命ノ相聞歌

(ことばにすればほんの ひとひらのことのは)

言葉にすれば　ほんの 一片の言の葉

(ひとりつぶやいてほほそめる にわさきのもみじのいろに)

独り呟いて頬染める 庭先の紅葉の色に

(ふいにけはいをかんじて ふりむけばそこにたたずむあなた)

ふいに気配を感じて 振り向けば　其処に佇む貴方

(きいたのですか？おもわず はずかしさににげるわたしをおって)

聞いたのですか？思はず 恥ずかしさに逃げる私を追って

(だきしめたいとおしきあなたよ)

抱きしめた　愛ほしき貴方よ

(ーあいしています。 おさえてたのに)

ー愛してゐます。 抑へてたのに

(あふれだしたことばは いのちのこいうた)

溢れ出した言葉は 命の相聞歌

(ーいきてください。 いのるがごとくつよくささやく)

ー生きて下さい。 祈るが如く強く囁く

(まことのこいをした きっといっしょういちど)

誠の戀をした きっと一生一度

(いのちをかけて)

命を懸けて

(あなたのうでのなかで めをとじたひととき)

貴方の腕の中で 目を閉じた一瞬

(ここじゃないどこかたびしていた しあわせというなのばしょへ)

此処じゃない何処か旅してゐた 幸せといふ名の場所へ

(されどまぶたをあければ せんらんとここでたたかうあなた)

されど瞼を開ければ 戦乱と此処で戦う貴方

(どうしてですか？けっして ゆるされぬこのといこころにひめて)

どうしてですか？決して 許されぬ此の問い心に秘めて

(ついてゆく ただひとりあなたに)

ついてゆく ただ独り貴方に

(ーあいしています。 ひとことだけの)

ー愛してゐます。 一言だけの

(くもりのないちかいはいのちのやくそく ーいきてください。)

曇りのなひ誓ひは命の約束 ー生きて下さい。

(あなたがもしもうたれるのなら みがわりになりたい)

貴方がもしも討たれるのなら 身代わりになりたひ

(それはいっしょういちど すべてをかけて)

其れは一生一度 全てを懸けて

(わすれはしない あなたによりそって)

忘れはしなひ 貴方に寄り添って

(みあげたゆうばえあのかがやき かなしいほどにそううつくしいせつなのひが)

見上げた夕映え　あの輝き 悲しいほどにさう　美しい刹那の火が

(このせかいごともやしひかっていた)

此の世界ごと　燃やし光ってゐた

(ーあいしています。 おさえてたのに)

ー愛してゐます。 抑へてたのに

(あふれだしたことばはいのちのこいうた)

溢れ出した言葉は命の相聞歌

(ーあいしています。 ひとことだけの)

ー愛してゐます。 一言だけの

(くもりのないちかいはいのちのやくそく ーいきてください。)

曇りのなひ誓ひは命の約束 ー生きて下さい。

(いのるがごとくつよくささやく まことのこいをした)

祈るが如く強く囁く 誠の戀をした

(きっといっしょういちど いのちをかけて)

きっと一生一度 命を懸けて

(まことのこいを)

誠の戀を