第1章 りんご畑の少年

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問題文

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(あおもりけんひろさきし。) 青森県弘前市。 (つがるへいやのひろいとちにかこまれたまちだった。) 津軽平野の広い土地に囲まれた町だった。 (あきになるとまちなかがあまいりんごのかおりにつつまれる。) 秋になると町中が甘いりんごの香りに包まれる。 (ちゅうがくにねんせいのささきかいとは、そのまちでうまれそだった。) 中学二年生の佐々木海斗は、その町で生まれ育った。 (いえはだいだいつづくりんごのうかだった。) 家は代々続くりんご農家だった。 (ちちもははもしごとねっしんだ。) 父も母も仕事熱心だ。 (そふもまだげんえきだった。) 祖父もまだ現役だった。 (しかしかいとだけはのうぎょうにあまりきょうみがなかった。) しかし海斗だけは農業にあまり興味がなかった。 (やすみのひになるとじてんしゃででかけてしまう。) 休みの日になると自転車で出かけてしまう。 (あるひのゆうがた。) ある日の夕方。
(しゅうかくまえのりんごばたけをあるいていたかいとはそらをみあげた。) 収穫前のりんご畑を歩いていた海斗は空を見上げた。 (あかくそまるいわきやま。) 赤く染まる岩木山。 (そのすがたはきょうもうるわしかった。) その姿は今日も美しかった。 (「あいかわらずおおきいなあ」) 「相変わらず大きいなあ」 (ひとりごとをつぶやく。) 独り言をつぶやく。 (するとはいごからこえがきこえた。) すると背後から声が聞こえた。 (「しごとしないでなにしてるんだ」) 「仕事しないで何してるんだ」 (しんゆうのくどうれんだった。) 親友の工藤蓮だった。 (「すこしくらいやすませろよ」) 「少しくらい休ませろよ」 (「おじさんさがしてたぞ」) 「おじさん探してたぞ」
など
(「げっ」) 「げっ」 (ふたりはわらいあった。) 二人は笑い合った。 (だがそのひのよる。) だがその日の夜。 (かいとのうんめいはおおきくかわる。) 海斗の運命は大きく変わる。 (そふのそうこをそうじしていたときだった。) 祖父の倉庫を掃除していた時だった。 (おくのたなからいっさつのふるびたのーとがみつかった。) 奥の棚から一冊の古びたノートが見つかった。 (ひょうしにはみなれないもじ。) 表紙には見慣れない文字。 (「あおきあかりのきろく」) 『青き灯の記録』 (かいとはきょうみをもった。) 海斗は興味を持った。 (ゆっくりとぺーじをひらく。) ゆっくりとページを開く。 (そこにはてがきのちずや、ふしぎなぶんしょうがならんでいた。) そこには手書きの地図や、不思議な文章が並んでいた。 (そしてさいごのぺーじにはこうかかれていた。) そして最後のページにはこう書かれていた。 (「えらばれたものがあおきあかりをみつけるだろう」) 『選ばれた者が青き灯を見つけるだろう』 (そのしゅんかんだった。) その瞬間だった。 (そうこのまどからあおじろいひかりがさしこんだ。) 倉庫の窓から青白い光が差し込んだ。 (かいとはおもわずふりかえった。) 海斗は思わず振り返った。 (しかしそとにはなにもない。) しかし外には何もない。 (よかぜだけがふいていた。) 夜風だけが吹いていた。 (「いまのなんだ」) 「今の何だ……」 (せすじにぞくりとしたかんかくがはしった。) 背筋にぞくりとした感覚が走った。 (そのひから。) その日から。 (かいとのへいぼんなまいにちはおわりをむかえる。) 海斗の平凡な毎日は終わりを迎える。
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