには、そとはすっかりゆうがただった。)
片付けを終える頃には、外はすっかり夕方だった。
(「おわった......。」)
「終わった......。」
(わたしはいすにすわりこむ。)
私は椅子に座り込む。
(「おつかれ。」)
「お疲れ。」
(みなとがわらう。)
湊が笑う。
(「かみやくんも。」)
「神谷くんも。」
(「でも、たのしかった。」)
「でも、楽しかった。」
(「わたしも。」)
「私も。」
(みんながかえったあと、わたしたちはふたりできょうしつにのこっていた。)
みんなが帰ったあと、私たちは二人で教室に残っていた。
(まどのそとをみると、ゆうやけがこうしゃをあかくそめている。)
窓の外を見ると、夕焼けが校舎を赤く染めている。
(「きょう、ずっとわらってたな。」)
「今日、ずっと笑ってたな。」
(みなとがいった。)
湊が言った。
(「そうかな。」)
「そうかな。」
(「うん。」)
「うん。」
(わたしはすこしだけうれしくなった。)
私は少しだけ嬉しくなった。
(じぶんでもきづかないうちに、みなととすごすじかんがたのしみになっていた。)
自分でも気づかないうちに、湊と過ごす時間が楽しみになっていた。
(「......かみやくん。」)
「......神谷くん。」
(「なに?」)
「なに?」
(「ぶんかさい、おわっちゃったね。」)
「文化祭、終わっちゃったね。」
(「そうだな。」)
「そうだな。」
(すこしさびしい。)
少し寂しい。
(このとくべつなじかんが、おわってしまうきがした。)
この特別な時間が、終わってしまう気がした。
(すると、みなとがかばんをもちながらいった。)
すると、湊が鞄を持ちながら言った。
(「またなにかあったら、いっしょにやろう。」)
「また何かあったら、一緒にやろう。」
(「......うん。」)
「......うん。」
(そのひとことだけで、むねがあたたかくなった。)
その一言だけで、胸が温かくなった。
(こうもんをでると、ひるままではれていたそらにすこしずつくもがひろがっていた。)
校門を出ると、昼間まで晴れていた空に少しずつ雲が広がっていた。
(「あした、あめかもね。」)
「明日、雨かもね。」
(「かさ、わすれるなよ。」)
「傘、忘れるなよ。」
(みなとがそういってわらう。)
湊がそう言って笑う。
(そのことばをきいて、わたしははじめてかさをかしてもらったひのことをおもいだした。)
その言葉を聞いて、私は初めて傘を貸してもらった日のことを思い出した。
(あのひは、ただのにがてなひとだった。)
あの日は、ただの苦手な人だった。
(いまはちがう。)
今は違う。
(わたしはあるきながら、そっとむねにてをあてた。)
私は歩きながら、そっと胸に手を当てた。
(きっとわたしは、もうきづきはじめている。)
きっと私は、もう気づき始めている。
(かみやみなとのことを、ただのともだちとしてみられなくなっていることに。)
神谷湊のことを、ただの友達として見られなくなっていることに。