岡本かの子『茶屋知らず物語』

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プレイ回数3422難易度(5.0) 7213打 長文
祇園町の事情など知らず茶屋にやって来た二人の名僧の話。
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1 kanta 4569 C++ 4.8 95.1% 1478.6 7119 362 96 2024/02/26
2 nasara 3061 E++ 3.1 96.0% 2262.9 7224 296 96 2024/03/07

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問題文

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(げんろくきょうほうのころ、かんさいにほうげん、えんつうという2ぜんそうがありました。いずれもおうばくしゅうの)

元禄享保の頃、関西に法眼、円通という二禅僧がありました。いずれも黄檗宗の

(めいそうどくたんのしほうのでしで、せいかくもよばなれしているところからたがいはしんゆうで)

名僧独湛の嗣法の弟子で、性格も世離れしているところから互いは親友で

(ありました。ほうげんはがくもんがあってりちぎのほう、しかしそのりちぎさはよほど、ことなって)

ありました。法眼は学問があって律義の方、しかし其の律義さは余程、異って

(います。あるとき、そうをつれてげきじょうのまえをとおりました。じそうはしばいをみたくて)

います。或る時、僧を伴れて劇場の前を通りました。侍僧は芝居を見たくて

(たまりません。そこでししょうのほうげんがげきじょうのなんたるかをしらないのにつけこんで、)

堪りません。そこで師匠の法眼が劇場の何たるかを知らないのに附け込んで、

(こういいました。「ろうし、このたてもののなかにはとうといものがたくさんあるので)

斯う言いました。「老師、この建物の中には尊いものが沢山あるので

(ございます。1つおまいりしていらっしてはいかがです」ほうげんはしばらくたちどまって)

ございます。一つお詣りしていらっしては如何です」法眼は暫らく立佇って

(かんがえていましたが、てをふっていいました。「きょうはぜひいかねばならんようじが)

考えていましたが、手を振って言いました。「今日は是非行かねばならん用事が

(あるのだ。そうもしていられない。だが、そうきいたいじょうはすどおりもなるまい。)

あるのだ。そうもして居られない。だが、そう聴いた以上は素通りもなるまい。

(せめてけちえんのしるしなりと、どれ」といってきどばんのまえへいってがっしょう)

せめて結縁のしるしなりと、どれ」と言って木戸番の前へ行って合唱

(れいはいしました。えんつうのほうはむとんちゃく、ひょういつというほうです、あるひとがこのぜんそうにしょを)

礼拝しました。円通の方は無頓着、飄逸という方です、或る人が此の禅僧に書を

(たのんだことがありました。えんつうはきょうにまかせてながるるようなそうしょをかいてあたえ)

頼んだ事がありました。円通は興にまかせて流るるような草書を書いて与え

(ました。うけとったひとはおおよろこび、うつくしいふでのはこびにめをほそめましたが、さてなんと)

ました。受取った人は大悦び、美しい筆の運びに眼を細めましたが、さて何と

(かいてあるのかあまりひどいくずしかたでよめません。たちもどってえんつうにきいてみた)

書いてあるのか余りひどいくずし方で読めません。立戻って円通に訊いてみた

(ところが、ひっしゃじしんのえんつうさえよめないというしまつ。けれどもえんつうはいっこう)

ところが、筆者自身の円通さえ読めないという始末。けれども円通は一向

(へいきでした。「わたしのもんじんのsというおとこが、わたしのじをよみなれている。これは)

平気でした。「私の門人のSという男が、私の字を読み慣れている。これは

(そのかたへもっていってよみこなしてもらうほうがはやみちとおもうが」まずこんなちょうしの)

其の方へ持って行って読みこなして貰う方が早道と思うが」先ずこんな調子の

(じんぶつでした。ほうげんはふだん、きしゅうにすみ、えんつうはおおさかにすんでいました。ところが)

人物でした。法眼は不断、紀州に住み、円通は大阪に住んでいました。ところが

(ほうむのつごうで2りはぐうぜん、きょうとにおちあってしばらくとうりゅうすることになりました。)

法務の都合で二人は偶然、京都に落合ってしばらく逗留する事になりました。

(こういう2りがかおをあわせたのですから、かわったできごとがおこるのもむりは)

こういう二人が顔を合せたのですから、変った出来事が起るのも無理は

など

(ありません。きょうとのゆうりとしてなだかいのはしまばらですが、しまばらは3だいしょうぐんいえみつの)

ありません。京都の遊里として名高いのは島原ですが、島原は三代将軍家光の

(じぶんにでき、べつにぎおんちょうのちゃやというのがちょうどこのじぶんにできて、もだんな)

時分に出来、別に祇園町の茶屋というのが丁度此の時分に出来て、モダンな

(ゆうりとしてしちゅうにうわさがたかかった。それがどうやら、2ぜんそうのみみにもはいりました。)

遊里として市中に噂が高かった。それがどうやら、二禅僧の耳にも入りました。

(もとよりうわさをなまぎきのうえ、2りのせいかくからしても、そのないようをさっしられそうにも)

もとより噂を生聴きの上、二人の性格からしても、その内容を察しられそうにも

(おもわれません。ただ「せっかく、きょうとへきたことでもあるから、そのひょうばんのちゃやとか)

思われません。ただ「折角、京都へ来た事でもあるから、その評判の茶屋とか

(いうものもけんがくしとこうではないか」このくらいな、あっさりしたどうきで2りは)

いうものも見学しとこうではないか」このくらいな、あっさりした動機で二人は

(つれだってちゃやたんけんにでかけました。えりのあわせめからもえるようなひむくの)

連れ立って茶屋探険に出かけました。襟の合せ目から燃えるような緋無垢の

(はだぎをちらとのぞかせ、たまごいろのちりめんのきものにごろのはおり、うんさいおりのふくろたび、)

肌着をちらと覗かせ、卵色の縮緬の着物に呉絽の羽織、雲斎織の袋足袋、

(おおわきざし、--ざっとこういうだてなふくそうのふりょうしんしたちがたくさんさまようという)

大脇差、――ざっとこういう伊達な服装の不良紳士たちが沢山さまようという

(いろまちのとおりに、そうぎょうの2りがぶらぶらあるくすがたはよほど、いようなものであったろうと)

色町の通りに、僧形の二人がぶらぶら歩く姿は余程、異様なものであったろうと

(おもいます。2りは、すだれをたらしたなかからつやっぽいこしらえごえで「よらしゃりませい)

思います。二人は、簾を垂らした中から艶っぽい拵え声で「寄らしゃりませい

(よらしゃりませい」ともーしょんをかけているぎおんのちゃやを、あちらこちらを)

寄らしゃりませい」とモーションをかけている祇園の茶屋を、あちらこちらを

(ぶっしょくしてあるきましたが、いかさまたんけんするならなるたけおおきないえがよかろうと)

物色して歩きましたが、いかさま探険するなら成るたけ大きな家がよかろうと

(いうので、もんがまえのりっぱな1けんへつかつかとはいりました。そして「わたしはせっつのくに)

いうので、門構えの立派な一軒へつかつかと入りました。そして「私は摂津国

(ほうふくじのえんつうともうすぜんそう、これなるはきしゅうこうみょうじのほうげんともうすつれのそう、)

法福寺の円通と申す禅僧、これなるは紀州光明寺の法眼と申す連れの僧、

(ごしゅじんもあらばおめにかかりたい」とかたくるしくもうしいれました。とりつぎのじょちゅうから)

御主人も在らばお目にかかり度い」と堅苦しく申入れました。取次ぎの女中から

(ようすをきいたちゃやのしゅじんはびっくりしました。なんのようじかしらないが、ほうげん、)

様子を聴いた茶屋の主人はびっくりしました。何の用事か知らないが、法眼、

(えんつうといえばとうじうわさにたかいせいそうたち、しつれいがあってはいけないというので、)

円通といえば当時噂に高い清僧たち、失礼があってはいけないと言うので、

(じょちゅうたちにいいふくめ、いともていねいにざしきへとおしてせいざにすえ、じぶんははかまはおりで)

女中たちに云い含め、いとも丁寧に座敷へ通して正座に据え、自分は袴羽織で

(あいさつにでました。これをみて、かんしんしたほうげんはえんつうにむかっていいました。)

挨拶に出ました。これを見て、感心した法眼は円通に向って言いました。

(「どうだ、ちゃやというものはれいぎただしいものではないか」しゅじんがようむきをきいて)

「どうだ、茶屋というものは礼儀正しいものではないか」主人が用向きを訊いて

(みるとかくべつのこともないようす、はなしのぐあいでは、どうやらちゃやのあそびということを)

みると格別のことも無い様子、話の具合では、どうやら茶屋の遊びという事を

(せいそうらしくかんたんにおもいなして、なにもしらずにこころみにきたようす。しゅじんしろべえは)

清僧らしく簡単に思い做して、何も知らずに試みに来た様子。主人四郎兵衛は

(1じはしょうばいなみにこのぼうさんたちをゆうきょうさせてぜにもうけをしようかともおもいました)

一時は商売並みにこの坊さんたちを遊興させて銭儲けをしようかとも思いました

(が、2りのようすをみるのにあまりにぞくばなれがしていてじゅんじょうむくのこどもにかえって)

が、二人の様子を見るのに余りに俗離れがしていて純情無垢のこどもに還って

(いるのでこれにいろまちのならわしのものをすすめるというのはどうにもしんこくすぎる)

いるのでこれに色町の慣わしのものを勧めるというのはどうにも深刻過ぎる

(ようにおもえ、また、2りのようすの、こどものむじゃきさにみえていながら、)

ように思え、また、二人の様子の、こどもの無邪気さに見えていながら、

(ふきぬけてからっとしたたいどには、じつになにもかもしりつくしていながらわざとぐを)

吹抜けてからっとした態度には、実に何もかも知り尽していながらわざと愚を

(よそおっているのではあるまいかとうたがわれるようなおくそこのしれないうすきみわるいものを)

装っているのではあるまいかと疑われるような奥底の知れない薄気味悪いものを

(かんじまして、なにもいまさら、じぶんらがしょくぎょうにしているようなふつうじんにみりょくにかんぜ)

感じまして、何も今更、自分等が職業にしているような普通人に魅力に感ぜ

(られるものを、これらのたつじんにあたえてみせたところで、なんだ、これしきのものか)

られるものを、これ等の達人に与えて見せたところで、何だ、これしきのものか

(といっしょうにふされるばかりでなく、あべこべにあさましいこちらのはらのそこまでよみ)

と一笑に附されるばかりでなく、あべこべに浅ましいこちらの腹の底まで読み

(とられそうなきがして、どうたいぐうしたものか、しろべえはしあんにくれて)

取られそうな気がして、どう待遇したものか、四郎兵衛は思案に暮れて

(いました。なつのことですからどうきのささちまき、それにあわたぐちのいちご、とうじきょうとの)

いました。夏の事ですから道喜の笹ちまき、それに粟田口のいちご、当時京都の

(めいぶつとされていたこれらのきせつのものをはこんでじょちゅう23にんがいれまじり、たちまじり)

名物とされていたこれ等の季節のものを運んで女中二三人が入れ交り、立ち交り

(ざしきへあらわれました。いずれもみずいろのそろいのかたびらに、しんなしのおおはばおびを)

座敷へ現れました。いずれも水色の揃いの帷子に、しん無しの大幅帯を

(しどけなくむすび、こまくらなしのおおしまだを、ひとすじのおくれげもなくゆいたてています。)

しどけなく結び、小枕なしの大島田を、一筋の後れ毛もなく結い立てています。

(きょうおんなのきじのしろいはだへゆうげしょうをねんいりにほどこしたのがもじどおりみずもしたたるような)

京女の生地の白い肌へ夕化粧を念入りに施したのが文字通り水もしたたるような

(うつくしさです。えんつうはさきほどからまじまじとおんなたちのすがたにみいっていましたが、とうとう)

美しさです。円通は先程からまじまじと女達の姿に見入っていましたが、遂々

(かんたんのこえをたてました。「いやおどろくほどうつくしいむすめさんたちだ。そろいもそろってこう)

感嘆の声を立てました。「いや驚くほど美しい娘さんたちだ。揃いも揃って斯う

(いうむすめさんがたをもたれたごしゅじんはおやごとしてさぞうれしいことであろうな」)

いう娘さんがたを持たれた御主人は親御としてさぞ嬉しいことであろうな」

(しゃくふをすっかりこのいえのれいじょうとおもいこんでしまったのでありました。この)

酌婦をすっかり此の家の令嬢と思い込んでしまったのでありました。この

(ひとことに、しろべえは、もうこのきゃくたちにゆうきょうさせようなぞというきはみじんも)

一言に、四郎兵衛は、もうこの客たちに遊興させようなぞという気は微塵も

(なくなりました。あとは「へえー」とひれふしてすぐにざをたち、しんとがきえの)

無くなりました。後は「へえー」と平伏して直ぐに座を立ち、信徒が帰依の

(こうそうをくようするこころがまえでしゅはんをきょうおうすべくしたくにかかりました。なんにもしらぬ)

高僧を供養する心構えで酒飯を饗応すべく支度にかかりました。何にも知らぬ

(2そうは、すっかりよろこんではしをとりながらしゅじんやじょちゅうをあいてによもやまのはなしのすえ、)

二僧は、すっかり悦んで箸を取りながら主人や女中を相手に四方山の咄の末、

(ほうげんがいいました。「ときにごしゅじん、われらここへこうまいって、ごかぞくにおめに)

法眼が言いました。「時に御主人、われ等ここへ斯う参って、御家族にお目に

(かかりねんごろなおきゅうじにあずかるのもなにかのいんねんです。せっかくのきかいですからむすめごたちに)

かかり懇な御給仕に預るのも何かの因縁です。折角の機会ですから娘御たちに

(さんきをさずけてあげましょう。わたしのとなえるとおり、みなさんもがっしょうしてとなえなさるが)

三帰を授けてあげましょう。私の唱える通り、みなさんも合掌して唱えなさるが

(よい」「それがいいそれがいい」えんつうもさんせいしました。まるできつねにつかれた)

よい」「それがいいそれがいい」円通も賛成しました。まるで狐に憑かれた

(ようなかおをしてたがいにかおをみあわせ、2そうをとりまいたしゅじんとじょちゅうはわがたにすわって)

ような顔をして互いに顔を見合せ、二僧を取巻いた主人と女中は環がたに坐って

(がっしょうしました。ざしきはしんとしずまりかえりました。ゆうかぜがたってきたか、あおすだれは)

合掌しました。座敷はしんと静まり返りました。夕風が立って来たか、青簾は

(ゆらゆらゆれます。うちみずしたにわにくろずんだくらまいしがはいちよくおきすえられ、)

ゆらゆら揺れます。打水した庭にくろずんだ鞍馬石が配置よく置き据えられ、

(それにはそそとしたわかたけが、いちいち、うえそえてあります。いろざとのいろのなかとは)

それには楚々とした若竹が、一々、植え添えてあります。色里の色の中とは

(おもえぬせいじゃくな1とき。こだちをへだてたはなれざしきから、もうきゃくがきているものと)

思えぬ清寂な一とき。木立を距てた離れ座敷から、もう客が来ているものと

(みえ、ゆうえんなこえでなげぶしがきこえてきます。わたりくらべてよのなかみればあわの)

見え、優婉な声で投げ節が聞えて来ます。渡りくらべて世の中見れば阿波の

(なるとになみもなし--ここのざしきではほうげんのさびてたんたんたるこえでとなえだされ)

鳴門に波もなし―― ここの座敷では法眼の錆びて淡々たる声で唱え出され

(ました。なむきえぶつ--なむきえほう--なむきえそう--)

ました。なむ きえ ぶつ―― なむ きえ ほう―― なむ きえ そう――

(それをしぜんにまぬてくそうしているうちにわかいおんなたちはこころのそこからいままでにおぼえた)

それを自然にまぬて口唱して居るうちに若い女たちは心の底から今までに覚えた

(ことのないあかるい、しんみりしたきもちにさせられて、あわせたてにもおのずから)

ことの無い明るい、しんみりした気持ちにさせられて、合せた手にも自ずから

(ちからがはいりおやおやなみだがでるとじぶんでふしぎがるほどあまいけいかいななみだがしぜんにまぶたを)

力が入りおやおや涙が出ると自分で不思議がるほど甘い軽快な涙が自然に瞼を

(うるおしているのでした。なむきえぶつ--なむきえほう--なむ)

うるおしているのでした。なむ きえ ぶつ―― なむ きえ ほう―― なむ

(きえそう--いちどうはそれをくりかえしました。くみかえられて、すいしょうをはった)

きえ そう―― 一同はそれを繰り返しました。汲みかえられて、水晶を張った

(ようなちょうずばちのみずにしんげつがあおくうつっています。それがすんで2りは「さて、)

ような手水鉢の水に新月が青く映っています。それが済んで二人は「さて、

(かえろう。ごしゅじんかんじょうはいくらですか」「いえ、ごしゅっけからはちょうだいいたしません」)

帰ろう。御主人勘定はいくらですか」「いえ、御出家からは頂戴致しません」

(「ほほう、それはきとくなことですな」2りのせいそうはきぐうのてらへかえりました。そして)

「ほほう、それは奇特な事ですな」二人の清僧は寄寓の寺へ帰りました。そして

(だいとくいでちゃやけんがくのようすをわかいそうたちにはなしてきかせました。そしてつぎのいけんを)

大得意で茶屋見学の様子を若い僧たちに話して聴かせました。そして次の意見を

(つけくわえました。「なるほど、ちゃやというところはよいところだ、わかいそうの)

附け加えました。「成程、茶屋というところはよいところだ、若い僧の

(いきたがるのもむりはない。れいぎがただしくて、ごちそうをしてくれて、かねをとらん)

行き度がるのも無理はない。礼儀が正しくて、御馳走をして呉れて、金を取らん

(というのだから。あすこなら、みんなもせいぜいいきなさい」せいねんそうたちはちゃやの)

というのだから。あすこなら、みんなもせいぜい行きなさい」青年僧達は茶屋の

(じっさいをけいけんしてよくしっていましたが、この2そうのちゃやたんけんかんさつだんをきいて)

実際を経験してよく知って居ましたが、この二僧の茶屋探検観察談を聞いて

(からは、ふっつりないしょのちゃやあそびをやめてしまいました。いっぽう、ぎおんの)

からは、ふっつり内証の茶屋遊びを止めて仕舞いました。一方、祇園の

(しろべえのちゃやのじょちゅうたちはたがいにうわさをしあっていました。「あのろうそうたちは)

四郎兵衛の茶屋の女中たちは互いに噂をし合っていました。「あの老僧たちは

(なんといううでのあるひとたちだろう。たったいっときにしろ、あんなにひとをしみじみした)

何という腕のある人達だろう。たった一時にしろ、あんなに人をしみじみした

(きもちにさしてさ。わたしたちはいくつかのれんあいをしたけれども、どんなこいびとからも)

気持ちにさしてさ。私たちは幾つかの恋愛をしたけれども、どんな恋人からも

(あんなきもちにさせられたことは1ぺんもなかった」)

あんな気持ちにさせられた事は一遍も無かった」

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