バクテリア

(うらにわのぼひょうでおもいだすひびよ)

裏庭の墓標で思い出す日々よ

(あなたにはひとつもつみはないが)

貴方にはひとつも罪はないが

(ばくてりあのひとつになって)

バクテリアのひとつになって

(そのちのなかの)

その血の中の

(すべてをしはいしてあげるのに)

全てを支配してあげるのに

(そしゃくすらもめんどうがるあなたのために)

咀嚼すらも面倒がるあなたのために

(はきやすいことばだけをえらんでうたった)

吐きやすい言葉だけを選んで歌った

(さようならとかきらいだとか)

さようならとか嫌いだとか

(とがったものだけがわがものがおではしる)

尖ったものだけが我が物顔で走る

(すこしできないだけではゆるしてくれない)

少しできないだけでは許してくれない

(ちゅうとはんぱなくろではたすけもよべない)

中途半端な黒では助けも呼べない

(むりやりだしたふつうだとか)

無理やり出した普通だとか

(とどかなくていいものだけうけとるんだろう)

届かなくていいものだけ受け取るんだろう

(ほんとうはすこしもおこらずに)

本当は少しも怒らずに

(このくにをかんせいさせてしまいたい)

この国を完成させてしまいたい

(ほんとうにえいえんがここにないなら)

本当に永遠がここにないなら

(いまおわらせて)

今終わらせて

(うらにわのぼひょうでおもいだすひびよ)

裏庭の墓標で思い出す日々よ

(あなたにはひとつもつみはないが)

貴方にはひとつも罪はないが

(ばくてりあのひとつになって)

バクテリアのひとつになって

(そのちのなかのすべてをしはいしたい)

その血の中の全てを支配したい

(くちにはだせないうちゅうを)

口には出せない宇宙を

(なぐってかざりつけてむりょうでくばる)

殴って飾り付けて無料で配る

(たりなくてもやさしいひとに)

足りなくても優しい人に

(なりたいだけなの)

なりたいだけなの

(ここにいておしえてよ)

ここにいて教えてよ

(ぜろがさんびゃくろくじゅうどになったことを)

0が360度になったことを

(はなすにはたましいをけずるしかないの)

話すには魂を削るしかないの

(わかりやすいもわからないも)

わかりやすいもわからないも

(くだらないとすてるなら)

くだらないと捨てるなら

(なにをたべてくれるの)

何を食べてくれるの？

(すこしもまざることのないめろでぃふたつ)

少しも混ざることのないメロディふたつ

(とうぜんにくちずさむとおまきなひにく)

当然に口ずさむ遠巻きな皮肉

(むだによりそうかいたいやは)

無駄に寄り添う解体屋は

(なにかににてないものをゆるさないんだろう)

何かに似てないものを許さないんだろう

(あくのないことばで)

あくのない言葉で

(ひとをうごかせたらどんなに)

人を動かせたらどんなに

(いいだろういまでも)

いいだろう 今でも

(あこがれているの)

憧れているの

(うらにわのぼひょうでおもいだすひびよ)

裏庭の墓標で思い出す日々よ

(あなたにはひとつもつみはないが)

貴方にはひとつも罪はないが

(ばくてりあのひとつになって)

バクテリアのひとつになって

(そのちのなかのすべてをしはいしたい)

その血の中の全てを支配したい

(くちにはだせないうちゅうを)

口には出せない宇宙を

(なぐってかざりつけてむりょうでくばる)

殴って飾り付けて無料で配る

(たりなくてもやさしいひとに)

足りなくても優しい人に

(なりたいだけなの)

なりたいだけなの

(ここにいておしえてよ)

ここにいて教えてよ

(ばくてりあのひとつになって)

バクテリアのひとつになって

(そのちのなかの)

その血の中の

(すべてをしはいしてあげるのに)

全てを支配してあげるのに